Robertの旦那失脚のオマケというか……。
Yaiファミリーを覆っていた「父」の圧倒的支配から各々が解き放たれる事になり、YaiとJom君の関係も好転するかと思いきや。
タイBL『I feel you linger in the air』の第11話の感想を
Jom君の残り時間がいよいよ切れかかってる。Jamesの旦那がいたずらで撮った写真も透けて、鏡に映るJom君も消える。
Yaiの旦那もそれを知る事となり、ついにJom君は自分の出自について告白をする。そもそも運命めいた物を二人が感じているという描写はこれまでも散々されているので、ここでYaiがさほど驚かない事への違和感はありません。
難病を告知された夫婦のように、Jom君がこのまま消えてしまうのを防ぐ方法はないものかを探すもののJom君を救う手立ては見つからない。
受容せざるを得なくなったJom君は、自分の親しい人たちだけを集めたお別れ会を開く。
というのが第11話の流れ。
一家の問題が一通り片付いた途端「お前の役目はもう終わり」とばかり現世に強制送還されてしまいそうなJom君の扱いに哀れを感じますが、解決策を本読んで探すのに、わざわざ2人仲良くお風呂に入れるサービスショットの甲斐もあり……。
それほど涙涙というトーンではありません。
この回の白眉は、やはりJom君主催のお別れ会でのYaiの旦那とのダンスシーン。
妄想の中でのモノトーン配色のダンスシーンはスタイリッシュだけど、温かみの感じられないものでした。
今回は暖色系(Yaiと婚約者のダンスシーンと同じトーン)でまとめられた優しいシーン。モノトーン時はYaiママなんかも笑顔で2人を見守ってたけど、今回のダンスシーンは彼ら2人を受け入れられる人だけが集められている。
夢とは違い現実は、誰も彼もが2人の仲を祝福するわけじゃない。
それでも心に残る良いシーンでした。
このダンスシーンでかかるのがこちらの曲です。
楽天TVですと、この歌に日本語の歌詞がついてくるのですが、まさに行ってしまうJom君と遺されるYaiの気持ちを代弁するような内容です。
しっとりとした曲調が、自然に2人が感じているだろう寂しさへの共感を促します。
この世界から消えてしまうからといって、元いた世界に戻れるという保証はない。Jom君はYaiの旦那に母と姉への手紙を託す。
同封された写真のJom君がすでに消えかかっている。仮に母や姉が手紙を手にしても、その時にはJom君がタイムスリップした事を示す物はなにも無くなっているかもしれないのも切ない。
いつ来るのかも判らないJom君が消えるその瞬間まで、残りの日々を穏やかに過ごすのか?
待て次号!