7話で姉ちゃんにけしかけられて海に行く約束をしたTutorとFighter。
第八話はSaifahZonの特番状態。
まるっとお預けをくわされてからの
WHY R U the series。第九話、第十話の感想を
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八話の感想は↓↓↓
さて2時間まるっと2人の旅行に費やしたこのエピソード。
あまりお話らしきものはありません。
一応、この旅行の目的は
「互いに気持ちがある事は認めた2人。自分達を取り巻く状況を一切忘れ、2人きりの空間で普通の恋人たちのように振るまってみたい。そうすることで自分たちの気持ちが真実なのかどうかを確かめたい」
というものですが。
これは正直、主人公の気持ち的にも、作劇的にも「大義名分」でしかなくて。
実際のところは2時間(2話分)まるごとラグジュアリーなリゾートホテルを根城にして、2人のイケメンが風景明媚な観光名所のあっちでイチャイチャ、こっちでイチャイチャ。
という展開がただただ続く!
とにかく画面の向こうからだだ漏れる至福感がとんでもない。
まるで自分も一緒にバカンスを楽しんだかのような幸せな気分に浸れます。
ではその至福感はなにから来るのか?
今回は話の筋はサクッと割愛(というか、ないっす)。
至福をもたらしている要因を「リゾート」「ドローン」「肌色」の3つに分解して語ってみたいと思います。
それでは10話でかかるTutor演じるSaintさんのこれまた浮遊感のある曲をバックにムード盛り上げてお読みください。
1つ目は「リゾート」
2人が旅行に行ったのはタイでも有数のリゾート地クラビ。
タイ王国の南部、これまた有名なビーチリゾート、プーケットの、海を挟んだ向かい側にあります。
映画好き、またはディカプリオ好きな人だったら「ザ・ビーチ」の撮影が行われたピピ島のある県といえば分かるかな。
と、断定口調でまるで行ったことがあるかのようですが、ありません。
こちらのサイトの情報とGoogleMapを参照しました。
どこを切り取っても「オレ、写真の腕、めちゃくちゃあがった?」と錯覚するほど美しいロケーションなのにくわえて、この旅はFighterさんが(おそらくは)親の資金を投入して特別仕様であしらえた物。
ホテル側のお膳立てもまぁ凄い。
砂浜の上に設営された特設テントを取り巻くキャンドル。間接照明の中、波の音を間近で聞きながらのディナータイムとか。
これまたキャンドルの灯りでムーディーに演出された夜のビーチやプールとか。
ボクもそれなりの数のタイBLを見てきましたが、ここまでバブリーな設定は記憶にないですね。
これを四十を過ぎた男と女の不倫旅行という設定ならともなく、工学部の学生(若干20歳強)がやるという……。
なかなかに破天荒な設定ですが、現実離れ感が半端なく、まずは度肝を抜かれます。
昼は透明度の高い海でセーリングとかローカルショップでショッピング。
夕方はビーチで戯れた後、ラグジュアリーなディナータイム。
スマホでカシャッとやるだけでも充分映えるこの風景(とイケメン達)を、さらに現実離れした絶景に仕上げているのが「ドローン」による空撮ショット。
この9話、10話はドローンショットの見本市かというくらい、実に様々な用途で使われていて、個人的にとても勉強になりました。
美しい大自然を高い所からドーンっと撮影した王道的なドローンショットは当然の事。
低い位置から、原チャでクラビの町並みを走る2人を追いかけたり、砂浜を歩く2人からゆっくり離れたりとか。
ちょっと高い位置にあがるだけで映像から開放感を感じられるようになるし、その絵に人を入れ込むことで、それを2人が感じてる開放感と紐付けられる。
主人公に大学生が設定される事が多いタイBLは、どうしても大学の敷地とコンドミニアムという狭くて絵になりづらいロケーションが多くなる。
そんなジャンルにありながら、この圧倒的なロケーションの魅力とドローンが生み出す開放感はかなり新鮮。
そして、それがちゃんと色んな事情から逃げてきたFighter、Tutorの2人が感じているだろう開放感の表現としても使われていて、この映像から追体験できる。
だから気持ちいい。
この溢れんばかりの開放感が導く先は、お待ちかねの「肌色」タイム。
スペシャル版では作品のプロデューサーが「リアリティを重要視しているので、あまりセクシーな部分だけに注目されるようには作っていない」とか言ってましたが、だいぶアクセル踏み込みましたね。
質も量も大満足。
というか後半は胸焼けするくらいのボリューム感で2人が互いの気持ちを確かめあいます。がっつり熱演を複数回にわたってしてくれたZeeさん、Saintさん。
大変でしたね。お疲れ様でした!
が。
ボクが思うに、この「肌色」パートの最大の功労者はカメラマン。
ライティングとかロケーションの選択とか、撮影者としてのスキルも勿論あるんですが、この方の最もすごい所はその執念。
いかにSaintさんを艶っぽく撮るか、いかに妖艶なTutorを切りとるかに腐心してるのがビシビシ伝わってくる。
なんだかんだで男性の役者が、ここまで艶っぽくそして美しく撮影されているのはドラマ作品では、これまたあまり記憶にない。
Saifah君のモーニングウッドのように、この作品のディレクターはギリギリのきわどい表現に果敢にも(無鉄砲にも?)挑戦してくるイメージがありますが。
今回はそれがいい方向に作用してるのかな?と思いました。
以上にあげた3つの要素が入り混じって、この9話、10話のリゾート編は「砂糖一袋、ぶっかけました」ってくらいに
視聴者の目をトロトロに甘やかす多幸感にあふれる仕上がりになっています。
くわえて。
ここ意外に重要だと思うのですが。
あなたがWhyRUをこれまで見ていなかったとしても、ここだけ見ても結構な至福感を味わえる、まるで番外編のような作りになっています。
事前に知っていればいいのは
「2人は自分たちの気持ちが本物かどうか確かめるために、バンコクに全てを置いて旅行に来てる」
これだけ。
「見るものがなくなってしまったけど、満たされていない」と思っているタイBLラバーの諸兄妹の皆様。
たったの2時間。
とりあえずこれを見てみればどうだろう?
面白いと思えたら、一話に戻ってお話をちゃんと追いましょう。
待て次号!