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リアルタイムでブログ書いてる時間もなかったので
SOS、EP5から8までは後半戦という事でまるっとまとめてしまう事にしました。
結論から言うと、素晴らしい傑作ドラマでしたね。
今年見た映画、ドラマひっくるめても、自分的にはベスト5に食い込んでくる作品です。
視聴率的には奮ってない印象なんですが、まぁ扱ったネタも話の展開も最後まで重たいドラマでしたし、人を選び、しかも見る時の体調も選ぶドラマなので致し方ない気もします。
バトミントン教室に通ったふりをして、
Mon達とスケートボードをしている事がばれてしまったBoo。
これからプロモーションビデオの撮影に行くというMonの車に強引に乗り込み、同行する事に。なぜかBellもついてくる。
Monの両親の家にステイするBooとBell。
BooはFernと、BellはMonと、なんとなくいい雰囲気になります。
「彼女になってくれる?」というBoo。
「あなたの事は好きだけど、そういう関係にはなりたくないの」というFernの言葉に、いきなり情緒不安定に。
薬のオーバードーズでフラフラになったBooは、
Monがプロモーションを撮影している、まさにその現場、まさにジャンプするその瞬間に現場に立ち入り、結果Monは足を骨折してしまいます。
日常生活に支障は出ないものの、スケーターとしては中々に厳しい状況に。
自分の人生そのものといっていいスケートを奪われ、茫然自失状態のMon。
泣きながら謝罪するBooに「俺の代わりにジャンプしてきてくれ」と冷たく告げるMon。
自責の念に駆られたBooはMonの言うとおり難易度の高いジャンプに挑戦。
プロスケーターのMonですら成功させられないジャンプを成功させられる筈もなく、Booも骨折してしまいます。
管理不行き届きを責められ、BooのセラピストをクビになるBell。
スケートを奪われ、ひきこもるMon。
全ての原因は自分が生きているからだ、と自身を責め続けるBoo。
Booは、Fern宛にスケートボードを返却してよこす。
Monの様子を伺いにきたBellは、そのことを聞き「Booは自殺する気だ」と気がつきます。Booパパは息子の様子がおかしいことに気がつき、彼を入院させますが
Booは、入院先を抜け出し、自宅のバスルームに鍵をかけ、自殺を図る。
病院からの知らせを受けたBooパパとBellは、Monに助けを求めます。
当初は渋っていたMonでしたが、Booパパの運転するバイクでBooの自宅へ赴き、
Booの自殺を間一髪で食い止める。
と、5話から8話までざっとあらすじを書いてみました。
淡いロマンスもあり少し明るい兆しのみえかけた5話は、後半から救いようのない重たい展開に急降下。
Booが明確に自殺を決意する6話。
その兆候を探り、自殺を食い止めようとするBellとBooパパ、既に覚悟を決めて、妙に落ち着き払ったBooとの静かな心理戦が見ごたえのあるサスペンスドラマになっていた7話を経て、ドラマ的な大団円ではない、リアリティのある結末に着地させた8話まで、訴えたい事がぶれない強いドラマになっていました。
Booは結局最後まで変わる事はありませんでした。
ドラマの最後でBoo自身もモノローグで言っていますが、
うつ病の症状は大きく改善することもなく、生きている意味も判らないまま。
でも彼を取り巻く周囲は変わった。
息子の不調にすら気づいていなかったBooパパは、
病気を理解しようと努め、彼の体調に気を配り、自分とは違う世界に住んでいると考えていたMon達と関わるようになるし、
その外見から想像できない努力と根性と気合といった、言ってみれば体育会系の考え方をしていたMonも、できない人の目線で物を考えられるようになっていく。
病気を抱えた当人が変わるのではなく、
周囲の人が変わる事で、病気を克服する力を得ることができるのでは?
そんな事を投げかけているように思えました。
このラストシーンは撮影の演出もまた素晴らしい。
Booパパが、スマホカメラで撮影したという設定なので
ほとんど手を加えていない、スマホカメラっぽいノッペリ感のある画質の、平凡なショットなわけですが、
画面の色彩構成から、カメラワークから、
ここまでかなりこだわって作り込んできた作品なので、
このシンプルさが美しいというか。
Booが最後のモノローグで訴えかけている事を
ルックでも表現できているなと思います。
ちなみにすごく染みるモノローグだったので
思わず和訳してみました。
生きている意味の方は、見つかるかどうかも判らない
今のところ、それがなんなのかすらわかんない
たぶん、Monが言ったように
人生にたいした意味なんかないのかもしれない
ただ生きているというだけで、すごい事なんだから
ホント、いいドラマでした。
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