キム・ジヒョンは田舎の街から大学進学と共にソウルにやってきた。
慣れ親しんだ地元との違いに圧倒されてしまった彼は、いまだこの街に馴染めない。
友達も作れず、話し相手といえば同じ地元からやってきて、しかも寮の同室の腐れ縁の友人と、バイト先のおかみさんだけ。
そんなある日。
バイト先のサムギョプサル屋で客の口喧嘩を仲裁した事から、ジェウォンという少し年上の男性と言葉を交わす。
復学生だという事。同じ大学に通っている事。ジェウォンがタバコを吸う間のちょっとした世間話の後、飾らない人柄のジェウォン先輩は「俺が友達になってやる」と言ってくれるも肝心の連絡先を交換する前に酔いつぶれた友達が現れる。
おかみさんのお相伴に付き合った後の帰り道。
ジヒョンは再びジェウォンを見かけるが公園のブランコに腰をおろして悶々と悩んでいる姿を前にして、声をかけられない。
三度目の遭遇はキャンパス内の学食で。ボッチ飯の最中に現れて
「なんで連絡してこないんだよ」
と文句を言われる。(いやお前が連絡先を残さないから^^;)
なら電話番号を交換したいと言いかけた言葉も待たずして、またしてもジェウォン先輩は友人に拉致られていく。
ジェウォン先輩は「連絡をよこせ」だの「友達になる」だのと、近づくために攻めの姿勢を見せるものの足がかりになる物は置いてってくれず^^;
仕方なく内気男子感しかないジヒョン君が、校内で見つけたジェウォンを尾行し、彼の所属する同好会を突き止めて入部。
サーフィン合宿のバスの中でようやくジェウォン先輩にたどり着く。
しれっと隣に座って「同じ音楽を聞いて一緒に楽しもうぜ」じゃねってばよ。
ジヒョンが君んところにたどり着くの大変だったんだぞ。少しはねぎらえ^^;
とまぁ……。
2人はなかなか連絡先を交換できず、当然ながら関係が深まる事もなく、あまつさえボーイズがラブする事もなく終了していくのが第一話。
リアルな芝居、リアルな空気感で構築されているので「等身大」とか「地に足のついた」とかそんな形容をしたくなる世界観に加えて、BoysがLoveする展開になる前にそれぞれの人物描写をキチンと重ねているのも(昨今の傾向ではありますが)好印象。
見知らぬ土地を初めてフラフラした時の開放感とかワクワク感。そしてつい感じてしまうぼっちの寂しさ。
「実は間違ってました」という最後のオチまで含めて、ジヒョンに関しては首をすくめておっかなびっくり暮らしてる田舎育ちの大学一年生という人物描写を丁寧に重ね、一方のジェウォンに関しては弟を含め家族の問題と元カノの問題を抱えていることをほのめかす。
元カノがいた設定のジェウォンと比べ、ジヒョンのセクシャリティはハッキリは語られないけど
「ボッチの自分に声をかけてくれた先輩、優しい」
以上の感情がありそうな事は表情やカットから想像できます。
全編を通じてモノローグがほとんどないのでカット割、表情で人物の気持ちが描写されていくわけですが、どの役者も技量が高く「今、なにをしようとしてるのか」「今、なにを思ってるのか」混乱する事なく楽しめました。
映像の美しさも申し分なく、7年越しの友人の「お母さん」っぷりも素朴で自然体でとてもいい。
一話しか見ていませんが、現時点では好印象しかない作品です。
待て次号!