２人して村を降りる日が近づいてきて、チューまでしちゃってるのに真剣交際に至らない悶々とした様子を描いたのが第７話。
Toptapさん演じる村長の息子や６話で突如現れた王子の元彼という２人のライバルは、遥か後方に突き放してるので恋の邪魔には全然ならない。
どっちかがコツンとボールを蹴り込めばそれで試合終了のホイッスルが鳴りそうなのにこの２人、互いへのパスを繰り返すだけで一向にゴールにボールを蹴り込まない。
まぁじれったい事このうえない展開を続けるうちに村では食中毒が発生しFar先生は大忙し。あげく温室育ちの王子先生はマラリアで倒れ命の危機に。
理性を失ったFar先生はおぶって病院に連れて行こうという無茶苦茶に出るも当然失敗。虫の知らせが働いたのか王子の元彼が来てくれたおかげで事なきを得るも、この場においても最愛の人と一緒にいるより、医者としての努めを果たすことを優先させた（王子公認）自分の変わらなさを思い知った先生は身を引く事に決めたのでした。
という……。不戦敗？オウンゴール？で最終回へと２人の恋は持ち込まれたのでした。
Sky in your heart 第７・８話の感想を
いわばFar先生の問題は「仕事か恋かどっちを取るか」という定番の悩みに端を発するものでした。
ドラマは「仕事にのめり込むあまり（自分でも意識することのないままに）恋を捨てていた」過去を持ち、想像もしなかった喪失感に飲まれていた先生が、村の生活と村で出会った王子先生のおかげで自分を取り戻す様を、王子先生との恋の駆け引きと絡めて描いてきたわけですが、ここに来てまた同じ問題を突きつけて、かつ前と同じ決断をする（仕事を取る）のは興味深い。
そして８話の展開にこの決断があまり影響しなかったのも興味深い＾＾；
本来のFar先生は自分の幸せよりも医師としての責任の方を取る人なのだ。という事なのでしょうかね？
職業柄、仕方ないとはいえ「愛する人の危機に一緒にいてあげられなかった」事に自責の念を感じるFar先生。王子に会いにいけない先生の苦悶が８話では存分に描かれたうえでの軌跡の大逆転になるのかと思いきや……。
それほど自責に駆られてる様子はありませんでしたね。
なので８話の興味は、共に村を出たFar先生と王子先生がどうやって再会を果たすのか？というほぼその一点に絞られて、制作側もそれを理解した上で「いや、そのすれ違いはないだろう」というニアミスを頻発。中盤戦は微苦笑が止まらない＾＾
おそらくこの再会に弟夫妻が関与してくるんだろうという事は流れから想像できるのですがそれも制作側は折込済で、ちょっとしたトリックが仕込まれています。
結果、Far先輩の意中の人は、弟夫妻の友達で「なんだよ世間。せめーよな」というお約束の場面を盛り込みつつも意外性のある展開。
後は基本パッシブ男子「向こうが動いてくれるのをつい待っちゃう子」の王子先生の元に駆けつけて、７話で決められなかったシュートを放ってゴールイン。めでたしめでたしという展開でした。
照れ屋の王子が結局「愛してる」も「僕も好き」も言えなくて「うん！（しかもツンツンモード）」の一言なのがまた可愛い。
全体を通してさほど意外性もなく、登場人物はみな程々にいい人で、しかしロケーションの特異性から２人が距離を詰めていく過程は、都会のソレとは一味違う。
ベタと新奇性のバランスが取れたウェルメイドの作品でした。おしまい。
と言ってしまいそうになる所なのですがスペシャル版があと一話残っているようです。
Far先生と王子先生、そして弟夫妻がFar先生の部屋に集結という、ストーリー上、実現できなかった組み合わせで新婚早々のバカップル兄弟を描くという……。
これまた「制作陣はファンの事をよく理解してくださっている」という期待度のあがるスペシャル版のようです。
待て次号！
