タイBL、タイドラマに浸かる日々|サバイなブログ

タイBL、タイドラマを中心にアジアのドラマ・映画について語ってます

タイドラマ『Enigma』3話&4話。全てが序章だったとしても……

若くて冴えない教師に擬態し、学校内に暗躍する悪い呪術師をハントするAjinと、事件に率先して巻き込まれ、優秀な頭脳でAjinと行動を共にする女子学生Fa。

自信満々なふりをしながら色々とスキが多いAjinさんの計画のせいで、Faピンチ!

からの

Enigma。第三話・第四話の感想を 

rukacchii.hatenablog.com

4話完結という(過去にもあったような気がしますけど)比較的珍しい形態のこの作品。

最終回前話の3話は2話ラストのクライマックスを切り抜けて、事件の裏側に焦点を当てた穏やかな回。2話であきらかにヤバい空気漂わせてるNamsineちゃん。

要所要所で差し込まれていたエモい感じの思い出映像。そのFaの話し相手だという事が明かされて、彼女が事件を引き起こしている張本人だと(意外ではない)真実が明かされる。

むしろ少し驚いたのは、2話の時点でFaがその事に気がついていたという事ですが、彼女が「優秀な生徒」という設定を思い返せばこれは納得感のある展開。

最終四話はそこから一転、Namsineの呪いを解こうとしてAjin先生が呪い返しに。白Ajinから黒Ajinへと変貌した彼がFaを襲うも、2人はそんな事も端から折込済で、ずぶの素人だったFaが歴戦の猛者(という設定のはず)のAjinブラックエディションを撃退して一件落着という展開でした。

その後ちょっとしたおまけというか「いやこっからが本編という事じゃないんだろうか?」という驚くべき展開が待っていますが、それは置いて。

個人的には初回がピークで、回を重ねるにつれ気持ちが下降するのを止められない残念な作品というのが率直な印象でした。

少し前に放映されたUMGもそうですが「難しいけど、売れたら世界的な大ヒットを狙える」ジャンルに果敢に攻めてくその姿勢は素晴らしいと思うのですが、ノウハウの蓄積がないからか、要となるVFXやスタントがどうにも厳しい。

ハリウッドは論外としても、韓国(そして日本の作品も)のそれ(例えばスイートホームとか地獄が呼んでいるとか、今、私たちの学校は、とか)のクオリティに慣れた目からすると、自主映画感すら漂ってしまうのが個人的にはやはり厳しい。

加えてこの作品に関していうならば全4話という総尺のせいか、ストーリーもかゆい所に手が届かないまま終わってしまったような不完全燃料感を強く感じます。

結局のところ

「優秀であるが故に凡庸な生活に物足りなさを感じるFaが、怪異に関わることで生きている事を実感できる物を見つける+女子高生の年上イケメンへの淡い恋心」

というストーリーだったと思うのですが、Faが感じている日常への倦怠感が(たぶん意図的にでしょうが)あまり熱を帯びた物ではないので「呪術師になりたい」と言い出す件も一時の気の迷いに感じられます。

年上イケメンの恋心の方も同様に「淡い」感じでしか描写されてこないのに、尺がないのでその淡い恋心に共感するまでに至らない。結果ラスト唐突のキスシーンもどこか気持ちがついていかない。

くわえてこのドラマの世界での「呪術師とはどういう物なのか?」の説明も曖昧模糊としたまんまというか、呪術発動の法則性が理解しきれないまま終わってしまったなぁという印象。

Ajin先生はよく口の前で手を丸めて吐息を吹きかけるという呪術を使っていますが、3話では体中に刻んだタトゥーの1つ(蜂?)に指を当てて、蜂にFaの手がかりを探せるという手法を使ってる(シュッと腕をさすったら、呪術で作ったまたは呼び出した蜂が飛んでいく、みたいな描写が見たかった)。

とすると彼が身体中に刻んだタトゥーは1つ1つ呪術発動の仕掛けなわけで、個人的にはあの無数のタトゥーを駆使したバラエティー豊かな呪術決戦を見たかった、というのが正直なところです。

というわけで全4話、個人的にはかなり物足りないまま最終回を迎えたわけですが、最後に大物2人が登場し続編を強く意識した状態で終わります。

顔の半分がドロドロになってるBrightさんのキャラ造形には凄みがありますが、願わくば続編があるのであれば、もう少し総尺取ってキチンと作品の設定を丁寧に描いてほしいなぁ、と思います。

読んでくれてありがとう。また別の作品で。

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