Charlie死す、という衝撃的な展開をもってお話は完全に「育ての父」への復讐譚へ
『Pit Babe』11話と最終話の感想を
この作品のBLパートを背負ってきたパパ・ママ・コンビの片割れが天に召された(という事になっている)ので、ここにきてBLパートはオーナーのAlanさんと無口な予知能力の持ち主Jeff君が担う事になりました。
パパママコンビのような軽さや勢いはありませんけど、寡黙に愛し合う様子はそれでそれで艶っぽさを感じられます。その静かさゆえに真剣味をより強く感じられるといいますか……。
なんだかんだでカップリングされるものだと思っていたKimとWinnerでしたが、Winnerが最終話に向けてより一層クズ感マシマシになっていくので、ボコられて終了という意外な結末になりました。
Winner確かにクズでしたけど、よってたかってボコる様子はあまり気持ちのいい描写ではなかったな、と個人的には感じました。
実況にいそしむXハンターの賑やかし役のNorthとSonicもくっつきそーな予感をさせつつ、そこまでは至らず。
PitBabeに振られてしまって失意のWayはPeteさんといい仲になるんだとばかり思っていたら、なんと最終話で(まじで)天に召されてしまうというむごい展開。
本年度タイBL薄幸な人選手権に堂々ノミネート確実の結末で、その不憫さに南の空にそっと手を合わせたのでした。
結局カップリングとして成就したのは2組と意外に少なめ。ラブストーリーにあてる時間を大幅に削ってTonyへの復讐というミッションに大きな時間が費やされます。
要するにこの物語は「PitBabeという天才的な能力を持つ孤独なレーサーが、愛を信じられるようになる」お話だと見せかけて「言葉巧みにグルーミングされ特殊能力に目覚めたものの、父親の邪悪な素顔を許せず、反旗を翻す」Tonyチルドレンのお話だったのだと思います。
後半の展開も、前半同様楽しめるかどうかが、このお話を最後まで楽しめるかどうかの分かれ目だと思うのですが、個人的には後半は前半程にのめりこめなかった。
というのが正直なところです。
正直、そこまで重要なワードだと思ってなかったのでさほど気にしていなかった「アルファ」「エニグマ」の意図するところも今ひとつピンとこないままでした。^^;
冒頭から「義父への復讐」という物語であれば、もう少し気持ちがついていったようにも思うのですが……。
とはいえ「BLにここまで過剰なレースシーンは必要ないでしょ?」という程、気合の入った前半戦は増えてきているBL+αの作品の方向性を予感させワクワクしましたし、PitBabeのPavelさん、Way役のNutさんなど非常に見応えのある演技を楽しめた事も収穫だったな、と思っています。
読んでくれてありがとう。また別の作品で。