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The Gifted Graduation 最終話。校長とは正反対の手法で手にした勝利。まさに「卒業」にふさわしい

全13話見終わって思うのが、今シーズンはキャラクターの活かし方と時間配分が神がかって素晴らしかった、という事でしょうか。

初代+新入生レギュラーだけで12人。

大人チームと過去メンバーを加えると20人に迫ろうかという登場人物の1人1人(クレジットにはないNamtarnに至るまで)に、ちゃんとその人ならではの見せ場が用意されていたのが印象的でした。

 

 
 
 
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作品のムードメーカーであり、道化師とも呼ばれるOhmの見せ場は、日頃のお調子物から豹変しての「お前のせいだ!」とお菓子を投げつけるシーンなのかと思っていたら……。

まさかのクライマックスで主役級の見せ場が待っていました^^

 

The Gifted Graduation最終話の感想を

第12話についてはこちら↓↓↓  

rukacchii.hatenablog.com

 

ちなみに前回のエピソードではちょっと事実誤認がありました。

Ohmが演説ぶちあげたのは試験当日ではありません。

甲子園開幕式ならぬ……試験開幕式。

とでもいうセレモニーの席上だったようです。

そしてこの時点で例の能力覚醒テープはネットにアップされてません。

ばらまいてやるぞ!

と脅しているのでした。

はっきり字幕でも未来形で語られてるのにね……。^^;

 

 

 

ま、とにかく「超能力に目覚めるために試験なんて必要ねぇよ」と大見得をきったOhmは(おそらく)その場で取り押さえられ、校長の囚われの身となった。

番犬と化したPangに連れられ校長と面会することになったOhmは、校長に以下の3か条を叩きつける。

1試験を延期すること

2校長の辞職

3ウィルスを破棄する

 

もちろん。

校長は即座に断固とした口調で「NO」を告げ、彼と彼の仲間をビビらせる。

校長はPang達が盗み出したnxy88を改良して新型を開発(仕事が早い!)。

この新型は能力に目覚めていない一般人の体内でも長く生き続けるので、能力覚醒前に感染させておく事が可能になった(えぐい)。

しかも既に校長はミネラルウォーターにウィルスを混入させて、人知れず感染を広めていた。

能力に覚醒した暁には治療法を求めて私を頼るようになるので、Giftedになる経緯なんかどうでもいいよん!

というのが校長の余裕の源泉だった。

 

いやこうして文字にしてみると、さすがに荒唐無稽感を感じますけど^^;

見てた時には「ちとリアリティがうすいかな?」くらいの違和感におさめてしまってるのは地味にすごいかもしれません^^;

 

こうしてまたもやPang一派は、いやOhm一派は校長に負けてしまうのか!

という展開で「未来から来た」という、チート設定が強烈なGraceちゃんが駆け込んできて「あんたがバラまいたと思ってるウィルス。わたしがサクッと差し替えといたから」と高圧モードで校長に告げた。

 

話の内容よりも差し替えたタイミングに「あぁそこでしたか!」とガッテンしました。

「この人、TimeとThardを助ける前になにしに行ったんだろう?」

とリアルタイム視聴時に思っていたので。

 

負けを認められない校長は、能力を使ってGraceちゃんに「タイムトラベルして、ウィルスを元に戻してこい」と命令するも、心理的に動揺している状況では彼の能力は効果を発揮しない。

飼い主が弱った瞬間をついて番犬Pangが牙をむく^^

 

「勝利を掴むためには、賢く立ち回り時期が来るのをじっと待つこと」

 

という校長の教えに従って飼い主のそばでこの瞬間を待っていたPang。

校長の腕を握って「この国の未来に二度と関与しないように」と命令する。

つねに自信満々のイケオジSupotさんの顔に浮かぶ不安の表情が、親に叱られた少年のように無防備でさすがに哀れを誘われました。

 

 

 

突如現れた未来少女の協力で、ついに宿敵・校長を排除することができた初代Giftedの面々。

彼らを勝利に導いたのは、信頼の上に成り立ったチームプレーでした。

青年時から自分だけを頼みに権勢を築きあげた校長とは正反対の手法で手にした勝利は校長や学校からの「卒業」を強く印象づける中々すがすがしい決着になりました。

 

とはいえここで話が終わって、残り時間が名残を惜しむメンバー達という展開で終わったら「最後あっけなかったぁ」という感想を僕は持ったと思うのですが。

最終回はなんと!こっからが本番となりました。

 

