初代と下級生の協力プレイで政府の偉い人からウィルスをダッシュ。久々にスカッとする展開を見せたGifted Graduation。
がしかし。
信じてみる事にした校長は、やはり一筋縄ではいかなくて、ウィルスをネタに主導権を握り、Pichetがやろうとした会見を横取りする。
Giftedの存在はPichetではなく、Supot校長によってタイ王国全土の知るところとなりました。
まぁ、正直校長の裏切りまでは想定の範囲内。
あの校長にどんな過去があったにせよ、主張の違う校長がPangと共闘し続けるとは思っていませんでした。
どこまでもピュアで理想主義的なPangとは根っこの部分でまるで相容れない人ですし、このまま彼が「いい人」としてPangの傍らにいてもドラマが盛り上がらない^^;
だがしかし^^;
よくもまぁ毎回、人の予想を裏切る展開を作れるよな!
その部分から仕込みでしたか。
という展開を見せた
The Gifted Graduation第10話の感想を
第九話についてはこちら↓↓↓
rukacchii.hatenablog.com
過去の挫折話にほだされてまんまと校長のワナにはまってしまったPang。
談判しに駆けつけると向こうも自分を待っていた。
通された部屋に集まったのはPang、Pom、そしてChanon。
かっての親友PomとChanon、個人的には密かに楽しみにしていた因縁の再会は「美しき和解」のシーンとはなりませんでした。
「彼女や友達に申しわけないとは思わないんですか?」
と遅れてやってきた校長をなじるPang。
「特段なにも感じないね。私に非があるとも思わない」
まるで動じる様子もなくそう言い切った校長は言葉を続け
「大体君は私の過去について思い違いをしているようだ」
と再び過去を語りだす。
Yuthが殺され、ウィルスで死ぬかGiftedプログラムを進めるか二者択一の選択を迫られたSupotさんはどちらも選ばず監禁と拷問の日々を送る。
もはやこれまで。
死を意識するも踏み切れないSupotさんの目の前に現れたのは死んだと思われていたYuth。
喜んだのもつかのまで、彼は政府と取引をして自分がGiftedプログラムを遂行することにしたとSupotに告げる。
そもそも全てがそのための作戦だったのだ、と。
もちろんSupotさんは激高し「俺はいつでもお前を阻止できるんだぞ」と息巻くが、自慢の能力がYuthには効かない。
狼狽するSupotさんにYuthは言う。
「どうやって一度も手にしたことがない超能力を俺に使うことが出来るんだ?」
実は超能力を持っていたのはYuthを名乗っていた男。
彼こそが、つまりTayNewのTayさんこそが本物のSupotで、Leeさんが演じるチャラめの学生に暗示をかけて影武者Supotを演じてもらっていたのでした。
辛い挫折と長い月日がSupotさんをヤンチャ君から老獪な食わせ者へと変えていったんだな、と勝手に納得してた部分がそもそも大きな勘違い。
過去と現在で人そのものが入れ替わっていたのでした。
いやぁゲスト使って、こんなデカイドンデン返し持ってくるとは思ってなかったので(またも)「まさか!!」と声をあげてしまいました。
しかしなんですかね。
時折送っていた熱視線は「愛」とか「恋」とかそういうのじゃなかったんですかね^^;
この事実を知った影武者Supotは「お前を破滅させてやる!」と息巻いた。
これに気を悪くした本物Supotは「今ここで死ねばいいのに」と耳元でささやき、彼を自殺へと追い込んだ。
人を人と思わない。
駒として扱うさまこそ校長そのもの。
「早くいってよぉ」
と心の中で叫びつつも(僕が)茫然自失のPang少年。
「君にこれを話したのは、私と戦おうなどという考えは捨てて欲しいからだよ。君が私を打ち負かすことなど絶対にない。あの時も私が勝ったし、今回も勝つ。どうだ?私から学ぶつもりはないのかな?君にも道は拓けている。私 の元に来い。鍛えてやろう。君はもっと強くなれる。断る理由などないだろう?」
このひと^^;
マスター・ヨーダではなくダースベイダーのほうでしたね。
もちろんPangは暗黒面に落ちるのを即却下。
その答えを聞いて校長は「コイツ見込みなし」という事を確信し、彼にお仕置きしようとする。
Pom様が記憶を消すのかと思いきや。
お仕置きも二度目となるとそれでは済まない。
Pangは縛られ、例のウィルスを注入されそうに。
そこでさすがに良心に目覚めたPom様は、指パッチンで校長の動きを止める。
無敵に思われた校長にも力が及ぶことが判ります。
「逃げろ!」
とPangとChanonを自由にしたPom。
だがしかし!校長の記憶を消そうとジリジリしてる間に、Pom様は背後からChanonにウィルスを注入されるというハプニング!
理由も含めてChanonの行動に違和感はまったくないし、むしろなにごともなく和解したら若干しらけた場面ではありましたが!
なにもこの瞬間にやらんでも!逃げ延びてからやればいいのに!
とは思いました。
それはおいてもPomとChanonの罵り合いは目を引きつけて離さない鬼気迫る大迫力。
くわえてこのシーン、作品のテーマにも関わる重要なシーンだったように思います。
つまり
「すぐれた能力を持つ物がより特権的な待遇と活躍の場を得られるべき」と考えるSupot校長のやり方ではおそらくはうまくいかない。
それでは持つ者と持たない者が憎みあう凄惨な世の中になってしまうんだということを、PomとChanonの2人を通じてまざまざと視聴者の胸に刻みつけているように思えます。
Pangの(青臭い)理想に結果として正当性というか、希望を見いだすように上手いこと誘導されているようにも感じられます。
さてPomが作った貴重な時間は、Chanonが無駄にしてしまい、校長が意識を取り戻す。
ゆっくりPangに振り向く校長先生の自信に満ち溢れた表情は、思わず背筋も凍る恐ろしさ。
あげくChanonが学校に現れた所からKornがウィルスをばらまく事まで、全てが校長の仕込みだったと聞かされたPang(というかさすがにこの人教育者として失格でしょう^^;)はあまりのおぞましさに泣くしかない。
じりじりと壁際に追い詰めていく校長のいっちゃった目は怖すぎる。
Kornファンとしては「彼が主犯ではなかった!」という事実に救われますが、ウィルスの情報を知った彼は一瞬ニヤつきます。
すでにこの時点でAntiGifted仕切ってるわけなのでPangみたいに即拒絶はしない。
わずかなりと気持ちがぐらいついた事も表現されていて、それを良心が押し戻したことまでしっかり描いてある。
細かい描写が活きてますね。
同様にChanonの立ち位置の微妙さも面白い。
自分を裏切った親友に復讐をするために汚いことも平気でするのに、それが済んだら高みの見物を決め込もうとする。
PomもChanonも単純にいい人、悪い人と分類できない濃淡のあるキャラクターになっています。
汚い大人の、もっとも汚い物を間近で見せつけられたPang少年。
逃げる彼に追手も迫る。
さぁ、かれはこの窮地をどう脱していくのでしょうか!
というところで。待て次号!