高く遠くに飛び立つためには、まずは一旦かがんで力を蓄える必要がありますよ。
という回でした。
My school President 第5回の感想を
スキルのすごい新人Soundを無事に仲間に引き入れたものの、見てる世界が違いすぎてチンチラはコミュニケーション不全に陥った。
せっかく身を引いたのに
「Soundがいるなら俺らがやめるわ」と瓦解寸前になった部を目の当たりにして、Gunは「自分、やっぱ部に不可欠なんだ」と再認識、Tinn様の後押しもあり晴れて部に戻る事になる。
このまんまGunが部を離れて、生徒会にいついてくれれば「恋愛禁止令」など関係なく距離を詰められる筈なのに、Gunの気持ちを尊重して部に戻るよう声をかける生徒会長の高潔さに涙。
Soundも戦隊モノのブラック or ブルーポジションで部に居着く事になったので、いよいよHot Wave Music Awardにエントリーだ!夢に向かってまっしぐら!
……という展開をしなかったのが個人的には好感の持てる展開でした。
「Hot Wave Music Awardに入賞するため、残り少ない高校生活を音楽に捧げる事は本当に俺らの夢なのか。将来を真剣に考えたらやるべき事はあるんじゃないか」
進路を間近に控えたGunと愉快な仲間たちはエントリーすることを躊躇する。
部員の気持ちがグラついている事を察した返り咲き部長は、エントリーするまでに冷却期間を置く事にした。
本当に音楽を自分に仕事にしたいのか。各自冷静に考えてくるようにとお達しをだして、チンチラは活動を休止する。
画面のこちら側から見ていても。
圧倒的に練習量が足りてないだろ。
BBQセットとビデオゲームを処分して指に血豆できるくらい練習しないと予選にすら通らないんじゃないの?
つまりは「プロになる」と息巻く部分もひっくるめて「ただの学生時代の趣味で、君等もそのままがいんですよね」と思っていたので……。
自分の気持ちが本物なのか一度真剣に考えてみるというフェーズは、青春音楽ドラマなら不可欠なシーンではないのかなと思うのです。
この後の展開を(当然ながら)知らないんですが、そこそこ良いところまで勝ち上がっていく展開になっても、この冷却期間があることで説得力が増し
「都合よすぎるけど、まぁBLドラマだから(苦笑)」
と自分に言い聞かせる必要もなくその快進撃を応援できます^^
部員の音楽への気持ちが趣味の域を出ていない事に、Gunが「俺ですら安定してる道を選んだ方がいいのかなって思う時もある」と共感を示す部分も素直でいいし、すでに覚悟ができているSoundさんとの対比にもなってる。
Soundならば「ならやめちまえ!チンチラ解散!」となってしまいそうですからね。
部員に時間を与える間にGunさんはTinn様のコネを使って、音楽プロダクションのオーディションに参加しほぼ瞬殺。
そのたった一回の「お祈り」で「経営学部に進学しようかな」と言ってしまうあたりGun本人も愉快な仲間たち同様にまるで覚悟ができてなかった。
やはり立ち止まって自分の気持ちと向き合う時間を作っておいてよかったね。
期待されている事はあるけれどそれがしたい事なのか判らないTinn様も、立場はあまり変わらないのでGunに適切な解を授けてあげられない。
そんな悶々と進路に不安を感じる高校生を「自分を信じてやりたい事をやってみなさいよ」と圧巻の美声でサポートしたのがまさかのGunママ。
このドラマ、タイ版Gleeだなっとずっと思ってたので、そろそろゲストが現れて一曲披露しないかなと思ってましたが、それがGunママだったのは予想外。
賑やかで庶民的なお母さんという印象しかなかったのでその圧倒的な歌唱力に文字通り驚きました。
いやアナタがチンチラに加入すれば優勝は間違いなしじゃないですか?(無理^^;)
ちなみに『Glee』とは何かというと。
合唱部に集まるオタク達が歌を通して成長するアメリカの人気ドラマで毎話に最低一回はメイン&ゲストのおそろしく上手い歌唱シーンが入ってきます。シーズンを通してGleeコンテストでの入賞に向けて部員達が団結していく様が描かれていて、物語の構成もこのドラマによく似ています。
さて。
Gunママの美声に乗って、愉快な仲間達それぞれが自分と音楽、自分と進路について悶々と悩み、心を決める様子を描いてく過程で歌われる(おそらく)原曲がこちらです。
OurSkyyのInSun編でも使用されているので「聞き覚えがある」という人も多いと思います。
原曲を歌っておられるSINさんは淡々と静かに歌っていますが、Gunママはミュージカルのように情感たっぷりに歌い上げ、いよいよ本格的に夢に向かって走り出す(だろう)チンチラ達の気持ちを盛り上げる。
Gunママリードで始まったこの曲は、後半チンチラがメインボーカルでママがサブに回っている演出が心憎いですね。
再会したチンチラ達は特に多くの言葉を交わすでもなく、でも同じ方向に向いていて、全員揃ってコンテストへとエントリー。
と、ここまでの流れが青春音楽ドラマとして熱すぎて、この後にちょっとだけ続くBLパートが逆にオマケのような扱いに。
かってなく攻め込んでるようで、Tinn様は「誰」かははっきり口にしていないし、対するGunも「OK」という意味に取れなくもないかな、位の微妙な頷き。
個人的にはこのくらいのほのめかしで互いの気持ちを理解しちゃう、という展開は好みではありますが、実はGun勘違いしてる?という展開もありそうなところで
待て次号!