登場人物の中で1人ワリを食っている感のあるKnot君は最後にどんな大暴れをしてくれるんだろう?と思っていたら……。
Be My Favorite第11〜12話の感想を
GMMの作品にしては割としっかりめの初夜のシーンがありまして、クリスタルボール(まさかアレをグッズ販売するとは迂闊にも思いませんでした)を使ったKawiの人生逆転の旅はほぼ終了。
無事に大学を卒業し、Kawiは自分の性にはあってない派手なシンガー生活ではなく、他人に曲を提供する作詞(作曲もしてるのかな?)で生計を立て、Pisaengと2人、平凡という名の最強の幸せを味わう事(おそらく)10年。
まさかのKawiが病に倒れる。ただのインフルかと思っていたのにKawiは悪化の一途をたどり、なんと生死が危ぶまれるほどに……。
気が気じゃなくなったPisaengさんは、ここに至ってKawiの日記に描かれてたクリスタルボールでの時間旅行を思い出し、キリリとその頭頂部を回していく。
過去に一回試した時はなんの反応もなかったように見えたのに、今回Pisaengの願いは叶えられ彼は過去へと戻っていく。
戻った過去は初夜の朝。
Kawiの言っていた事はホントだったんだ!と改めて思ったPisaengさんは、ある決意を秘め、その日をもう一度やり直す。
だがしかし。そもそものクリスタルボールの持ち主はKawi。
だからPisaengが(Kawiから見て)未来からやってきた事はすぐにバレる。そしてPisaengが過去へ戻ってきた目的が「交際を解消する事」だというのもあっさり露見。
さんざん過去の改ざんを試みて、痛い目を見たすえのこのシアワセを手放したくないKawiさんは、自分が10年後に死ぬ(かもしれない)と聞かされても、Pisaengと過ごす日々を手放せない(Kawi,なんという成長だろうか?)と説得する。
つまるところ最終盤の主題となるのは
「自分にとって最良の生き方を選べた事がどれほどシアワセかという事と、その生き方を選んだのであればなにが待ち受けていても変えたいとは思わない。そしてその最良の生き方は人それぞれ」
という事だと思うのです。
そしてこれを主題とした場合、Kawiがこの世を去った方が訴えたい事がより強いメッセージとして伝わっただろうな、とは思う。
Pisaengが過去に戻るのはKawiがこの世を去った後、葬式も済み、10年間の思い出しかない部屋に一人取り残されて、この先になにも希望を持てない茫然自失抜け殻のようになったPisaengが、すがるようにクリスタルボールを回す。
その結果、半信半疑だったPisaengが過去に飛ばされ、もう会えないと思っていたKawiと再会する。再び彼を失いたくないPisaengはKawiに別れを切り出すものの、全てお見通しのKawiに「Pisaengと出会えて、一緒に人生を歩んでいける事が自分にとっての最良の人生だ」と説き伏せられて現代に戻る。
わずか10年という短い期間だけど、その10年間を選べた人生の充足感を噛み締めてPisaengはその後の人生を生きていく。
みたいな感じの方がメッセージが訴えるところにストーリーがより沿ったものになったのだろうと思いますが……。
メッセージの伝播力が少し薄まってしまっても、視聴者に愛される様に育てたキャラクターを多少強引でも^^;ハッピーエンドに持ち込んでいく後味の良さはタイBLの大きな長所だと思うので
「Pisaeng、そんな慌てて過去に行かなくてもKawiの病状峠を越していたんじゃないの?」とは思ったものの、収まるところに収まったのかな、と思いました。
MonnlightChicken同様に、この作品もBLというよりは明確にLGBTQに寄せた作りで(若干不自然な展開でも)イチャイチャを楽しませるというよりは、Kawi、Pisaeng、Pear達が「その人にとって幸せな状態とはなんなのか?」を試行錯誤しながら探っていく人間ドラマとしての要素が強かったのかな、という印象です。
読んでくれてありがとう。また別の作品で。