Mindに事実を告げられて、Kwan母さんからMeenの事も告げられて、実際にPurachin Buriを訪れ彼女の墓碑をその目で見て。
「俺には君しかいない」
とまで言い切った、Meenはこの世にいない。
その事実を受け入れるしかなくなったNateeさんを大フィーチャーした2時間が、さぁ開幕だ!
「Who are you」第11話、第12話の感想を
第九話、第十話は↓↓↓
失意のNateeはBankok行きのバスに乗る。
乗り込んできたお子様の荷物で指を切ったNateeに、当のお子様が絆創膏を張ってあげる。
からの回想タイム。
以前Mindに話していた、溺れて一時的に泳げなくなった時期のお話ですね。
Natee役の子役さんも中々の熱演をしていますが、駆け込んできたNateeパパの表情が鬼気迫る物がありまして^^;
中年オヤジが子役を食う、という珍しい事になってます。
普通、子供と動物には勝てないと言われてるんですけどね。
この溺れかけたトラウマを、なんとかしてあげようと思った子供時代のMeenちゃん(まだしかめっ面をしていない頃)はNateeの胸に絆創膏を貼ってあげる。
どっかで見たような気もするけれど、ベタなりにしんみりとするシーンになってます。
回想から戻ったバスの中のNateeさんは窓越しにMindさんの姿を見かける。
2人ともバンコクに戻るのになぜに違うバスなんだ?という疑問をボクは抱きまして、もしかしてMeenなんじゃ?
とも思ったんですが、表情が明らかにMindさんのソレなんですよね。
とまれNateeさんを乗せたバスは一足先に出発をする。
揺れるバスの中、苦悶の表情でさめざめと泣くNateeさんがとても切ない。
一方その頃。
バンコクのカフェでMr Qは学級委員のPeteママと密会をして「Peteが故意にプレゼンを妨害した」事をほのめかす。
事実を知ったPeteママは、息子を詰問。
「やっちまったな」と確信するなりビンタ一発。
しかしQが証拠をつかんでいない事を思い出して「黙っていればいい」と隠蔽する方向に舵を切る。
朱に交われば赤くなる。毒を食らわば皿まで。
という感じで罪悪感の欠片も感じさせないママの言動に、まだ心が柔らかいPete少年は動揺し、それ以降、彼は名乗り出るかどうかに葛藤する。
Singさん演じるPeteの怯えた表情がとてもいいなと思ったのはひいき目では、きっとありません^^。
PCトラブルの証拠をつかめないままのMr Qは「3日以内に名乗り出るように」と宣言して犯人(Pete)の善意に頼る事に。
しかしすでにクラスの空気は「犯人はTida」という方向に流れていて、彼女への態度はイジメそのもの。
誰にも誘ってもらえず、教室に1人ポツンと佇むTidaはしかしMindとは性格が違う。
こうなったのはすべてあのオンナのせい。
とはMindへの逆恨みを募らせ、ついにクラスの前で「自分がイジメをしていた(とされている)少女で、そのせいで自殺をしたと言われた少女は実は生きてる。ほらごらん、この写真。ちょっと誰かに似てないかい?」
とMindの学生証を見せびらかす。
「Meenに似てる」とクラスは騒然となり、Tidaさんはちょっと得意気なんですが。
クラスメイトのセリフを聞くと「MeenはTidaにいじめられてたの?」「言ってくれないと助けられない」「なにがあってもアナタの力になるから」
と、完全にMeen寄りなんですよね。
その後、Nateeが駆けつけてきて(しかも途中で車に轢かれて怪我までして)「Meenには双子の妹がいて、写真の子はまさにその子で自殺したんだ」
と事実を告白。
自分の思惑と違う展開にTidaは「言いたいのは自殺したと言われてるこの子は生きているのよ」と主張するも
「じゃぁ誰が死んだんだ?」
というNateeの問いに黙ってしまう。
このNatee君のセリフは、Tidaが「Meen=Mind」だというネタでゆすり始めた時からずっとひっかかっていた事で^^;
それをクラス中にばらしてしまったら「じゃぁMeenはどうしたの?」という疑問が必ず生まれる。
そしてその問いかけには「妹を助けようとして死にました」という答えを返すしかなくて、たぶんその時のクラスの怒りは凄まじい物になる。
双子の妹であるMindがMeenをかたって自分たちを騙してた。
なんて比じゃないくらいの怨嗟の炎が自分に対して向かってくる。
ということに、どうして成績優秀なTidaちゃんは思い至らないだろう。
と、ずっと思っていたんですよね。
結果、せっかくぶちあげた作戦はMindではなく自分の身を焼き、ますますクラスで孤立するようになる。
ここで黙っていないのがTidaママ。
パパがふがいないので、自らが乗り出す事を宣言する!
一方、ボーンアイデンティティか、24かという車との衝突事故をものともせずに、颯爽と駆けつけMindを守ったヒーロー、Nateeさん。
メディカルチェックで肩を相当に痛めてしまった事が発覚し、水泳選手としての危機に直面する。
ちょっと前後してしまいますが「じゃぁ誰が死んだんだ?」とTidaの口を塞ぐために発した言葉。
その言葉の答えは、彼が一番肉声として聞きたくない言葉。
この言葉をTidaに発した時のNateeの鋭い表情には、自分からMeenを奪った憤りみたいな物も感じました。
くわえてMeenが死んでしまったことを認めたくないNateeからすれば、なにも知らないクラスメイトの中だけでもMeenという存在を生かしておきたい。
という気持ちもあるのかも。
さて。
そのために全治半年、しかも完治するかどうか判らないという状況に陥ったNatee
さん。
最愛の人を失くした上に自身の夢まで奪われそうで、失意のどん底に。
罪悪感から頻繁に彼の病室をおとずれるMindさんに当たり散らす。
11話でのヒーローっぷりと、12話の翼の折れたヒーローっぷりの対比を存分に楽しめる贅沢な構成になってます。
9話くらいから続いてたNatee君の内面に切り込んできたエピソード。
最愛の人を失ったのに、最愛の人と同じ姿をした人がそばにいる。
その状況に対応できていない様子をじっくり描いてるのが好ましい。
実際にそういった瞬間に沸き起こるだろう憤りとか、哀しみとか、懐かしさや愛おしさなど。
一つの感情に留まることなく振り幅を広く取ってある気がして、それが人生で最も動揺している状況の、定まらない心の有り様を表現しているんじゃないかと感じます。
Nateeさんが失意のドン底にいる間、静かに動いているのがJuneに絡んだ物語。
教育実習生がJuneの姉だったり、Juneの死は学校ぐるみのなにかが関わっている事が明かされてGunパパでもある校長先生が慌て始める。
本当に一人として無駄に配置された人物がいないソツのない脚本が素晴らしい。
このJune絡みのエピソードに、前面にでてきたTidaママの活躍、そしてママに反旗を翻しそうなPeteが絡んで、Mindを再び苦境へと追いやる。
そしてついにあの人が!
という怒涛の展開で期待をもたせての、待て次号だ。