序盤こそ「コイツクソだなぁ」と思っていたロバートの旦那失脚。
彼もまた時代の被害者ではないかと強く感じた
タイBL『I feel you linger in the air』の第十話の感想を
まず最初に触れておきますと、今回もYaiとJom君は終始イチャイチャ。撮影の半分以上スキンシップ、キスまたは顔を近づけて見つめ合うという展開で序盤のプラトニックはどこへやら。こんだけ大放出されると「眼福眼福」という感謝と共に、ちょいと飽きました、という贅沢な心持ちにもなったりします^^。
というか、いまだ「愛する2人が自然にする行為」にいまだ及んでいなかったというのは驚きでした。
というわけでこの2人はなんだかんだ次回も(この時点では未見です)イチャイチャのしどうしかと思うので置いといて。
序盤にも触れたロバートの旦那失脚について触れていこうと思います。
大人しく身を引くムーブかましてたJom君ですが裏でJamesの旦那に接触。
「僕は旦那を取られたくない」と言ったのか最初から「ロバートの旦那は問題がある」と言ったのか(でもロバートの旦那だけを追い落としても、Yaiの旦那を取り戻せないんですけれど)は判りませんが、この密会でロバート失脚のための策謀が始まった。
というか別のお話かと思われていたPhueng(Yaiの旦那の姉)とFongkaewによるロバート失脚作戦も、すでにこの時点でJom&Jamesと連携していたのだとしたら、Jom君、実はおそるべし策略家。
執事よりも軍師としての才覚の方がありそうで、飛ばされる時代を間違えたんじゃなかろうか?
一回こっきりの登場だと思っていた緑衣の麗人が再登場し、上流階級の面々を翻弄(カッメラワークもテーブルの周りをグルグル回る)。彼女の目撃した事を語る。ロバートの旦那の2人の夫人に、Jom君の現世の元彼から加わってロバート失脚大作戦は大成功のうちに終わる。
ついでにYaiの旦那の婚約相手の父も失脚。
Yaiの旦那の婚約話は解消される。父も逮捕と相成ったのに「アタシも自由になれてオールオッケー!」と爽やかな笑顔と共に消えていく婚約者のサバサバした感じには好感する覚えます。
妻も友人も使用人も揃いも揃って彼を裏切り失脚する事になったロバートの旦那。連行されていく彼が妻を見つけるその悲しい視線がこれまた切ない。
極悪非道のように描かれているけど、時代背景を踏まえたらロバートの旦那の振る舞いは他の上流階級の旦那のそれと比べて特段ヒドイというわけじゃない。
不始末をしでかした使用人をムチで打つのも、第二夫人をめとるのも、男尊女卑でファミリーの事は全て夫である自分が決めるとでもいいたげな態度も、彼だけが特別というわけじゃない(まぁ放火はやりすぎとは思いますけど)。
Jom、Yai、Phueng、Meiや、それに同調できるMingやJames、Fongkaew、失脚事件後早々に自分の意識を変革できたYaiママや、Yaiの婚約者らがむしろ例外的な程、考え方が柔らかく、現代的な価値観に順応している。
ロバートの旦那の悲しいところは、進歩的発想の持ち主ばかりの人達を、束ねる家長としての立場に置かれてしまった所にあるように思います。
家長でなければ、ただの時代についていけない旧世代の人で誰にも相手される事もなかっただろうに、彼はなまじ実権をもっていたがために、彼を取り囲む全ての人から刃を向けられる事になる。
彼自身は自分の価値観が古くなってる。次の時代の価値観で見ると有害ですらあると最後まで腹落ちすることはなかっただろう彼の最後の表情は「この人もまた時代の被害者であるな」と感じさせる切ないものでした。
とロバート失脚と共にYai様の婚約もご破産になり、いよいよ2人の問題はJom君に残された時間のみ、となりました。
待て次号!