タイBL、タイドラマに浸かる日々|サバイなブログ

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Vice Versa 第七話・第八話。もうこの世界線で生きてけばいいじゃないか?という疑問

転生先で入れ替わった相手が死ぬと自分も巻き添えを食って死んでしまう。

という設定が加わって、相棒にそんな目にあってほしくないTalay君は彼だけでもサッサと元の世界に戻そうとする。

自分はあっさり身を引いて(勝手にPuenさんの運命の人だと決めつけている)Namtanさん演じる女子といい感じにしようとするけれど。

実際彼らが思惑どおり仲良くしてると、胸の奥がちょい痛い。

みたいな展開から「やっぱり一緒に元の世界に戻ろうね」という展開になる第7話。

 

 

 

続く8話は攻守交代。
宿主TunTessの夢、映画製作を続ける過程で、2人は旧友にして今は映画監督志望のMekさんと再会を果たす。

Mekさんの風貌が元の世界線でTalay君が好きだったMork(名前はうろ覚え)に似ている事を聞かされたPuenさんは嫉妬の炎をメラメラと燃やし、ロケハンという名のデートに突入したあげく、停電したとはいえ営業時間内の美術館で、音たてながらのキスに持ち込む。

という展開の第8話。

このMekさんを演じているのが、いまだLove by chanceのAe役の記憶が鮮明なPerthさん。GMMと契約したのは知っていたので来年あたり誰かとコンビ組んで、ブイブイ言わせるんだろうなぁ、と思っていたら早くも敵役としてブイブイ言わせてます^^;

欠点?といえばあふれる欲に抗しきれない事くらいで、素朴で真面目で正義感の強いAeさんの印象から一転して、過去の仕打ち(まぁでも事実であれば根に持つよね)を根にもってTalay=Tessをいびるネチっこさ。

いい味だしてます。

 

他、第8話ではTayTawanさんが顔のイケてる宅配の兄ちゃんとして登場。

主にNamtanちゃんとのやりとりで主役2人を食いまくる。

普通に主役張ってる2人を端役として消費する贅沢な作りになっていました。

からの

タイBL『Vice Versa』第七話・第八話の感想を。

rukacchii.hatenablog.com

そろそろ後半戦に入ろうかとするこのドラマ。

ここまでずっと転生先で知り合った2人の男子が「元の世界に戻ろうね」という事を誓いつつ、宿主の生活を思う存分楽しんでいる様が描かれています。

エピソードによっては宿主の夢(つまり担当した脚本が売れて映像化する)にほとんどを費やした回もある。

ビルの屋上のビニールハウスを仕事場にしたり、ヴァンを改造した移動式の仕事場を手に入れたり、仲間と泣いたり笑ったりして夢に向かって進んでく。

お国柄なのか作風なのかは不明ですが、夢がなかなか結実しない事への悲壮感というかやさぐれ感もほとんどないので、見ていると「人生謳歌してんなぁ」という印象を受けるんですよね。

そしてそうなると「もういっそこの世界で生きていけばいいじゃんよ?」という気分になる。

鏡に映る顔は違うけど、そろそろ一年が経過してそれにも慣れてきたでしょう?

いや僕には僕の夢があるんだ!と思ってるのかもしれませんけど「でも元の世界でも映画に関わりたいんでしょ?今も十分に(というか映画製作の一番上流工程から)関わってるじゃないですか?夢叶ってるじゃないですか?一体なにが違うのですかね?」

という感慨をここ数話のエピソードを見てると感じます。

夢も金も友人もあり、恋人まで出来たこの充実した世界線を捨ててまで、どうしてTalayは元の世界線に戻ろうと思い続けられるのか?(個人的に本音でそこまで戻りたいと思ってるようにも思えない)

回を重ねリアル充実してる様を見るにつれ「戻りたい」という想いに共感しにくくなってきています。

これは結局のところ「元の世界線」について、このドラマは(現時点で)ほっとんどなにも触れていないから、なんですよね。

家族や友人との平凡な日常はもちろん大切なんでしょうけれど、彼がそれをどんだけ愛していたのかを表現したエピソードはほとんどない。

夢も、少し形は変わったけれど叶ってる。

元の世界線に彼氏なり彼女なりがいるというなら強い動機になるけれど、それもドラマの中で明かされてない。

 

これはPuen側も同様で、彼はどうやら「このままこの世界に留まりたい」という意識に変わってきてるようなのですが、元の世界線でスターとして成功していた彼が裏でどんな想いを抱えていたのか、どれだけ疲弊していたのかは描写されていないので想いの切実さを共有できない。

 

 

 

「TunTessとして暮らす日々の出来事」が充実感をもって描かれる一方、対立軸になるはずの「なんとかして戻りたい元の世界線」の魅力は十二分に表現されていない。

だからドラマの面白さのほとんどが「映画製作にまつわるサクセスストーリー」の部分に依存してる印象を受けます。

それでもまぁ面白く見れるのだからいいのですけど……。

厳密にいうなら、元の世界に戻る事を目的としている間は、映画制作に関わる話はTalayとPuenの物語ではなくTunとTessの物語なんですよね。

となると我々はTalayとPuenのビジュアルを通して、TunTessのサクセスストーリーを見ているわけで、主役として最も深く掘り下げられるべきTalayとPeunの内面についてのエピソードは現時点ではあまり興味を引く展開になっていない。

「主役2人が転生してる」設定がらみのエピソードをザクッと削っても、ドラマとしての面白さが大きく減ずる事はないだろうと個人的には感じていて、なんとーなく全体像がいびつな形で中盤を折り返したなという印象です。

待て次号。

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