初回、二回目と引きの強い展開が続いたこの作品。今回はいまだ絶対安静状態のBlackさんの事情に少しだけ距離を取って、ここまで触りだけだった感のあるWhiteさんご自身の葛藤に焦点を当てる回となりました。
Not Me。第三話の感想を
2重生活を続けながらのWhite君の外交官試験の顛末が一応この回の主旋律。
Blackの世界を垣間見た事によって、これまで当然のように受け入れてきた生活への違和感を感じるWhite君。
面接の試験官が父と酒席で一緒だった人だと気づいた彼は「コネ」採用の匂いを強く感じる。
自分のん倍も努力を重ねる人や、そもそも才能やら努力やらを披露して活躍する場を見出すことが難しい人がこの社会にはごまんといる事に気がついてしまったWhite君。
見ないふりして権力の末端にチョコンと座って、そのままエスカレーターをあがっていくには(現時点では)彼はピュアすぎた。
若者にありがちな「反骨心」とおっさんたちが呼ぶ物に突き動かされてか。White君は面接官が喜ばないのは百も承知で、自分が信じる正しい答えを突きつける。
これでさすがに試験は落ちた。おっさんどもめ、思い知ったか。と思いきや!
コネパワーの恐ろしさはこんなもんではビクともせずに、なんと合格してしまう。こうしてますます「この世の中のアンフェアさ」を痛感する事になったWhite君は、実家を飛び出し、Seanの兄であるグンパー(Gumpa)の元に身を寄せた。
あてがわれたのは弟が寝泊まりする工場内の一室で、まさかこんな予想外のストーリー展開をたどりつつ、BL的にはお約束となる「同棲生活」が始まる事になりました。
いやぁすごい。
やたら体が密着しそうな瞬間を強調する以外、BLっぽさは欠片もなかったのに!
世の不条理に憤る正義感の強い少年の勢いあまっての行動という、これまでの展開の延長線上にちゃんとあるのに!
セオリーどおりのBL展開に無理なく持ち込んでしまう鮮やかさ。
同棲開始するやいなや少し作品のテイストも軽くなり、BLっぽいやりとりも増えてきました。
こっからしばらく、この2人は明るい展開になるんでしょうか。
White/Blackのお話が第二幕へと旅立つ一方、Yok君は放火事件の最中に助けた一目惚れの君、UNARを探す。
バンクシーからインスパイアされたと思われる神出鬼没の社会風刺アーティストUNARさん。
その次なる作品が発見されて、現場へと急行するYok刑事。
犯人は犯行現場に舞い戻るという言葉もありますが、UNARさんの場合はそもそも犯行現場の目と鼻の先で待機していて作品がどう社会をかき乱すかを見学するタイプの人だったので(しかも首には塗料を吸い込まないようゴツいマスクをさげたまま、僕が書いたアーティストですと言わんばかりの格好で)その場で容疑者UNARを発見。逃げるUNARと追うYok。Yok刑事は手にしたメットが重いのか、全力疾走感を感じられない懸命の走りでUNARを追いかける。
畜生!見失った!LINE交換はお預けかぁ
と落胆してると後ろから銃を突きつけられて(UNARさんは一般人があまり日常手にしてなさそうな物を持っていすぎ)。
「俺を探さないでくれ」
と釘を刺される。
という展開。一目惚れした彼を追いかけてるだけなのに、思わず寄り目になっちゃう位の至近距離で銃を突きつけられるという、やはり中々類例を見ない作品だなぁと思います。
しばらく王道路線を行きそうな感じのWhite&Seanさんより、当面はYok&UNARがどう近づいていくのが気になりますね。
待て次号!