Jom君倒れる!
という衝撃の展開からの、おノロケタイムな
タイBL『I feel you linger in the air』の第九話の感想を
ロバート家の動乱には我関せずで2人の世界に浸っていたYaiとJom君。
ガード甘々の2人なので周囲にはすでに周知の事実。
Yaiパパもなんとなく察してはいたものの、いよいよ家名を汚すし、自身の出世にも影響しそうという事で「息子と別れてくれまいか」とJom君に切り出す。
その一方で旦那の意向は一切聞かずに友人の娘との結納を水面下で進めてて、Yaiの旦那が気づいた時には外堀は埋まり、親の意向どおりに愛してもいない娘との結婚にしないわけにはいかなくなった。
9話の主人公パートは、周囲の圧力により関係を続ける事が困難になった2人が、ついにそれを認めるまでを描いた真面目な回。
とは全編適度にノロケが散りばめられている事もあり、さほどの悲壮感はありません。
なんだかんだで親の意向に逆らえず、手に手をとって逃げる程の根性もないYai様は悲しみ嘆くも結局は愛なき結婚を受け入れる。
親とか家とかの比重が大きい時代において、Yai様が時代の常識から逃れられず、もがき苦しんだ一方で……。
Jom君の苦しみは、現世に続いて今回も「女性」に最愛の人を奪われるという事に起因します。
「ごくありふれた幸せ」を同性同士の恋愛で掴み取る事は難しいでしょ?
という問い掛けは、現世では別れ際に元カレが暗にほのめかしていましたし、過去では別れてほしいと切り出すYaiパパがはっきりと口にします。
「制度としての結婚はできず、好機の目で見られる事は避けられず、子供を持つのも難しい」という状態なのに、自分の存在、自分たちの関係を躊躇なく肯定できる人は多分なかなかいなくて「僕が彼のことをこの世で一番幸せにできます」と信じたいけど、出来ないことが多すぎて、言葉が濁る。身を引くべきじゃないのだろうか……。そんな想いが頭をよぎる。
「なんで僕ばっか」
と泣いていたのに、結局はきっぱりとYai様を諭す役目を果たさざるを得なく事になったJom君が非常に健気な回でした。
自分に強いているかのような硬く冷たいJom君の表情が、むしろ内面の揺れを感じされます。
日毎マイルドな俺様風を吹かせてるのに、ただダダをこねて、泣くしかないYai様との対比も聞いています。
と、ここまで感動的な決別なシーンと見せかけて、まさかの結納の当日にJom君乗り込んできて、ぶちかますから!
という部分で次回へ続くという不思議な展開。
打倒ロバートの旦那に向けて、共同戦線が張られ始めたサブプロットもメインプロットには出てこない派手な展開もあったりして俄然にぎやかになってきた!
待て次号!