タイBL、タイドラマに浸かる日々|サバイなブログ

タイBL、タイドラマを中心にアジアのドラマ・映画について語ってます

タイドラマ『BAD BUDDY the series』 EP12『性悪バカップルどもめ(苦笑)』

そして四年が経ちました。

Patは次期社長を視野に入れつつ家業を手伝い、Pranはシンガポールで建築家としてキャリアを積む。

新卒2年目の若造に個室のオフィスがもらえるのかよ?とか
あの若さでランドマークになるような建物デザインさせてもらえるわけないだろよ?とか

キャリア部分のお花畑感は気になりましたが(親の手前、盛っているのか?)まぁ本質ではないのでスルーして^^;

別々の道を歩みだした2人は高校の同窓会で再会をする。
おや?Pranは途中で転校したのに同窓会に呼ばれるものだろうか?
とも思いましたがそれもまぁスルーして。


再会した2人はぎこちなく、でもついつい視線は相手の姿を追いかける。
話したそうに近寄るくせにモジモジと言葉を発しない。
ようやく口を開いた時には邪魔が入ってと「じらすな〜。早く元サヤにおさめてよ。ハッピーエンドが見たいんだよ」とついジリジリ。

 

 

 

序盤はとにかく感傷的。
4年経っても未練たらたら。良かった頃を思い出してはなにかを言いたげに相手を見つめる。

この2人には、らしからぬ寡黙(笑ってない2人は物足りない)かつスローな展開に正直ちょっと飽きてきちゃって

「これ最終回でコケちゃうのかな?」

と不安すら感じる展開に。

そのまま同窓会は終わってしまい2人は会話を交わさず別れることに。
期せずして並んで集合写真に写れた事をほくそ笑み、その想い出だけを胸に抱えて、まさかそれぞれ別の道を歩んでいったりはしませんよね?

こっから奇跡の大逆転をぶちかましてくるんですよね?と思っていたら。

Pat家(いまだ大学時代と同じ部屋)のドアがノックされた(来たぞ!)。
電話中のPatさんがドアを開けると、そこにはPranが立っていて(いいぞ!)4年間会えなかった思いの丈を切々に訴え「俺もお前を忘れられなかったよ」とPatが応じ、ヒシッ!と互いを抱きしめる。感動の展開になるのかと思いきや、だ。

「宅配でーす」

「実家に帰るって言ってたくせに(なに?)」

「うーん。めちゃくちゃトモダチに会いたくなっちゃって」

「なるほど。じゃ切るわ。腹減ってんだ」

と二人同時に電話を切った(まさか?)。

 

からの種明かし。

 

コイツラ、なんて性格の悪い奴らなんだ^^;

BAD BUDDY 第12話の感想を

rukacchii.hatenablog.com

 

 ま、一言でいうなら。

「そんなオール・オア・ナッシングみたいな決断をしなくても、親には内緒で関係続けて、時を待てばいいんじゃないの?」

と前回のブログで書いた事を彼らはそのままやったわけですが。

 

スリードが気合い入ってて(予告も効果をあげている)「ちくしょー!だまされたー(爆笑)」感がものすごい。

序盤がかったるめなのも、種明かしパートの爽快感を高めている。

「彼とは別れたよ。ごめんなさい」とニヤつくPat。

「あなたにふさわしい人がきっと見つかる」とお母さんにハグされながら不敵な笑みを浮かべるPran。

仲間や親に嘘をつく時の2人のいたずらっ子みたいな表情を見ていて、そうか!だから「Bad BUDDY」なのかと、ようやくタイトルに納得が行きました。

 

残りの展開はこれまでのノリと変わらない(やってることも変わりません)

結局のところ

「敵同士だった2人が友達を飛び越えて恋に落ちるも親は当然猛反対。悩んだ2人は表向きは別れた事にして、密かに関係を続ける事を決意する」

までが物語のコアとなる部分で、それについては11話までのエピソードで終わってる。

 

その決断をしたからにはいずれ向き合わなくてはいけない「親同士の確執と自分たちの関係」については踏み込まず、サラリと面白い部分(視聴者が期待しているOhmとNanonのやりとり)に集中した最終回という感じでしょうか。

だから両親達が、なんとなーく、ご都合主義的に、軟化したという印象を受ける。

受けるのですが。その部分を犠牲にして突っ込まれたPatとPranのじゃれあいが今回も抜群に良かったのでそれが傷として残らない。

 

全編を通しても、キャストのスキル、魅力、役者同士の化学反応に大きく依存した作りで、彼らのキャスティングなしには成立しなかったのではないかと感じます。

とにかく終始、どんなシーンでも手抜きなしで、楽しそうに演じてるのがうかがえる。

ラストの長回しも動きが派手な割に演技細かいし、どこまでが台詞で、どっからがアドリブか分からないくらいリズム感いいし、シャツグルングルンしたり、キッチン飛び乗ったりと

「やってる君等が一番楽しんでるでしょ?」感がものすごい。好き放題やってます。

いっぱいタイBL見てるけど、プレ・イチャコラシーンをこんな楽しそうに演じた人たちは記憶にない。

その片割れが「納得できるやつじゃないとBLには出ない」と言ってたNanonさんだという事に正直、驚きを隠せない^^

やってる2人が楽しんでるのが伝わってくると安心して見ていられるし、くわえて演技が上手いので「PranとPatが恋をしている」という説得力がとても高い。

凹むパート、重たいパートが少ないベース(ストーリー)の上に、まじで楽しそうな2人の演技が乗っかってくるので、終始ほがらかで温かく、自然気持ちの上向くドラマになってました。

 

 

 

もう一つ、このドラマで個人的に特筆すべき点かな?と感じたのは

「親が敵同士」だというのが(親にとっても、Pran達にとっても)障害の最上位にありつづけるので、リアル路線のBL作品なら誰かが気にするはずの

「同性に恋をするなんて」

という悩みについて、ホント誰一人気にしなかった事ですかね。

PranもPatも「敵の息子に恋しちゃったよ」とは悩んでも「同性に恋した事」に悶々とした描写はないし、両親も「付き合ってるんだ」と聞かされて、まず「よりによって敵の子供に」と激しくブチ切れる。

マイノリティの恋なのでお約束として一回は入ってくるお悩みを、より上位の悩みを設定する事でしれっとスルーしたのはスマートな方法だなぁ、と思いました。

 

さて。これにてBAD BUDDY the series全エピソードは終了でございます。

OhmNanonのカップリングが続くかどうかはこの作品にかかってる、と初回のブログで書きましたが、これはもう個人的には予想を上回る大成功というか。

ここまで互いへの友情なんだか愛情なんだかがダダ漏れちゃうカップリングだとは思わなかったというのが正直なところで(とにかく楽しそうである)。

この2人にはどーか末永くオシドリ夫夫として活動を続けて欲しいと願います。

というわけで読んでくれてありがとう。

また別の作品で。

f:id:rukacchii:20211211220129j:plain