KHEMJIRA 逃れられない呪い 8話〜9話の感想を
ずーっとツンケンしていた導師様が閉ざしていた心を解放し、Khem(ケム)と両思いになるまでを、まさかの2時間拡大バージョンでお届けするのが第8話。
一足先に、通じ合っちゃったChan(チャーン)とJet(ジェット)。
ここからしばらくイチャイチャフェーズかと思ったら朝日と共に冷静になったJetさんが「展開が早すぎる!」と怖気づき、9話からはお話が「甘い」雰囲気を許さなくなり、ひとまずは「友達のまま」という状態に^^;
Khemと導師それぞれに狙いを定めていたPongとその姉は、見事にどちらもフラレてしまうものの、どっちもサバサバとした性格で、荒れることなく爽やかに物語を退場していく気持ちのいい恋敵でした。
一度心をほどいてからは、デートも手繋ぎもすっとばしてくKhemと導師様はあっという間に体を重ねる。そこまで進んで、最後の最後まで頑なに上着を脱がないKhemさんの清純派っぷりが印象深いシーンでした。
と、7話、8話で急ピッチに進んだBLドラマとしての展開は、8話の後半で早くも暗い影が差し掛かる。
Ramphuengの手がかりを知るカセム僧侶が急遽、村にやってくる事になるものの不吉な予兆か、列車は中々到着しない。
人に心を開く事のない導師がほとんど唯一心を開き、ほんのわずかばかりの甘えを見せるシー婆(Grandma Si )も体調がすぐれず「カセムに会えるだろうか」などと自ら死亡フラグを立ててくる。
あまりにフラグが露骨なので「間一髪で助かるんだよね」と思ったのもつかのま!
久々、キツめのホラー描写でシー婆がRamphuengに憑依されていた事が発覚。同じボートに乗っていたKhemは沼の中へと落とされる。
Khemも危機なら、毒を盛られた導師も両目から血を流す一大ピンチ。
甘い展開からあっというまにシリーズ最大の危機を迎えての第9話。
この9話で、ようやくなぜRamphuengがKhemを執拗に追いかけるのか、その発端がほぼ半分の尺を使って描かれます。長尺を使ってRamphueng目線で起こった出来事を追体験していくので、Ramphueng編が終わる頃には「いいぞー!一族呪い◯したれ!」という気分になっています^^
Ramphuengの視点で語られているので「子供なんだから仕方がない」と頭では判っていてもKhemの前前前前世くらいの少女のした事に反発心を覚えてしまう。
「これは仕返しされてもちょっと仕方ないのではないだろうか?」と。
そしてこれは9話後半ずっとKhemが抱える自責の念と感情的に重なってくるので、より激しく胸に迫ってくる。
仮にこの危機を無傷で切り抜ける事ができていれば良かったのですが、フラグの立ってたシー婆は勿論(合掌)、導師の兄弟のような存在だったThong(トーン)にEk(エーク)までをも失ってしまうという大損失をKhem陣営は被ってしまう。
戦力というだけじゃではなく、心の支えだった3人を導師は一挙に失うことになってしまった。愛が実ったあとだからこそ、自分(の前世)がしてしまった事が導師を辛い立場に追いやってしまった事に大きな責任を感じないではいられない。
Khemは導師の元を去り、自分一人でRamphuengと対峙することを誓う。
序盤では半ば諦めていたKhem君が、導師に一縷の望みを託し、導師と心を通わせることで生きたいという気持ちを強くする。そして今度はずっと守られる立場にいたKhem君が、導師の被った損失に心を痛めて、1人で立ち向かう決意をした。
キャラクターの成長を見事に描いているのですが……。
それでも、個人的には「今こそ誰もいなくなった導師のそばに君はいるべきじゃないのかい?」という思いを拭えないです。
現時点では。
待て次号!

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