「僕のために用意してくれたのかな」
と思えてしまう個人的に色々と嬉しい回でした^^
The Gifted Graduation第12話の感想を
第11話についてはこちら↓↓↓
長年の研究によって作られたウィルス特効薬(正確には薬ではなく「処置」でした)。
その設計図を怪盗Grace一味が盗み去った事を校長は早々に知る。
さすが敵の多そうな人だけあって全方位的なリスク回避体制。
万全のセキュリティを誇っています。
校長はGraceに接触を図り言葉巧みに彼女を拉致する。
一方、TimeとThird経由で設計図を入手したPhunは思い悩んでいた。
「校長がウィルスと抑制剤を使って自分たちを支配しようとしても、特効薬を作ってしまえば無意味になる」
そのために設計図の解読を続けていたのにその機械は「ウィルスに感染したGifted細胞を(ウィルスと共に)殺す事で、症状を改善させる」というもの。
つまり、完全に治癒するためには、超能力は諦めなくてはいけない。
機械の制作者たるSupot校長もそれについては気づいていた。
そしてこの機械による処置が自分の思想と相容れないので、誰にも知られないようにした上で、新たに抑制剤の開発を行った。
能力を破壊することなく、うまいことGiftedを(自分が)コントロールして自らの望む世界を作るために。
主張の一貫性とその決断力は、敵ながらあっぱれ(僕の敵ではないですが)。
ただ強いだけじゃなく、行動の裏側に本人なりの思想がピンっと1本流れているので、この人は魅力的なヴィランなんでしょうね。
この強敵との長年の戦いに燃え尽きたPang。
仲間にも能力開発テープを先生に返すように求め、一見白旗を掲げたように見えましたが……。
どうやら、ほんとに白旗を掲げたようです^^;
正直、Waveと組んで降参したように見せかけているだけだと(今でも)思っているんですが、この12話ではほとんど抜け殻。
PhunやらOhmやらが頑張っているのに。
GraceちゃんがSupot校長に拷問されているのに。
なんらアクションを起こさない。
この抜け殻モードのPangさんは、シーズン1同様に今回も誰かにメッセージを残しています。
「時間が味方をしてくれるって言うけれど、時間は誰にでも味方してくれるわけじゃないんだ、認めるのはキツイけど。時間が僕たちにくれる物、それは成熟だよ。僕らは学んでいくんだ。この世には、どうあがいても、敵わない物があるってことを。まだ聞いてるだろ?君が誰であっても、どこにいても、何かと戦っているかどうかも関係ない。俺が知ってほしいのは、何も変えられないとしても、それは君のせいじゃないってことだよ。何が起ころうと知っていて欲しいのは、俺たちは友達(仲間と訳す方が個人的には適切ではないかと思います)だってこと(中略)。ままならないこの世の中では、生きてるって事が充分に勇気ある行動なんだ。約束して欲しいんだ。みんな一緒に生き抜こうって」
どこに向けられた言葉なのかは明白ですね。
だからこそ、Pangはこのまま抜け殻で終わってしまってはいけないと思うんですけど、再び立ちあがるにはもう少し時間がかかるということなんでしょう。
でも(予定では)あと一話しかないんですけど?^^;
リーダー不在の穴を埋めてSupot校長に立ちはだかるのは、まさかのイケてないグループの道化担当Ohmになるわけですが。
その前に卒業目前の彼らの穏やかな日常が描かれました。
初代が一同に介して「こんなに長いつきあいになるとは思わなかった」とかPhunとKornが和解するとか。
校長側と取引したせいで他の仲間とは一緒にはいられないけれど、彼らの様子を盗聴器で聞いてるPangとWaveのブロマンス風味のやりとりとか。
ずーっとここまで緊迫してたこのドラマだからこそ。
初代の和やかなシーンが本当に染みる。
つづくChanonとPomの和解のシーンは取り戻せない10年という年月の重みもあって、肩を抱き合い、涙を流しての感動の和解というわけにはいきません。
しかしこの和解を経て2人は「打倒校長」の元、結束する。
この作戦にOhmとWaveが加わる事になり、校長包囲網は着々としかれていくのでありました。
と、ここまで書いて思いあたったのですが。
ここにWaveも参戦してるということはこの作戦、Pangも知ってる。
ということじゃないですか……ね?
