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韓国版ミスト?B級感満載のアクションホラー「Sweet Home」前半

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交通事故で家族をなくしたヒョンスは(おそらく)経済的な問題から、老朽化した高層アパート「グリーンホーム」に越してくる。

そもそもからして(おそらくは)イジメが原因でリストカットを繰り返し、引きこもっていたヒョンス。

落ちるところまで落ちたんだから、いっそ飛び降りてこの世から去ってしまおう。

そう思っていた矢先。

アパート内で異変が起きる。

 

良くも悪くもネットフリックスらしい一気見仕様^^

韓国ドラマ「Sweet Home 俺と世界の絶望」第一話から第五話までの感想を

作品のティーザーはこちらです。

どん!

youtu.be

 

設定上、このドラマには異形の化け物がぎょうさん出てきます。

相手が人間ではないのでふりきったバイオレンス&スプラッター描写もぎょうさん出てきます(ときに人間相手にも)。

その手のものが苦手な方にはツラい視聴体験になると思うので「主役のソン・ガンさんがイケメン」という理由で手を出すのはボクはおすすめしませんよ^^;

実際、劇中にはイケメン……いません^^;

中の人のインタビュー見て「この人、高身長のイケメンだったんだ」と思ったくらい、ヘタレで冴えない高校生になりきってます。

10代だと思いこんでいたくらい幼く見えて、現在26歳だと聞いてビックリ。

ま、とにかく。

イケメン目当てで見ても、イケメンいなくて化け物ばかりでツラいのでご注意を^^;

 

 

 

では化け物映画大好きな諸君のために先を続けよう!(ネタバレ注意)

隣に誰が住んでいるのか。普段だったら気にもかけない住人達。

しかしエレベーターの電気が落ち、携帯も不通。

不審に思いつつ日常生活を続ける面々は一階の入口へと集まり始めた。

ブレーカーが落ちたせいで開かなくなったシャッターを開けると、そこには1人の男が立っていた。

異様に頭部が細長い顔面蒼白のその男。

住人達が事態を把握する前に(早々に気づいたのは人ではなくお犬様だ。ワンワンは偉い!)男の口がパカッと開いて、中から触手が飛び出した!

最初の犠牲者が触手に頭をガブっとやられ現場は阿鼻叫喚の地獄絵図。

元消防士の女性イギョンと、医学男子ウンヒョクの機転でモンスターを退散させることはできたものの……。

どうやらモンスターは一体だけではないらしい。

 

余談ですが、主役はイケメンオーラを全封印されてしまっていますが、代わりに医学男子のウンヒョクさんはメガネが知的なイケメンとして頑張っておられます。

「誰かに似てるな〜」

とず〜っと思っていたのですが、タイアクターのChimonさんに似てるのだ!

というか彼が演じるWaveに似てるのだ!

という事に最近気がつきました。

演じているのはイ・ドヒョンさんという方です。

 

一階では大変な事が起こりつつあるなかで。

グリーンジャージがだらしないイケメン感ゼロの少年ヒョンスは14階のボロ部屋にこもってゲームをやっていた。

近いうちにこの世を去ろう思っていても、人間だから腹は空く。

しかも食べざかり。

辛ラーメンを食べようとドアを空けたら、血しぶきが。

廊下の先で「お腹が空いた」とつぶやきながら女性が◯コを食べていた。

この手の作品のお約束で、女性に気づかれてしまった彼は自室に閉じ込められる事に。

 

この世を去ろうと思っていたのに、強制退場させられそうになるとブルブルしちゃうヘタレ君。

あわれ少年は女型モンスターの毒牙にかかってしまうのか?

と思った時にボロアパートの配管越しに上からの物音が伝わってきて、女型は上階へと登っていった。

ブルっていたヒョンス少年は、クイックルワイパーみたいな棒を手に廊下へ飛び出す。

 

このシーン。

リアルな命の危機に直面することで、むしろ人間性を取り戻していく初めの一歩を表現しているのではないかな。

だから女型に扉をこじ開けられるのではなく、自分で、しかもおっかなびっくり出ていく描写(引きこもるのをやめる)になったのかなと思いました。

彼は2話では取り残された子どもたちを救うためにゲーム用のモニターを投げ捨てています。 

 

 

マルチプロットの作品なので、ヘタレジャージ、元消防員、医学生の他にも、ベース女子と日本刀を振り回すキリスト教徒(すごい設定)のコンビ。

武器工作が得意な車椅子の元兵隊。

ヤクザと彼に拷問される優男。

余命いくばくもないが意気軒昂なおじいちゃん、とその看護師。

などのエピソードが同時並行、時にクロスしながら進んでいきます。

 

モンスターに取り囲まれるという設定や触手はデザイン含めて『ミスト』だな

噛まれたりするのでもなく、異形の化け物になっていくのはゲームの『Siren』みたいだな

車椅子の武器マニアは『LOST』だな

化け物化してる時、目が黒くなるのは『The Gifted』かな

 

と、どっかで見たような設定やキャラが散見されます。

その一方で、作品のオリジナリティと呼べるのが「朽ち果てた高層アパートというロケーション」でしょうか。

 

同じ建物で生活しながら、隣に住んでいる人がどんな人かは全然知らない、気にもとめない。

そんな人たちが数百人単位で集まっていて、にもかかわらずセキュリティがしっかりしてるわけでもない。

外界から遮断された空間でありながら、建物内の全容を把握するのはとてもむずかしい。

だから密室でありながら、逃げる。戦う。隠れる。かわす。と行動の自由度がとても高い。

しかも「高層」なので横だけじゃなく縦の広がりもあるという……。

この手の作品にはうってつけのロケーションじゃないかと感じます。

 

もう一つ、この手のパンデミック+化け物系の作品として他と少し違うのが、化け物へと変わる理由。

空気感染も血液感染もせず、彼らが化け物に変わるのは「内なる欲望」によるものだ、という事。

この設定、理屈では判るけど

「そんなもの誰でも持ってるでしょ?」

「なぜ今になって急に?」

とか。

いろんな???がつく設定で、アイディアとしていいのか悪いのかは現時点ではなんとも言えない。

 

化け物になるかならないか。

いずれはなるにしてもどのくらいの時間、人であり続けられるのか。

といったファクターをコントロールする余地が、感染した側にあるというのは面白い。

 

この設定があるから「化け物ではないが、化け物並の身体能力をもった人間に厄介事を押し付ける(人であるかぎりは)」

というウンヒョクの発想が生まれるし

「この世を去るにしても、人として人の側に立っていたい(だから厄介事でも引き受ける)」というヒョンスの間の取引が成立する。

 

バラバラだった集合住宅の面々が一つの場所に集まって、ヒョンスとウンヒョクの間に暗黙の了解ができあがった。

ところで前半戦が終了。

見せ場はもう終わったのでは?と思えるヤクザさんとか、ヒョンスと並んでアクション担当の消防員イギョンの彼氏の件とか。

そもそも、この出来事の発端は実際のところなにが原因?

などなどの謎を後半戦に残しつつ……。

待て次号だ!

rukacchii.hatenablog.com

 

 

このドラマ。

エンディングソングがめちゃくちゃかっこいいのでぜひ聞いていただきたい!

どん!

中毒性がすごいです。