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ViceVersa 第九話・第十話「Talayはもう充分に人の人生を盗んでないか?」

前回のブログで転生先で2人とも人生充実してるんだし、だいぶ年月経ってるんだし元の世界に戻らなくてもこのまま2人、この世界で末永く幸せに暮せばいいのじゃないんかな?

という趣旨の事を書いたんですが、ほぼそのまんまの事をPuenさん(Tunの中の人)が言い出した……。

タイBL『Vice Versa』第九話・第十話の感想を。 

rukacchii.hatenablog.com

僕は「そうだよね。それでいいと思いますよ」とPuenさんに完全同意してしまったのですが、てっさんの中の人Talayくんは「いくら宿主が恵まれてるからって、他人の人生を横取りするなんてサイテー」と。

え?そこまで怒りますか?

という勢いでPuenを攻める。

 

 

 

僕はちょっとこのTalayさんの見解には納得できないというか承服できないといいますか……。

Talayさんが体を間借りしてるTessさんは確かお父さんとソリが合わずに、父の経営する映画会社とも距離を取りたがっていた筈だし(兄談)、そもそもTessはTunとも中盤から現れたMekとも決して親しいとはいえない状況だったわけで……。

そんなTessが互いの人生をスワップしたあの瞬間に「Tunとその仲間たちと一緒になって、父の会社で映画を制作したい」と思っていたとは考えにくい。

中身がTalayくんになってなければ、Tessは父の会社に出入りして脚本の売り込みに立ち会う事もなかったし。

Talayが「戻るまでは精一杯彼の人生を生きよう」みたいな生真面目な事を思わなければ。そして程なくTunと体をスワップしたPuenさんがTunの日記を読んでなければ、Tunとその仲間のシナリオライターとつるんで映画を作る事にはならなかった。

しかもその映画が不興で4人全員ライター生命が絶たれかねない事態に陥ってしまったわけで、戻ってきたら「Tun氏、夢破れてた」という展開になりかねなかったのに。

わずか一年ちょいで宿主の人生(良い方向にだけど)激変させてしまったTalayくんが「人の人生を盗むなよ」と口走るのは、ちょっとフェアじゃない。

君は宿主の許可なく、宿主の人生を自分に都合の良いように大きく変えてしまってるじゃないか。

これまで険悪だった関係をすべて好転させたからって、宿主が望んでいたかどうか判らない事を勝手に修正してしまう事も人生を盗んだ事にならないだろうか?

少なくともTalayさんは、とやかく言えないレベルで宿主の人生を大改変しちゃってるという自覚があってもいいと思う。

しかも彼は自分の人生だけじゃなく周囲の人生にも大きな影響を与えてる。

Tunがリードしていたっぽいライター仲間はいまや成功しつつあるけれど。それを運良く戻ってきたTunは喜ぶだろうか?

自分がいない2年ちょいの期間(映画企画立ち上げから作ったら、本来は2年で収まらないと思いますが)で、遠かった夢に手が届きそうになっているけれど。

その成功に費やした年月と流した汗にTun本人は一ミリも関わっていない。

それを知りながらTunは現状を喜べるのだろうか?

それを夢を叶えたと思えるんだろうか?

その答え合わせは第11話にて明かされるかもしれないので、少し楽しみになってきています。

 

 

 

こんなやりとりがありつつも2人の仮の人生はおおむね順風満帆。しかも互いについに「運命の人」だと確信し、元に戻るのは時間の問題。

元の世界に戻ったけれど、Talayは相手の顔も名前を知らなくて途方にくれるだがしかし!

かのアルパカ帽が2人の青年を結びつけ、元の世界でも再会を果たしたTalayとPeunは熱い口づけを交わすのでした。

または嫉妬の炎に荒れ狂うTalayの女友達の毒牙にかかり海の藻屑と消えるのでした……。ジ・エンド。

とか予定調和的穏やかな感じで終わっていくのだろうな(ちょっと物足りないな)と思っていたら……。

「運命の人」が見つかって夢も見て、元の世界に戻れたのは(とりあえず)Puen1人だけ。ひたすら「元の世界に帰りたい」と言い続けてたTalayだけが取り残されるという実にいやらしい展開で10話は幕を閉じました。

「やったぜ!ついに元の世界に戻ってきたんだ」

と言って抱きつくJimmy演じるPuenさん。

その瞬間にTalayの表情がこわばって

「?なにが起こった?」

と思ったら次のカットではNanon演じるTun(Pakorn)に変わってるという演出

まじで背筋がぞわぁっとなりました。

外見はまるで変わらないTunから、Talayがじりっとパーソナルスペースを開けるところも演出が細かい。

素晴らしい演出。そして素晴らしい鬼畜感。

序盤に予想もつかない方向に話をもっていったこの作品。最終盤で再び斜め上行く展開になり、最後まで目が離せなくなってきました。

待て次号。

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