いつ来るんだろう?と思っていたお兄さんBlackがついに覚醒。
外出許可?なにそれ食えんの?と言わんばかりに当然のように病室を抜け出し、バンコクのスラムに解き放たれて、敵も味方もお構いなしに引っ掻き回した
Not Me。第10話の感想を
そーとーにヤ◯ザな感じを匂わされてきたBlack兄さんですが、ためらうことなく金属バットで見張りをボコボコに殴りつける。
当たりどころが悪かったら死んじゃうかも……みたいな迷いが一切感じられない渾身のフルスイングと、ダメ押しの蹴り込みという鬼畜っぷりがいっそすがすがしい。
思わず「かっけー」とつぶやいちゃう。
本物のBlackさんが戻ってきたとは知らないで、Whiteさんに舞い上がってしまったSeanさんは「告白」しようと呼びつける。
嫉妬なのか本気でキモいと思ってるのかBlackさんの本心がどこにあるのかは知りませんけど……。ここでのBlackさんは、Seanをメタクソにぶん殴ったあげく置き捨て。
鬼畜設定の上書きに邁進しました。絶対拳を痛めてそう……。
復帰早々全方位でひっかきまわして、あっちもこっちも大慌てさせておきながら、Black兄さん自体はなにをするにも表情の変化が極端に乏しい。
基本的には「怒」しか顔に浮かんでないのですが、なんというかあまりに長期間「怒」の感情を溜め込んだために「怒」の表情が定着しちゃってる印象。
怒ることで、なにかを解決するわけでもなく、気持ちを開放できるわけでもない、ただグツグツと一日中怒ってる。不機嫌とか、自暴自棄とかともちょっと違う。
行動を共にするYok、Seanらが世の理不尽にぶつける怒りにはある「熱」がBlack兄さんからはまるで感じられない(まだグループの面々と合流していないからかもしれませんけど)。
迷いがないから攻撃の際には心強いけど、動きの読みづらい駒。
仲間たちの会話の端々にBlackさんとの若干の距離感を感じていたんですけど(今ひとつ腹わって話せてない感)それも納得の常に怒りに煮えたぎってるのにとても寒々しいキャラクター。
演技力があってこそというのはありますが、キャラがWhiteとまるで違うので画面に出てきた瞬間に「これはBlack」「これはWhite」というのが判ります。
視聴者が見ても判るのだから実の母には当然バレバレ。
「縁を切った。おれは会わん」
吐き捨てる兄さんの代わりにWhiteさんは数年ぶりに実の母に再会をする。
このお母さんも表情が顔に乗らない人で「あぁBlackさんの無表情は母親ゆずりなんだなぁ」と感じます。
司法を生業にするお母さんはタウィー(Black一味の天敵ですね)側の動きにも精通しているようで「今なら間に合うから手を引きなさい」と(おそらくこの時点ですでに)Whiteに対して語りかける。
世の理不尽に怒りをぶつけるWhiteさんと、全ての事に理由があるしこれがベターな状況なのだと冷徹に告げるお母さん。
殴り合い2回。襲撃2回と派手な展開の多かった中、比較的静かなこのやりとりは逆に印象に残った場面。
母は(もちろん)完璧ではない社会の仕組みを「満足してる」と言い切っちゃう。
「アナタ達の言う事も判るけど……」なんて懐柔の言葉は一切なしで全否定。
反体制運動にすでに深く関わっているBlackの事は諦めた印象も受ける中、時折浮かぶほんのささいな表情からは息子への愛情を感じられ……なくもない。
複雑な想いを抱えているんだろうな、という事を感じさせる微妙なさじ加減の演技がとても印象に残ります。
まるで主張の異なる2人の対話はもちろん決裂。
「Blackに伝えておいて」
と、これまた冷たく言い放つ母の言葉に、思わず泣いてしまうWhiteさん。
涙を流す理由はハッキリ判らないにもかかわらず「Whiteなら確かに泣くな」というものすごく納得感のある展開でした。
この母子対決のあとWhiteさんが登場したのは(おそらく)ドラマの最後。襲撃でやられるSeanを助けに駆けつけたシーン。
だと思うのですが、それについては待て次号!
最後のシーン。Blackだったりして^^;