予想を裏切る展開を毎度毎度くりだしつつも、きちんと登場人物の気持ちに寄り添っている。結果、ストーリーの説得力をキープし続けてきたThe Gifted Graduationです、が!
今回の11話にして初めてというか、突然というか^^;
視聴者も登場人物もおいてけぼりの強引なストーリーが展開されました。
The Gifted Graduation第11話の感想を
第10話についてはこちら↓↓↓
発端となったのはPomさんの指パッチン!
Pichetが持ってたウィルスをTime達から奪うためにしたこのパッチンで、どうやらGraceちゃんの能力は完全に覚醒した。
この能力がなんなのかについて「お前にはまだ早い!」と僕ら視聴者はおろか、登場人物にも明かされないままに
「Kanopanという人を探しなさい」
「そこから下に飛び降りて!」
「起きなさい!今すぐここを出てくわよ」
「この書類をPhunに渡して」
と次から次へと居丈高に司令を飛ばすから状況がまるで判らない。
覚醒したGraceちゃんは自信満々なうえに高圧的で、圧倒された登場人物たちは、なんとなく彼女の言うことを聞いてしまう。
結果、なんのためにこれをしてるかは(誰も)判らないけれど、校長を追い落とすための布石は次々と張られていくので「展開についていけてない」という印象になるのだと思います。
でもこれは登場人物も同様で。
誰一人「彼女の能力が何で、彼女は今なにをしようとしているのか」を理解していないので、演出としてやっているんだろうなと思います。
思いたいね^^;
ハッキリとは語られないGraceちゃんの能力ですが、おそらくは未来の出来事を理解できるという事なんだと思います。
謎になっているのは「どうやって未来を知ることができるのか?」という部分。
序盤の頃にウィルスの混入した注射を避けているので、未来を予知できるのかと思っていたのですが、この11話を見るかぎりだと「未来を知っている人物が憑依する」ような物に思えます。
そしておそらく、未来を知っていてGraceちゃんに憑依している人間は、未来のGraceさんなんだろうな?
という予測を僕は立てています。
これは顔のホクロの位置が類似しているというだけが根拠です^^;
このGraceちゃんに導かれる形で、下級生Gifted3人は今はKanopanと名乗っているNateさん(現在では名前を変えています)に接触、特効薬の製造法を盗みだす。
そこに現れたSupot校長。
あらかじめ能力を使ってKanopanさんに「誰かがお前を訪ねてきたら、すぐに自分に知らせるように」
と指示を出しておいた彼は、急いでKanopanの元に駆けつける。
しかし未来を知ってる人が1人いるっぽいので、その部分のサスペンスはあまり効いてない。
このシーンで背筋がもぞもぞってなるのは校長先生のKanopan=Nateへの薄暗い気持ち。
若かりし頃のSupot校長。
そのねっとりとした視線の先にいたのは(残念)Nateさんでした。
夢を見させてほしかった^^
という気持ちもありますが、彼の異常性を際立たせるには必要な描写でもありました。
ま、充分異常なのは判ってますけどね^^;
こうしてGraceちゃんが1人突っ走って事態をぐんぐん動かしている間、外界はどうなっていたかと言いますと。
ウィルスと抑制剤を手にした校長は野心を隠さない。
行方をくらましたPangを探すために初代Giftedを招集し「Pangに接触した事を自分に言わなかった者は、自らの手でウィルスを注射する(つまり自殺する)」ように指示を出す。
そのうえで校長は、能力に開花してない全国のGifted予備軍を覚醒させ、そして同様にウィルスと抑制剤で彼らを自分の傘下に置こうと考えていた。
Graceが奪取した特効薬の製造法は、しもべ妖精化したTimeとThirdによってPhunの元へと届けられる。
Phun同様にかしこい子Waveは校長のたくらみを察知するも、友達をほっておくわけにはいかなくて。
自らウィルスを注射してPangに会いにやってくる。
前回、校長の正体のおぞましさに心底震え上がったPangは自暴自棄の状態で廃ビルにテント張って、一人膝を抱えてる。
「俺が死ねば、ぜんぶ終わるかも」と弱気な彼を奮い立たせようとするWave。
しかしウィルスは早くも彼の体を蝕み始めた。
抑制剤を手にいれようと校長のアジトに戻った彼らは、待ち伏せていた校長と鉢合わせ。
こうしてPangは校長との取引に応じ、自らの体内にウィルスを注入した(という事に現時点ではなっています)。
OhmはPangの戦いそのものには乗れなくなっているけれど、友人としてのPangの事は気にかかる。
そんなOhmの元に現れたのが、高圧的バージョンのGraceちゃん
「集中して聞いて。そしてこれから話すことが真実だってことを信じて。たくさんの未来が待っているけど、その全てで私達が勝てるわけじゃない。私はPangが未来を変えるんだってずっと思ってたけど、違う。先輩1人では未来を変えることはできないんだわ」
「ちょっと待てよ。なんの話だよ」
「なんとなく幸せに生きれればそれでいいやって思ってるのは知ってる。でもなにもしないで、その幸せが手に入るって思ってるなら。先輩は間違ってる。このままなにもしなければ、彼らは先輩からすべてを奪っていくわ。彼らにはそれができるもの。だからこの戦いに自分は関係ないなんて思わないで!」
とGraceちゃんは謎の暗号を渡して去っていく。
不思議ちゃんに絡まれた彼は暗号を解くためにNamtarnにテレビ電話。
今回も言葉のみかと思わせておいて、スクリーンの向こうにNamtarnの姿が。
サプライズばかりのシーズン2で、ここまで待ち望んでいたサプライズはないでしょう!
この出演がただのサービスではなく、ちゃんとストーリーを前へと進めているのも嬉しい。
謎の暗号をサクッと解いて校長の企みを暴いたNamtarn。
「このまま何もしないつもりなの?」
「ハッキリ言うけどさ、Namtarn。楽しく過ごすはずの高校生活をめんどくさい事でぶち壊したくないんだよ!」
(見損なったわこの男、的なNamtarnちゃんのしょんぼり顔)
「でも校長がそんな恐ろしいことを考えてるんなら、ほっとくわけにはいかないよ」
こうしてピエロのあだ名で呼ばれていた少年は、おそらく初めて校長とかGiftedの事とかに「自分の問題」として向き合うことになりました。
かってPangがそうだったように初代を集めて檄を飛ばすOhm。
意識が変わると、目つきまで変わってくるんだな。
三枚目だったのがえらいイケメンに見えるじゃないか、と惚れ直したり……。
PangとWaveの思わぬ離反にもめげず、校長の企みを阻止するため、OhmはPhunに接触をする。
こうして元々戦いに乗り気だったとはいえないメンツがタッグを組んで、Pangの戦いを引き継ぐ展開になりました。
1人の傑出した天才が世界を変えるのではない。
1つの目的のもとに集まった普通の人達が世界を変える。
そんな展開になりそうなところで。
待て次号!
※この情勢化で、こんなに直接的なメッセージをドラマに組み込んできた制作陣の覚悟に僕は敬意を表したいと思います。