2019年のタイBL最大?の話題作「 Theory Of Love」
ついに公開されました。
主役にOFFGUNの二人を迎えた本作品。
脇にはレジェンドになりつつあるBLドラマ「LoveSick」のPhunを演じたWhite君、そしてOurSkyyでSunのステキすぎる先輩を演じたMikeさんを迎えています。
昨年GMM2019 が発表された時にはとても期待値の高い作品だったのですが、本作の監督がWOLFの監督と同じだという事を知り^^;
個人的には若干期待値下げた状態での鑑賞となりました。
というわけで「Theory Of Love」初回の感想を!
Thirdはコミュニケーションアートを専攻している大学生。
シネフィルでもある彼は過去の名作について動画レビューを投稿している。
映像制作を専攻する学生達という事で、第一話だけでも色々と映像制作や映画についての小ネタが登場します。
物語の冒頭は主人公・Thirdのおすすめ映画レビューという形でタイ映画、ハリウッド映画をご紹介。
共通しているのは「友人」への秘めた想いが映画の中心にあるという事。
大親友のKhaiに友情以上の気持ちがあるのに、口に出せないThird君の心のもやもやを「好きな映画」を紹介するという形を取って視聴者に伝えていく。
という演出なのではないでしょうか。
さてそんな未来のアピチャッポン(タイの有名な映画監督)を目指すThirdは、同じ学部のKhaiに恋していた。
Khaiは、Oppaルック(韓流アイドルっぽいルックスという事だそうですよ)でキャンパスでも指折りのモテ男。
とっかえひっかえ彼女ができては別れてを繰り返してる。
Khaiが彼女と別れるたびに、無駄だと判っていながらもThirdは心が浮き立つのを止められない。
Thirdの心を知ってか知らずか、Khaiは困った事があるとすぐにThirdに相談を持ちかけてくる。
男女を問わずタイ人お得意の「Naa.NaNaNaaa」攻撃に今回もまんまと乗せられて、朝早くからBlackPinkのコンサートチケットを買うために購買の前に並ぶThird。
ちゃっかり自分の分も手に入れて「一緒に行こう(うふふ)」と微笑む彼。
ところがKhaiはどこからかちゃっかり手に入れたチケットを見せつけて、女子と一緒に見に行くんだと盛り上がっていた。
Khaiのそばにいるというのは万事こんな調子。
一途なThirdもさすがに想いをつなぐのに疲れている。
Khaiのダメンずっぷりがこれでもか〜これでもか〜と印象づけられた回でした。
Khai 。僕が見たタイドラマの中でぶっちぎりのサイテー野郎なのですが^^;
自分勝手だし、チャラいし、約束は破るし、すぐに泣き落としにかかるし、ヤリ◯ンだし、あげく彼女(ThirdのでなくKhaiのですよ!)の荷物を探すためにゴミの中まで漁らせる。
ザ・キング・オブ・サイテー野郎だと思うのですが。
初回だけで何度もデートをすっぽかされて、その度しょぼんっとなるThirdが健気……。
を通り越して正直、少しイラッとしました^^;
こんなサイテー野郎にいつまでも粗末に扱われてないで次行け!次!
みたいな気分がフツフツと体の奥から湧いてくる。
まぁ惚れた弱みで離れられない……という心情は理解できるんですけど。
でもイラッとしますね!
ビシッと言ってやれ!みたいな気分になりました。
ちなみにThirdがKhaiと距離を置くことができないのは、もう一つ理由があります。
男子仲良し4人組でクルーを組んで映画を撮影しているからでした。
毎回、役割が同じなのかは知りませんが、初回で撮影している作品での座組は
ディレクター:Third(一人図抜けて背が低い^^;)
カメラマン :Two(公私混同気味のエロいやつ。たぶんモテナイ)
録音 :Khai(ザキングオブサイテー男)
照明 :Bone(イマイチ影薄い)
という感じ。
Thirdが今年の流行か、ベストっぽいものを着ていてそれもキュートさを増してます。
Boneさんいまいち何をしているか判らなかったんですけど、白カポック(スチロールの板。太陽の反射を利用して顔の影を飛ばす機材)を持ってるところからして照明でしょう
座組としては小さい方……という印象です。
学生だからこんなもんかなと思いますが、商業案件だとしたら企業PVやウェブCMの現場かな?という感じですかね。
親近感^^
Khaiのサイテー野郎っぷりとほぼ同時並行して、この映画制作の様子も描かれます。
サイテー野郎は制作もそっちのけで女子を口説くのに夢中。
しかもマイクの電源を切り忘れたので、音声がモニター側に転送されてて仲間内みんなに筒抜け。
という間抜けっぷり。
演者の服に仕込むタイプのマイクを落とし忘れるのはまぁある事なのですが。
Khaiが手にしているのはガンマイク。
この手のマイクの電源を落とし忘れるのは、あまり聞いたことがないですね。
そしてこのガンマイク。
指向性という特性をもっています。専門用語なのでかいつまんで説明すると。
マイクの先っちょに集音する装置があって、その装置が向いている方向の音だけを鮮明に拾う特性があります。
そして指向性をもつマイクは、音を鮮明に収録できる範囲がとても狭い。
どんなに近くても先っちょが向いてない場所で鳴った音は拾いません。
代わりに先っちょの延長線上にある音は、かなり遠くで鳴った音でも鮮明に収録する事が可能です。
幅は狭いが距離を長いという特性があるからこそ、狙った音だけを綺麗な音質で録音できるのです。
このガンマイクの特性を使ったシーンが後半に用意されています。
映画の撮影の途中で録音担当のKhaiがいなくなった。
彼が戻るのを待ってられないThirdは、マイクを持って、ミキサー(マイクの音量を調整する機械)背負って撮影を再開する。
と、マイク越しにどこからかKhaiの声がする。
「どこだろう?」
Thridはマイクの位置をずらしていって、もっとも鮮明に声がする場所を探った。
見上げるとそこには女子をくどくKhaiがいた。
このシーン。
マイクの指向性について知ってる人からすると気が利いてるのですが、一般の方には少し分かりづらいシーンかもしれません。
そしてここ。失意のあまり泣いてしまったThirdが周りに言われるがまま「OK」を出してしまいますが!
説明したように指向性のあるマイクはマイクの向いてないところの音は撮れない。
もしくは撮れても音質が悪いです。
Khaiの位置を特定するためマイクの向きを動かしてるので、マイクは演者の口を狙っていません。
このカットの音は撮れてないか、不明瞭で、編集素材として使えません^^;
これは監督としてはやばいです^^;
企業案件ならクレーム来ます。
いくら失意のどん底に沈んでいても、仕事はきっちりやらないと!
映画監督の道は拓けないぞ。
とまぁ、初回はサイテー野郎にいいように振りまわされて疲れ果てたThird君
というところで終了しました。
どう転がっていくのか現時点ではよく判りませんが、一回サイテー野郎をギャフンと言わせてやってくれよ!
と、個人的には思います。
待て次号!