久しぶりにご紹介する韓国ドラマがこちら「キングダム」
動画配信サービスとしてHuluと並び有名なNetflix。
同社は質の高いオリジナル作品を(巨額の資金を投入して)量産しており、この「キングダム」もそんなNetflixの期待の新作ドラマです。
余談にはなりますが。
Netflixはオリジナルドラマの制作にも力を入れる一方、各国のテレビ局のドラマも多数買い付け、配信しています。
ボクがよく見るGMM系列のタイドラマなんかもポツポツと配信され始めています。
近い将来、タイに限らずアジアのドラマが、あたりまえのように日本語字幕付きで配信されるようになる日が来るかもしれませんね。
さて余談は終了。
期待値が高すぎて、公開前にシーズン2の発注が決まった
韓国ドラマ「キングダム」そのあらすじを
王が死んだ。
そんな噂が漢陽の街(現ソウル)を流れている。
政府転覆をほのめかす書面が流布されて、その当事者と目された儒林(儒学者)の者は長年王を裏であやつり実権を握るチョ大監から迫害を受ける。
そんな儒林の者が心密かに「次の王に」と期待をかけていたのがイ・チャン。
側室の子として生まれながら王の後継者、すなわち世子様だった。
「死んだ」と噂される王への謁見を望む彼だったが、大監や彼の娘で王の妃にけんもほろろに断られる。
真相を確かめるため、王の病状を記した書物を盗み出そうとした世子様は、王の寝所(なんとか宮みたいな難しい名前がついてましたが、覚えられない)に侵入。
そこで化物の影を目撃した。
あの化物は何なのか?
王は一体どんな病におかされたのか?
盗んだ書物から、王を診察した田舎医者の存在を突き止めた世子様。
友人?であり忠臣でもあるムヨンを連れて、医者が住む東菜(トマ)の街へと旅に出る。
一方のチョ大監は、謀反の疑いを世子様に着せ、息子に彼の追討に向かわせた。
彼らが向かう東菜の街から程近い場所にある診療所には、飢えに苦しむ近隣の人々が溢れていた。
そこに漢陽から医者が戻ってくる。
診療所の面々が喜んだのもつかのま、医者が同行させた若い弟子が死んだ事を知らされる。
漢陽でなにがあったのか?
医者はそれを語らずに、自分の書斎に引きこもった。
その夜。
負傷兵が持ってきた肉を食べた病人達が苦しんだ末、死亡した。
所用で診療所を離れていたため被害にあわずにすんだ医女ソビ(看護婦みたいなもの)は、おぞましい事実に気づき、負傷兵を激しくなじる。
その間に。
死んだはずの病人達が起き上がり、生きている人間を襲いはじめた。
と、まぁ「舞台のセッティングがこれにて一応整いました」という、1話目のラストあたりまでのあらすじを紹介しました。
韓国ドラマ「キングダム」の感想を
なによりもまず脚本が素晴らしい。
勧善懲悪の時代物とゾンビウィルスのパンデミック。
どちらも単体としては王道のネタなのですが、二つをミックスさせたのがこのドラマの新規性。
謀反に失敗した世継ぎの王子とそれを討伐せんと追う逆賊。
彼らが向かった先は今まさにゾンビのパンデミックが発生したばかり。
主人公である世子様は、ドラマの開始早々に自分を付け狙う逆賊とゾンビ。
2つの脅威に同時に対処せざるを得なくなり、見てるこちらは一息つく間もない怒涛の展開が全六話にわたって続きます。
このゾンビパンデミックが、主人公世子様の人間的成長をうながす障害になっているのも脚本の上手さを感じる部分。
物語に登場した時の世子様は、善悪はっきりしない微妙な立ち位置のキャラなんですよね。
悪い人ではないのだけれど自らの保身のために謀反を企て、そのために儒林の大弾圧を引き起こしてしまう。
宮廷住まいのお坊ちゃまなので、物言いや振る舞いがどことなく常に上から目線。
ハッキリいうと冒頭数話の世子様は、それほど視聴者が応援したいと思うキャラクターではないのです。
そんな彼が、ゾンビパンデミックに襲われる街に辿り着き、名もない民に混じってゾンビの襲撃に立ち向かう。
民と行動を共にするなか、世子は戦乱と飢饉で疲弊しきっている彼らの生活を身をもって体験し、それが彼を成長させる。
シーズン1の後半には、民の、そして視聴者の心をつかむ真のリーダーになっていくのです。
もちろん世子様以外にも魅力的なキャラクターが複数登場します。
友人であり、忠臣というロード・オブ・ザ・リングのサムを思わせるムヨン。
自らの行動が原因となりパンデミックの引き金を引いてしまった負傷兵のヨンシン(偽名)。
赴任早々、自分の管理区域がパンデミックで大騒ぎ。右往左往するだけなのになぜかにくめないチョ・ボムパル。
などなど。
「善」と思われる側に立体感のあるキャラが多いもの、なかなか面白い部分です。
この素晴らしい脚本を書いたのは、以前このブログでも紹介した「シグナル」の脚本家、キム・ウニさん。
シグナルも一気見上等!
先の展開が気になる力強い脚本でしたが、今回も回を追うごとに大事になっていくパンデミックの描写に息を飲みます。
この優れた脚本を支えているのが巨額な制作資金に裏打ちされた映像のすごさ。
宮廷を舞台にドロドロとした心理戦も描かれる本作。
韓国版「ゲーム・オブ・スローンズ」と言う論評もありましたが、ボクは同じファンタジーでも「ロード・オブ・ザ・リング」の影響を強く感じました。
雄大な自然の中、走り去る2騎の馬。
みたいなスケール感のあるビジュアルがあちこちに登場します。
ゾンビに襲撃されている最中なのでアクションシークエンスが満載なのも、3部作に渡って、派手なバトルシーンが用意されていたロード・オブ・ザ・リングを彷彿とさせます。
ま、つまりボクの大好物のジャンルだってことです^^
というわけで「キングダム」
ボクはシーズン1はもうコンプリートしてしまいました^^;
世子様も、医女ソビも
ピンチです!という場面で終了。という生殺し状態。
シーズン2が待ち遠しい作品です。
というわけで。待て次号!
このブログの中盤で触れたシグナルについてはこちらで紹介しています。
ゾンビつながりということで、こちらのドラマもおすすめです