日本未公開なのに、このドラマでは大フィーチャーの「Flipped」という映画。
七話のタイトルにもなっているこの言葉の意味は「裏返し」
そしてまさかの、視点人物が入れ替わるという展開にはちょっと驚きました。
映画ならあるけど連続ドラマでこの構成。ボクは見たことがなかったです。
この視点人物の入れ替えがドラマにどんな影響を与えたのか。
Theory Of Love 第七話の感想を!
第六話の感想はこちら
先輩の元に身を寄せたKhaiは「もしかしたら親友の事、好きになっちゃったかもしれない」 と口走り「そっち系の悩みは俺にはわからんわ」と困惑される。
これ。
ボクも言われた事ありますね(遠い目)。
自分では普通の恋の悩みだと思っていてもなかなかそうは受け取ってはもらえないものです。
この先輩の素晴らしいところは、いったん「俺にはわからん」と言いながらも、自分の過去の失恋を事例にとって
「手遅れになる前に自分の気持ちに気づいたお前は運がいい。お前がしたいようにすればいいんだよ」
とKhaiに次なるアクションに促したところ。
これで心のもやもやを抱えながらもKhaiはバンコクへと戻っていきます。
ハッキリ視点人物の入れ替わりが判るのは、ここから。
Theory of love 始まって以来初めて、Khaiのモノローグが入ります。
モノローグの役割は、セリフや表情だけでは表現しきれない人物の気持ちを言葉として伝えて、視聴者の共感を得る事。
通常、物語の中で視聴者の共感を集める役割は主役が担います。
一見あちこちで見かけるように感じるモノローグ。
原則主人公にしか使われない手法なんです。
そのモノローグの語り手がThirdからKhaiに移行したことで、視聴者はKhaiの心情を知り、Khaiに共感を寄せながら、ドラマを見ていくように仕向けられています。
とはいえ。
Thirdにあれだけヒドイ事をしてきたKhaiに今さら共感なんかできるのかよ?
と思ったりもするわけですが、結論から言うなら共感できるようになりました(ボクは)^^;
モノローグがThridからKhaiに変わったということは、この7話ではThirdの心情を、Khai同様、視聴者も知る事ができなくなりました。
例えば。
バンコクに戻ったKhaiは、Thirdとも再会を果たします。
久しぶりに会ったThirdを見て「久しぶりに会ったからなのか。自分の気持ちが変わったのか。彼を見て、心臓の鼓動が早くなるのを感じたんだ」的なモノローグが入れることで、Khaiの気持ちは手に取る様にわかります。
その後
「しばらくどうしてた?」
「実家(ちがうけど)帰って。自分を見つめ直した」
「彼女となんかあった?」
「なんかつーか別れたんだ」
ここで微妙な間があります^^
その後のやりとりでも、なんか感じてるけど言葉には出さないThirdの様子が映されます。
前半戦なら、ここにThirdのモノローグが挿入されてThridの内面の動揺が赤裸々に説明されたと思います。
「結局Khaiはこうなんだ。大事にするって言ったのにすぐに別れて」とか。
「落ち着けThird。もう俺はKhaiとは友達になるって決めたんだからな!」とか。
ところが視点人物ではなくなった今回。
Thirdが実際なにを感じたのかはぼんやりとしか伝わらない。
含みのある表情でKhaiを見つめ、結局はなにも言葉に出さない。
言いたい事があるならハッキリ言えや!
とKhaiに代わって言いたい気分になったりしないでもありません^^;
視聴者は、気持ちが理解できる人間を応援するようになっているんだなぁ。
とある意味勉強になりました。
ようやくThirdの魅力に気がついたKhai。
Thirdの気を引こうと画策するが、以前に比べてThirdは随分とそっけない。
「もしかしたらThirdに恋をしてしまったかもしれない」
とBoneやTwoに打ち明けても、これまでの仕打ちを知っている彼らはさすがに「応援するぜ!」とは言ってくれない。
それでもThirdへの恋心に気づいた元プレイボーイKhaiはひるまない。
女友達のメアドを全消しして、Thirdの心を取り戻すことを強く!ここに!宣言した。
Thirdの部屋で2人きりになるチャンスをつかんだKhai。
久しぶりに至近距離で見たThirdのあまりのカワイさ(ここもモノローグで語られてますね)に思わず反応してしてしまう。
席をはずして、寝た子が起きるまで……。逆だ!
起きた子が寝るまで、長時間トイレに立てこもったら「やりすぎに注意してね」とサル扱いを受ける始末。
悪行三昧だったKhaiさんの心はThirdには通じず、彼はいまだにそっけない。
戯曲を提供した舞台の稽古にコバンザメのようにくっついていったKhai。
稽古は既に始まっているが、先輩は役者のイメージが役にそぐわず機嫌が悪い。
「生まれついての遊び人で、おぼっちゃまで、イケメン、女好き、悪びれることなく人を傷つける」
そんな奴いるのかよ!と独りごちるKhaiの事を部屋の誰も見つめていた。
執筆当時、彼にボロボロされていたThird。
その思いの丈がぶちこまれてる戯曲ですから、こうなるのは当然と言えるでしょう^^
Khaiは見事にオーディションを切り抜けて、役をゲットしたのでありました。
深く物を考えない性格の彼が視点人物に変わった効果で作品のトーンが軽くなりましたね。
正直、6話あたりで展開の重さに胃もたれ感もあったので^^;
これは個人的には嬉しい効果。
Khai君は物を深く考えないし、打たれ強い性格でもあるようで、自ら主体的に行動を起こしていくので、お話の展開も早くなった気がします。
というわけで、待て次号!