作戦がザル過ぎるからか、それとも育ちの良さが邪魔をしたのかSeanが長年温めていた計画を中途で放棄したWhiteさん。
これにSeanは大激怒。
殺してやらんという勢いでWhiteさんの首を締める。
萌えも甘いも欠片もないシーンではありますが「White(中の人ごと)失神すんじゃね?」とチラッと脳裏を掠めたほどに締める側も締められる側も迫真の演技。
長年連れ添ってきた2人だからこそ相手を信じて踏み込める。そんな気迫を感じます。
主人公がドラマの真ん中で途中退場しかねない緊急事態を、仲間が仲裁し、なんとか脱出。
Whiteは本気でそう思っているのか、その場の機転なのか(この人、頭の回転が早いのでその場を適当な事言って切り抜けるのが上手いですよね)
Not Me。第七話の感想を
急死に一生を得たWhiteさんはSeanの立てた作戦がいかにザルかを今頃になって^^;指摘する。
どのみち品質検査で引っかかるし、工場内に勝手に侵入された事だけで充分顧客は商品を買い控える(だから異物なんか入れる必要はない)とWhiteさんは主張するけど、もちろん大衆の心はそう思う通りになびいてくれない。
このエピソード。
中盤は本来必ずしも一つの運動に集約するとは限らない労働問題とジェンダーの問題を「問題の根っこはおんなじなんだ!」という主張をストレートに展開し違和感なく反タウィーの旗印の元に結集。
そのうえで反タウィーの元に結集する若者たちの高揚感と彼らが掲げる大きなレインボーフラッグの絵力の強さで、こちらまで気持ちの高ぶりが伝わってくる力強いシーンが展開されます。
その一方で、この運動に乗れない面々。
厳しい現実をただ生き抜くことに精一杯で自分の不遇の原因がなんなのか?立ち止まって考えたり、理想に想いを寄せる余裕すらない人の事を断罪する事なく、こちらの意見や思考にも共感できるよう描いてるところに感銘を受けます。
そんな人物の1人として登場しているのがYokのお母さん。
耳が不自由なのがハンデとなり、恵まれた就業条件ではないにもかかわらず彼女は自分の雇い主の紳士的な振る舞いを素直に受け入れ、彼に好意すら抱いている。
Yokにはハンディキャップを理由に搾取されてるように見えるけど、母は楽ではない自分の暮らしを「社会が悪い」とか「搾取する富裕層が悪い」とか自分以外のなにかのせいにしない。
淡々と身に降りかかる災難にため息をつき、それでもなんとか日々を生きていこうとする。その素朴かつ、たくましい生き方こそ「大人の生き方」のようにも感じられる。
母のような立場の人からすれば仕事をさせてもらえるだけでありがたい。美しいけど現実とは乖離した理想は社会を混乱させ、自分達の仕事を奪うだけ。
よって反タウィー派(息子も一味なのが皮肉ですね)への想いも否定的。理想に燃えるYokさんはもちろん母が自分達の行動に理解を示さないのが歯がゆそうですが、ドラマはここで思い切りYokの立場に寄り添って「母ちゃん!あんた騙されてるよ。立ち上がれよ」とはならないあたりのバランス感覚が個人的にはとても好感を持っています。
理想の元に突っ走ったあげく助けたかった人の現実はさらに苦しいものになる。
それをきちんと踏まえながらも「でも社会を理想の元に変えていかんと未来はないんだ」という主張を大見栄切ってぶちあげる。
その潔さが個人的には大好きですね。
と若者世代と親世代の問題意識の違いについて「う〜ん」と考えてしまう展開の後は、ようやくBLらしい展開が戻ってくるわけですが^^;
それについてはまとめて、待て次号!