GMMを代表する人気BLカポー5組を描いたオムニバス・タイドラマOur Skyy。
今回はそのファーストエピソードにあたるPick&Rome編をご紹介します。
ファーストエピソードとは言いつつも、各エピソードに繋がりは(ほとんど)ありません。
一話完結でしっかり楽しめます。
ちなみに今回のカポーであるPick&Rome。
The Seneior Secret Loveというオムニバスドラマ(ややこしい)の一つ「Puppy Honey」に出てくるサブキャラクターです。
主役の二人を骨の髄まで食いつくし、こうして2人をメインキャラクターに添えた作品ができるまでになりました。
演じているのはOFF君とGUN君。
正直、今となってはキャラクターよりも「OFFGUN」という役者の名前でのカップリング表記がメジャーになってしまっています^^;
さてタイBL初心者向けの前置きはここまで!
Our Skyy第1話の感想を
この作品は日本で配信されています。
配信状況はこちらのページからご確認ください。
(おそらくは)バンコクの寺院の一角でRome(GUN)はPick先輩(OFF)を待っていた。
その日はロイクラトンのお祭りで、仕事のあとに2人で灯籠をながす約束をとりつけたのに、先輩はいつになっても現れない。
カップルが仲良くをあげるのを横目に見つつ、一人寂しく先輩を待つRome。
ここ!
冒頭から色々と突っこみどころが個人的に満載です。
まずはロイクラトンについて。
タイで11月の前半に開催されるお祭りです。
お祭りの一貫としてランタンを一斉に夜空にあげる幻想的な儀式があり、それがデイズニー映画「ラプンツエル」の有名なシーンになったと言われています。
ですので「見たことがあるわ!」という方も多いと思いますが、あのランタンはクラトンでは……。
ありません。
あれはコムローイと言います。
すごく余談なのですが^^;
るかっち、コムローイをあげにチェンマイまで行ったことがあります。
今回のOurSkyyでも流れていたように。
タイ民謡がかかる中、オレンジの光を放つランタンが一斉に浮かび上がって、見る間に夜空を埋め尽くす様は、それはそれは非日常的な光景でとてつもない感動が胸に押し寄せてくるわけですが。
とても幻想的ではあったのですが。
実は色々とハードな儀式でもありました。
ランタンを空高くあげるには暖気を蓄えなくてはいけないのですが、それには結構時間がかかる。
待ちきれなくて手を離すと、人の背丈くらいの高さを横に平行移動してしまったりするわけです。
そんなあがりそこねたランタンが、横から、背後から、音もなく忍び寄ってくる^^
流れランタンをワーワー言いながら避けつつ、自分のランタンに火をつけるのですが、表面の紙がまたこれが燃えやすく、ちょっとでも火がつくと一瞬で燃え広がってしまいます。
燃え広がったランタンはどうするか!
地面に落として、足で踏んで消すのです^^;
あまりに鎮火しないと係の人がバケツ持って走ってきますけど、基本自己責任で燃やしたランタンは自分で消します^^
そんなわけで写真で見ると幻想的なあの夜空のすぐ下では、ワーワーキャーキャー大騒ぎしながらランタンをあげてる人たちがいるんですよ。
という……。長すぎる余談でした。
ちなみにお祭りの名称にもなってるロイクラトンの「クラトン」は灯籠の事です。
花飾りのついた素朴な灯籠を川に流すのがロイクラトンのお祭りのメインイベントです。
さて。この冒頭シーン。
どっかの寺院を背景にコムローイを上げる2人のカップルが現れて、それを見ているドラマの主人公Romeのせつなそうなクローズアップまで1カットで撮影をしています。
ドラマ作りのセオリーとして「天・地・人」をまず視聴者に伝えるべし。
というのがあるのですが、このドラマはそれを冒頭数秒で、流れるように説明してみせた、とても効果的な導入部になっています。
カメラがRomeに近づいていく事で、ただの状況説明ショットから、彼の感情(彼氏こねー、なにしてんだろーさみしーいらいら)を表現するショットへと自然に変わっていくので、主役が誰かを強調することにもなっている。
ドラマの冒頭としては、とても素晴らしい導入部だと思います。
