兄の暴行事件のキーパーソンとして急浮上したGramさんの身辺調査をしたWhiteは、その素人探偵っぷりから逆に不審を抱かれる。
「Blackが変わった」
そう思っているのはGram以外の面々もおんなじで、彼らは結託してBlackに扮したWhiteを拉致。
という展開かと思わせておいての
Not Me。第六話の感想を
拉致されたのはWhiteだけじゃなくSeanもだった。これまで登場したことのないチンピラさんに「他のメンバーは誰なんだ?」と脅迫されるWhiteとSean。
Seanの身が危ない!
そう感じたWhiteさんはあっさりと残りのメンツをゲロってしまう。
あらま先週のはミスリードで結構本気で窮地に陥ったのか、この2人。
……と思いはじめた所でサプラ~イズ!
やはりGumpa一味が「変わってしまったWhiteが任務を遂行できるかどうか」を試すために仕掛けた罠でした。
どう考えても実戦投入には不安しかないヘタレっぷりを見せつけたWhiteさんですが「本番では絶対しゃべるな」と注意勧告のみで作戦への参加を許される。
作戦を着実に遂行するなら、不安要素は取り除く(Whiteは任務から外す)という理性的な判断をするべきだと思うのですが、このあたりの甘さが学生っぽいというか……。
以降お話は、Seanさんが立てた作戦の実行と、この作戦を実行するに至るSeanの過去を紐解いていきました。
そしてこの作戦もかなり甘い。はなから逮捕上等と言わんばかりのザル作戦。
敵地に乗り込んでおきながらお互い名前で呼んじゃうし、Yokさんは任務の高揚感に花火で遊び始めちゃうし、あげくいくら作戦が予定どおりに進まなかったとはいえ、消してくるはずの監視カメラの映像消さずに逃げてきちゃうしともう散々。
どう考えてもこの子達、悪事に向いてない(いいことだ)。
好意的に解釈するなら、あまりに作戦が杜撰すぎるのとカジュアルすぎるせいで、見ていて学生が遊んでるように感じられる事。
序盤の放火といい、やっているのはそれなりにヤバい犯罪なので「さすがにそれはやりすぎじゃ……」と、もっと気持ちが離れてもおかしくないのですが「学生のヤンチャ」くらいの感覚で見てしまっている自分がいまして。
報われない現状に喘ぐ若者たちが必死の抵抗を試みているという側面を加味すると、充分共感できる範囲に彼らの悪事は収まっている。
どこまで演出の計算に基づいているのか判断がつかない部分もありますが、あまりに彼らの抵抗がスカスカで不器用だからこそ、共感できる余地が残ってる気がしないでもないです。
そして彼らの作戦の上を行く甘さがタウィーさんの工場のセキュリテイ。
郊外都市にある町工場程度だと仮定しても、監視カメラやSEC◯M的な物に加入していて当然だろうし、そもそも食品を扱う工場ならば(いや食品じゃなくてもだ)入室管理のセキュリテイかかってるのが一般的だと思うのですが、学生にたやすく敷地内への侵入を許してしまうという杜撰な管理。
実際のところ、このレベルで杜撰だとイメージダウンを通り越して、国なり県なりから営業許可取り消されてしまうんじゃないかと不安になりますが、特権階級に属していると見逃してもらえるという事なのであれば、それなりの説得力は出てきます。
と、正直この回は見ている最中「ここまで杜撰な工場ないし、ここまでザルな作戦がうまく行くわけないじゃんよ」という想いを終始感じていたわけなんですが、だからこそ「ままならない現実にもがく若者の苦悩」という作品のテーマにフォーカスし続けられたのかなとも想いました。
White達はスマートなプロの犯罪集団みたいな手話を発揮して、迎え撃つ工場のセキュリティも万全だったりすると、スパイ映画か強盗物になっちゃいますからね。
待て次号!