校長を「自分たちの未来」から排除したPangとOhm。

作戦を裏でサポートしていた残りのメンバー(Pom、Chanon含む)と合流し、勝利を喜んだのもつかのま。

 

その後の対応について早々に意見が割れる。

政府と交渉し、ウィルスを破棄するよう求めるべきだというのはPomさん。

しかしChanonは脅しどおりに能力覚醒テープを流さないのか!そして校長と政府が作り出したGiftedプログラムを破壊しないのか!と怒り出す。

大人達の口論を居心地悪そうに聞いている初代の面々。

ChanonはPangに「お前ならどうする?」と問いただす。

いつもどおり彼はどちらにも決められない。

そこにGraceちゃんがTimeとThirdを連れてやってきて「私が最良の選択肢を提案するわ」と言い出した。

その選択肢とは「能力を使って政府に試験をキャンセルさせて。そしてGiftedプログラムに関わる全ての発明を破壊する。能力覚醒テープも含めてね」

というもの。

これはつまり、能力の全否定になるわけで「手にした能力を使って、より良いことしたい(できる)」と思っているPhunが異議申し立てをする。

 

GraceはChanonの主張を「不平等だし、格差も広がる選択」だと言い

ChanonはGraceの主張を「校長と変わらないほど独善的」だと批判する。

 

頭に血が登ってる2人に比べてまだ冷静さを保ってるPomによって決断はこの戦いを主導してきた初代の面々(つまりはPang)に委ねられた。

 

イマイチすぎてどれも選べないPang。

Pomにある仮説をぶつけてみる。

「僕らがGiftedになれたのは、特殊な細胞があるからじゃないのでは?」

いまだ校長の影に怯えるPomさんだったが

Gifted細胞は誰もが持っている細胞で、細胞を活性化する音波は誰もが聞くことができる波長

なのだという、シーズン2の前提をひっくり返す驚愕の真実を暴露した。

 

選民意識の強い校長は「特殊な能力はそれを持つにふさわしい人物のみに与えられるべきだ」という考えから、一定水準を満たさない人間には聞こえないよう音波に調整を加えていたのでした。

 

最終回でなんの伏線もなくこれが出てきたら「ふざけんな〜!」て、机ひっくり返していた所ですが^^;

シーズン2を通して、なんなら彼の過去にまるっと1話分費やして。

校長の病的なまでの

「優秀である事へのこだわり」

「優秀であることの特権意識」

が描かれていたので、物語の前提をひっくり返すこの暴露を聞いても「やりかねん」と僕は納得できました。

 

くわえてこのシーン。

三者三様に、体験に基づく「正しい選択」を一歩も引かずにぶつけあうという、この後に及んで予想もしない展開になり、そちらに心を奪われてしまっていたので、なおのこと音波についての設定の上書きについて長く気にかけている余裕はありませんでしたね。

この時点で最終回終了まで15分を切っていまして^^;

「これきちっと物語が地面に着地して終わるんだろうね?」

別の意味でハラハラ・ドキドキする展開に。

 

この事実を聞いたPangは

「校長が調整を加えていない音波を流して、なりたい人全員をGiftedにしてしまえばいいのでは?」

という……。

破天荒というか気前がいいというか、散々現実に打ちのめされても青臭さを忘れない彼らしい提案をする。

この決断を初代がどの程度支持したのかは劇中でははっきり書かれませんでした。

みんな色々思うところもありながら、時間をかけて自分を納得させて、少しづつ譲歩した結果の同意っぽい。

というのはNamtarnとのやりとりからなんとなく察っせられます。

校長の思想が隅々まで行き渡った学校を舞台に、校長の思想を大きく飛び越える決断をして、最後にはそれを自分の言葉で同じ年代の若者に語りかけて、実行する。

 

 

 

「他人より秀でた能力を持っているからといって、その人に特権を与えるべきなのだろうか?」

という校長へのアンチテーゼから始まっていたこのドラマ。

最終的には

「誰もが自分なりの能力を持っている」

と前提を上書きしたうえで、

「その能力を活かして生きる選択肢。それに背を向けて生きる選択肢。そもそも能力に手を伸ばさない選択肢。数多くの選択肢から自分にふさわしいものを選ぶのは自分であるべきだ」

という青臭くも前向きなメッセージを投げかけながら、最後の最後まで次への期待に視聴者を沸かせてのサッパリとしたカーテンコール。

個人的には大きな高揚感と共に無事最後まで鑑賞することができました。

 

この素晴らしいドラマを作ったスタッフとキャストに大きな感謝を捧げたいです。

さて。

The Gifted Graduationもこれにて終了。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

また別の作品で!

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