「マルチバースのお話です。本編とはなんの関係もありません」
と開幕早々天の声が宣言をしてTinnとGunのアナザーストーリーを前後編で届けてくれた……。
OurSkyy2『My school president』編の感想を
番外編にありがちなキャスト入れ替わり物で、Tinn役のGeminiさんが部長、Gun役のFourthさんが生徒会長を演じています。
くわえてWinとSound、TinnママGunママ、TiwPor他、ほぼ全員入れ替わっています。
さて、キャスト入れ替わり物の醍醐味は「正反対の役に入れ替わることにより発生するギャップ」にあると思います。
OurSkyyで言えば初代のPickRome編がそうですが、オラオラ系の先輩Pickとおしとやかな後輩Romeが入れ代わり、本来のキャラなら取らない言動をするのが面白い。ひいては慣れ親しんだキャラとは異なる演技をする役者さんを見るのが新鮮で面白い。
なのですが、そもそもMy shcool Presidentのキャラクターは男子、高校生、同学年、真面目な子達と類似点が多いうえに舞台はほぼ学校に限定されるので、キャスト交換で生まれるギャップが小さくて、あまり可視化されません。
そのうえ、役者さんの持ち味で生まれていた各キャラの個性は（役者を交換すると）引き継がれません。
Geminiさん演じるTinnの魅力の一端はクールを装ってるくせに、妄想に浸って白目むいちゃうその極端さにあると思いますが、Fourthさんにはそれはできない。
Gunの親しみやすさは、Fourthさんのクシャッった笑顔の貢献が大きいので、Geminiさんにはやはり作り出せない。
結果オリジナルと比べると、各キャラの同一性が高くなった感じがするといいますか……。
ひらたくいうと「違いがよくわかんないな」という印象でした。
WinとSound。どっちがどんな性格だったっけ？みたいな……。
この作品の登場人物の細かい性格描写は、役者さん本人の持ち味から生まれている事を強く認識したと共に、本編のキャスティングがいかに完璧だったかを再認識しました。
なので個人的には……。
このマルチバース番外編の面白さは「キャスト交換」の部分ではなく、本編で描ききれなかった部分を書き足した部分にありました。
その最たるものがTiwとPor。
本編では匂わせで終わったこの２人がこの世界線では交際中。２人でTinnとGunをくっつけようと画策していた。
Gunの（本編ではTinnの）妄想ダンスパーティーは、彼らのライブ「Prom Night」のパフォーマンスにアレンジ。ライブ同様のTiwPor推しのパフォーマンスになってるし、なんならクライマックスでは本編でTinnとGunがSoundにしたサポートを、この世界線ではTiwPorがGunに対して行って２人の恋をアシストする展開。
さらにはPat君と、よーわからんけどGun達を目の敵にしてたKajhorn君がこの世界線ではカップリングに。同じメンバーでありながら「誰ともカップリングされずに終わって可愛そう」と思っていたので、この展開は嬉しい。
本編終了時に少し心残りだった部分を思いがけず見れたお得な部分こそ、この番外編の良いところだと感じました。
本編でも作ったMV作成は別の世界線でも健在。 GMMの３本の過去作にインスパイアされた３組のカップリングに扮した内容で、このMVも隊長とお坊ちゃまに扮したTiwPorが目立った印象です。
待て次号！