ちなみにこの作戦は、当初OhmとPhunが画策していた「特効薬を開発して、校長の目論見を無効化しよう」というプランAではありません。
プランAはすでに書いたように
「完治するには能力を捨てなくてはいけない」という点が(おそらくは)能力を失いたくないPhunやTimeには心理的な壁となって暗礁に乗り上げてしまっていました。
このプランAを先に推し進めたのがKornさん。
「俺はウィルスに感染してるしこの能力を憎んでる。俺にとって(お前の開発してる)マシーンはウィルスと能力を殺す機械じゃないんだ。選択肢なんだよ。俺に平凡だけど幸せな生活を返してくれる選択肢なんだ」
彼の熱弁とMonとClairの視線に負けて、Phunはすでに開発していた機械でKornを治療。
一瞬Kornがグテっとなって「ヤバい!」と思わせた次の瞬間、聞こえてくるのは彼の寝息。
Kornの眠れない人生に終止符が打たれて「良かった良かった」と喜んでる中、Monが「ファンディーナ(いい夢を)」と言ったのがダメ押しになって感動の涙がブワッとあふれる素敵な演出でした。
拉致されたGraceちゃんの件は実はあまり本筋に関係がないんですよね。
校長の目論見とか、彼女の能力の事とかが明かされつつも、基本は高圧的モードのGraceちゃんが校長を脅す。そしてあの校長がオロオロする。
という展開が面白いという感じです。
ちなみにGraceちゃんの能力は僕の予想どおりのようです。
はずしてばっかのこの作品で数少ないアタリでした。
そしていよいよ最終決戦となるだろう試験当日。
いまや校長の犬に成り下がった(ように見える)Pangが演台を前に生徒たちに語りかける。
よく言えば「落ち着いた」悪くいえば「生気のなくなった」Pangのスピーチに場内のどっかからあがる拍手。
「それは本心か?それとも演技か?」
たちあがったのはOhmで、試験のために集まった生徒とSupot校長を前に「この試験は茶番だぜ。Giftedかどうかは試験の点と関係ないんだ」
と真実をぶちまける。
サポートに回ってるWaveさんの力を借りて、生徒たちにオーディオファイルを聞かせたあげく「能力があるか確かめたいなら、この音声ファイルをネットにアップしたから自分で家で聞いてみればいい」と大見栄をきった。
その内容よりも、ここは見栄をきったOhmの、まぁかっこいい事。かっこいい事。
前回でも少し片鱗が出てましたけど、意識が変わると人は顔つきまで変わるんだなぁ、という印象です。
Who are youに続いて、こんな見せ場をSingさん(Ohmの中の役者さん)に残してくれて、もう本当に監督ありがとう。GMMありがとう。
このシーン、まさに主役状態だし、演説をぶつというシーンなので、正面からのクローズアップが多いんですけど、こんなアップでも画面が持つ役者になったんだなぁ。
ともう僕は感無量でございます。
ちなみにこのシーンでOhmが主張してるのもKorn同様に「選択肢」の問題。
自分の人生をどう生きるのか、なにが必要で、なには犠牲にできるのか。
偽りの情報で自分たちから選択の自由を奪うのは許さない。
あまつさえ自分たちを支配しようとするなんて言語道断。
憤りとともに吐き出されたOhmの言葉の数々が力強く響きます。
かっての仲間のスピーチを演台で黙って聞いているPang。
わずかばかりその口元に笑みが浮かんだところで。
待て次号だ!