タイBL、タイドラマに浸かる日々|サバイなブログ

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ViceVersa 第11話・第12話「人」が環境を作るのだ。

ようやく元の世界に戻れるんだと喜び勇んだはいいものの……。

戻ったのはPuenさんただ一人。

あれほど「元の世界に戻りたい」と願ってたTalay君は見知らぬ(とはいえ2年もそこで過ごした)異世界に1人取り残される事になる。

この皮肉な展開でしばらく引っ張るのかと思いきや……。

失意にくれるTalay君。だがしかし……。

正味一月ほどの遅延で元の世界に戻っていく。

 

この展開に限らずに「お?それは意外。そこ掘ってくの面白そう」という展開をチラ見せするけど、次エピソードへのフックとして使い捨てるのはもったいないなぁ……。

と、すべてを視聴し終えて個人的には感じています。

タイBL『Vice Versa』第11話・第12話の感想を。

rukacchii.hatenablog.com

11話の残りは浦島太郎化したTalay君が生身のPuenさんと再会を果たすまでのお話。

まず触れておきたいのが元の世界線に「おれ、戻れたっぽい?」というなんとも言えない表情からメー(お母さん)の顔を見て、ポロリポロリ涙を流すSeaさんの演技が素晴らしかった。

「もーさー。夢叶ってんだし?金もあるし?友もいるし?ここで幸せに暮らしなよ」

と思っている僕が見ててももらい泣きしそうになる真に迫ったナイスな泣き演技。

ふくよかな体格に人の良さがにじみ出てる優しいお母様は初回には登場しておらず、この回がおそらく初登場。初回にこの家族のやりとりを見せてくれればTalayの「戻りたいぞ!」という気持ちに中盤共感できたのにと思わないでもありません。

感動の再会、その余韻は長くは続かずTalayはTessによって自分の人生が壊滅状態にある事を知り愕然。

だがしかし。持ち前の人の良さとポジティブさを活かしてあっというまに修復成功する。

 

 

 

TessとTunがこの世界でどうしていたかは「てっさん、ついたばかりの仕事を放り投げてTunさんのマネージャー兼ヒモになり、でも生まれついての金づかいの粗さは治らずについにTunに解雇されそれ以降自宅警備員」というくらいの情報が事実として語られます。

となると元の世界に戻ったTunとTessさん、Friends Creditsの面々の未来は決して明るいものではないでしょう。

てっさんが人生だいなしにするのは別に構わんのですけれど、TalayとPeunの頑張りと熱意で、成功への階段を登りだした面々の人生もガラガラ崩れてしまうのかと思うとやりきれませんね。

 

環境が「人」を作るのではなく「人」が環境を作っていくのだ。人として誠実であれば環境も整い道は開けていくけれど、人としてダメダメな事をしていると(てっさん、君の事です)取り巻く環境は悪くなるばかりなり。

という事を人生の教訓として学ばせていただく貴重な回になりました。

特異なスキルを発揮して失われた2年間を急速にリカバリーしたTalayさんだが、自分が別の世界線で恋をした人がまさかの大スターPuenさんだと知り(しかもヒモ生活で経済的にダメージを与えたというおまけつきだ)会いたい。でも会えない。

接触できない。

この世界にも存在していた馴染みのカフェにふらりと寄って、同じくふらりと立ち寄ったPuenさんと再会。

てっさんに散々邪険にされてきたPuenさんは、中身が入れ替わっている事に気づかずに立ち去ろうとするその背中に声をかける。

なんかハリウッドの古典的名画のような展開を経て2人は互いを認めあい、ヒシっと抱き合うのでした。

じ・えんど。

とはならないで……。

続く12話では一応「身分があまりに違うので好きな時に好きなようにイチャコラ出来ない。いっそ元の世界線に戻れたら」的な悩みが2人の脳裏によぎるのですけど、こちらもPuenさんが「気持ちは本物じゃ!」と世間に公表する事で強制終了。

個人的には…。

設定の斬新さに目を奪われ、その設定で起こるであろう「家族や友人との関係性の変化」「他人として生きていく期間が長くなるほど、それこそが自分の人生になっていく事」「2人いないと元の世界に戻れないのに1人だけが取り残される事への焦燥感や絶望感」「戻ってきたら人生がまるで望まぬ形になっていた事への衝撃」などなどの興味深いテーマを複数チラ見せしながらもどれも深く掘っていかずに、モーメントを生成する時間に当てられてしまったのが少々もったいないなと思いました。

 

読んでくれてありがとう。

また別の作品で。