いい顔をするのは大人とSNSの中だけで、じつは結構なビッ◯だという事が明かされたPapangちゃん。
下降を続ける彼女の評価は、果たして上向くのでしょーか!
『The Comments』第4・5話の感想を
4話も引き続き過去パートメインのお話。
謎のアカウントがつぶやいた書き込みと母親の不倫が原因で、ついにPapangちゃんがネットいじめの標的になる。
その引き金を引く事になったのが、Nan(3話でPapangちゃんが絶交した親友)と共にPapangちゃんの親友だったToonちゃん。
彼女は複数のツイッターアカウントを持っていて、まるで複数人がPapangちゃんを嫌っているかのように偽装して、炎上工作を行っていたのでした。
と、書くとToonちゃんはなんとひどい子なんだろう!
と思われてしまいそうですが、Papangちゃんの「友人というのは、私を引き立てる人たちのこと」と言わんばかりの横柄な態度はこの4話でも健在なので、Toonちゃんの行動を責めるつもりにあまりならない……。
というのが僕の視聴時の印象です。
このドラマ。多分に「SNSやネットの恐怖」を啓蒙するという教育目的をもって制作されたと思うのですが、その割に説教臭さを感じないのは、褒められない行為をしてしまった気持ちの部分をちゃんと描いているからだと思うんですよね。
人前で醜態をさらすことになったPok君が、自分の評価を立て直すために見知らぬ他人を彼女として偽装する。
カリスマ生徒を友人に持って「取り巻き1」くらいに思われている(と本人も思ってる)Nanちゃんが、人の気を引きたくてデートアプリに別人の写真で登録をする
友人(Nan)が雑に扱われている事に眉を潜める生真面目なToonが、成績優秀だからという理由で露骨にえこひいきされているPapangをこらしめたろうと、ネットでディスる
その行為が悪い事だったり、危ない事だったりするのは理屈では判ってる。
にも関わらず、やらずにはいられなかった人たちの感情に焦点を当て、深く掘り下げていくので、いつのまにか彼らの気持ちに寄り添っている。
「やっちゃいますよね」
と、ちょっと同情する気持ちになっている。
そのうえで、行為の結果、「罰」を受ける彼らを見るので、罰の痛みが自分事のように感じられます。
「ネットいじめは相手だけじゃなく自分も傷つけるのでやめましょう!」
という綺麗事を唱えただけでは動かない感情の部分をちゃんと刺激してくれるから、彼らのやってしまった事の後ろめたさもストンと入ってくるんだろな。
と思います。
Toonちゃんが自分を裏切っていたと知ったPapangちゃん。
ちょいと不思議なのは、同じく親友というカテゴリーに入るはずのNanちゃんの裏切りには苛烈な対処をしたPapangちゃんが、Toonちゃんの時は激しくショックを受けて、さらには改心するきっかけになる、という事でしょうか。
Papangちゃんの中では、Toonちゃんと自分は対等で、Nanの事は無意識に下に見てた、とも取れる対応の差で、ここでまたもPapangちゃんの評価が(僕の中では)下がることになりました。
お話はここでPapanちゃんの死の謎からはちょっと離れて、正義感からとはいえ、自作自演で炎上を起こすことで、よからぬ問題に対処するToonちゃんがどうなるか、について追いかけます。
実は初回を見た時に「Toonちゃんがイジメの主犯じゃないのかな?」と思っていました。(まぁそう見えるように誘導してたところもありますし)
で、実際当たらずとも遠からず、という展開になったんですが……。
Papangちゃんの印象が回を重ねるごとに悪くなったのとは逆に、この人は回を重ねる事に好印象になっていて、続く最終話で彼女のチートがバレて、今度はToonちゃんが標的になる展開は見ていて辛い。
ネットに絡め取られて、現実の人間関係を壊してしまったという点が共通するPapanちゃんとToonちゃん。
壊したものが「最も近い人との関係」ではなかった事や両親との関係が良好だった事が幸いだったのか、ToonちゃんはPapangちゃんと同じ運命をたどることなく、自らの行いをちゃんとみんなの前で告白し、謝罪する。
罪を認めて、謝罪できるよう促す人(つまり親族)が、頼れる存在として近くにいたかどうかが、2人の運命を分けたような印象もあって、なんだかんだでPapanちゃんのママや、美貌の兄はこの結末の責任を逃れることはできないよな、と思ったりもしました。
これにて現実の問題は一件落着。
Toonちゃんに何事もなくて本当に良かった、と胸をなでおろす結末になるのでした。
残るは、Papangちゃんの死の真相だけ、という事になるわけですが……。
まぁ一言でいうなら「自責の念に苛まれての自殺」という……。
ミステリーなら「ふざけんなやぁ!」とテーブルがひっくり返る真相なんですが、他の人物同様にPapangちゃんがしてきた事も、3話に渡って深く掘り下げられてるので納得感のある結末ではあります。
ではあるのですが!
個人的には「それに気づいたのなら、死を選ばないで素直に謝罪すればよかったのに」という想いのほうが強く残る結末でした。
実在しないドラマ上の人物とはいえ、死者に鞭打つ感じで心苦しいのですが^^;
「自分のした事に向き合うことなく、逃げてしまった」
ように感じられるし、この程度の傷、これからの人生でいくらでも挽回できただろうし、むしろ若くして「身近な人を粗末に扱わない」事に気がつけたなら、その後の人生豊かな物になっただろうに……。
と、そんな事を感じた結末でした。
以上、The Commentsの感想でした。
ドラマの展開にドキドキしながら、知らずネットやSNSとの関わり方について見直そうと考えている、よく出来た作品でした。
日本語字幕もついているので、ぜひご覧いただきたい。!
読んでくれてありがとう。それではまた別の作品で。