さて。渋滞で遅れたと言い訳をしてやってきたのがOFFさん演じるPick先輩。
「さぁ灯籠を流そうぜ」
「もう売り切れました」
「そか。じゃ代わりにランタンをあげようぜ」
とランタンウリの少年を呼びつけ、ランタンを買うPick先輩。
ランタンの端を持って待機する2人。
これ。
別に不機嫌だからランタンをあげなかったわけではありません。
前述したとおり、こうやって暖気を蓄えているのです。
結構時間がかかりまして、体感で3分から4分くらいはかかった気がします。
この待ち時間が2人のイライラをもヒートアップさせました。
「怒ってるのか」
無言で首を横にふるRome。
「なんか言えよ。黙ってないでさ」
「大遅刻でしたね。返事もよこさなかったし。クラトンも買えませんでしたね」
「じゃなんでオレが来る前に買っておかなかったんだよ」
「返事をくれないからでしょう!こんなに遅くなるなんて思わなかったんです。一緒にクラトンを選ぼって思っていたんです!」
「仕事だったんだよ!」
「なんでそんなに仕事に命かけてんですか?借金でもあるんですか?」
「今はここにいるじゃねーかよ。ワガママばっか。うんざりだよ」
「は?ボクがワガママ」
「だから怒ってんだろ?」
「先輩が計画をだいなしにしたからです」
「灯籠流しができないと、お前は殺されんのか!」
口ゲンカがヒートアップし、バランスを崩したのか。
灯籠の火が前述したように燃えやすい紙に着火して、哀れ二人のコムローイは羽ばたく事なく燃えつきた。
この一連の口ゲンカ。
ねちっこさ満載の返し方が女子力高いRomeっぽいな〜と思いました^^
物語はこのあと一回時間をさかのぼり、この日の朝に戻ります。
シレッと描写されていますけど、2人は現在同棲中というなかなか衝撃的な展開。
しかもおっきなベッドを2人でシェア。
その様子に違和感を感じないのは、OFFGUNとして常日頃いちゃついてる姿を見ているからでしょう^^
出勤の支度をする2人。
Romeがシリアルに手をのばすものの届かない。
代わりにPickがとってやる。
「取りやすい場所におけばいいのに」
「ここでいいです。だって、誰かさんがボクのために取ってくれるんで」
このあたりの甘々なシーンで流れる爽やかな曲はこちら!。
どん!
劇中ではインストとして使われていて歌は流れないのですが、Atomさんという方の「Stay Here(Google翻訳)」という曲です。
結構人気のある方ですが、普段はもう少し大人っぽいセクシーな曲を歌うんですよね。
MVは男女ものですが、とてもカワイイのでお時間のある方は見てください。
身支度を済ませ、クラトンを流す約束を取り付け、それぞれの仕事に向かう2人。
Pick先輩は獣医として、Romeはまだ大学生だと思うのですが喫茶店の店員として、それぞれ仕事を持っている。
本編放映時は粗野でがさつで口が悪いという印象のPick先輩も社会人として色々揉まれてきたのでしょうか?
今作ではずいぶんと大人しくなった印象。
意外なことに?勤務態度も勤勉でついうっかり仕事にのめり込み、気づくと夜の22時になっていた。
から冒頭の「やっべー遅刻ー遅刻ー!」のシーンへと繋がります。
Pickにコムローイを売りつけた少年が、何らかの精霊とか神様とかどうやらそんな感じらしいのですが、セリフによる説明はなかったように思います。
ま、とにかく翌日起きたら「入れ替わってる〜!」という状況に。
Pickに入れかわったRomeはふつうに鏡を見て気づくのです、が。
Romeに入れ替わったPick先輩は小用をたそうとズボンをおろして、入れ替わってる事実に気づきます^^;
まぁね。
見れば分かるよね。
なんか違うなってきっと思うよね。
こうして入れ替わってしまった2人。
元に戻る方法を探りつつ、RomeはPick先輩として、PickはRomeとして各々の生活をすることに。
ま、これ以降はさほど特筆することもなく^^;
OFFGUNが微妙に居心地悪そうに、互いの役を演じるのをニマニマしながら見て愉しめばいんじゃないかな。と思います。
なんだかんだで甘ったるい2人の新婚生活を愛でるお話ではないのかな。
と思いました。
というわけで。待て次号。