一年前、Netflixで公開され反響を呼んだ韓国ドラマ「キングダム」
ゾンビに韓国時代物という組み合わせの妙もあり、公開前から決定していたシーズン2。ついに公開されました。
全6話。
ほとんどのエピソードが50分以内とドラマとしては割と短めな上に、びっくりする程のスピード展開。
濃厚な密度でお届けする
韓国ドラマ「キングダム」シーズン2のあらすじを
シーズン1については↓↓↓
※シーズン1の内容のネタバレを含みます。
病に伏せる父の寝所に現れた化け物。
その謎を突き止めるため首都漢陽を脱出した世子イ・チャン。
首都の実権を握るチョ一族によって、逆賊として追われる身になった彼は、訪れた東莱という街でゾンビ・パンデミックに遭遇。
忠臣であり友人のムヨン、医女のゾヒ、謎めいた弓の名手ヨンシン、コネで府差(地方自治体の首長みたいなものでしょう)になったチョ一族の劣等生ボムパルらと協力しながら、パンデミック抑止のために奮闘する(も被害は拡大の一途をたどる)。
チョ一族の大ボス、チョ大監はイ・チャンを滅ぼしチョ一族の権勢を確かなものにするために軍を引き連れ尚州へ。
イ・チャンこと世子様御一行はゾンビの大群に襲われながらも、世子様の師匠アンヒョン大監と合流する。
とこの辺りまでがシーズン1の内容です。
迫りくるゾンビの大軍を死闘の末になんとか食い止めた世子様は、数少ない仲間を連れて、チョ大監の陣中に潜入。
ゲリラ戦で大監を仕留めようとする。
奸計に置いて一枚も二枚も上手なチョ大監は、当然この動きを見抜いていて、彼らを罠にかけ一網打尽にしてしまう。
ゾンビを生み出す原因となる生死草の謎を突き止めるため、別行動を取った医女のゾヒとチョ一族のお荷物ボムパル府差。
ゾンビは昼間は行動しない。
そう思って油断していた彼らだが、白昼堂々ゾンビの群れに取り囲まれる。
ゾンビが苦手としていたのは日差しではなく、温度の高さ。
真冬のこの時期。昼夜を問わずゾンビが活動する事に気づいた2人も、チョ大監がいる尚州へ向かう。
一方その頃首都漢陽では。
王の子供を身ごもって、出産を控えるチョ一族の娘が乳母となにやら怪しい計略を進めている。
実は王妃は子を流産していたのだ。
このままでは王の座はイ・チャンに渡ってしまい、栄華を極めたチョ一族は一蹴される事になる。
王妃は乳母に命じて、出産の近い妊婦を集め、その子供(男児)を取り上げ自身の子にしようと目論んでいた。
「血」に強いこだわりを持つ大ボスであり父であるチョ大監も知らないこの計略に、漢陽の治安を守るミンが気づき、内密で捜査を開始する。
と、冒頭2話くらいの内容をざっくりと解説いたしました。
これで冒頭2話分なので、密度の濃さがうかがえようというものです。
お話は「イ・チャンによるチョ一族討伐と王座奪還」「ゾンビと生死草の謎」「王妃の計略」という3つのストーリーで構成されています。
この3つのお話絡みあい、混じり合いしながら猛スピードで進んでいきます。
シーズン1は個人的にはアクション要素が強い作品だと感じましたが、このシーズン2はアクションやゾンビの要素は少し後退。
宮廷の権力争いが前面にでた内容になっています。
欲にまみれた人間ほど恐ろしい物はこの世にないという感じで。
人間のどろどろとした部分が、時に背筋も凍る恐怖とともに、時に愛ゆえに抗えない人の哀しい性として描かれます。
ゆえにこのシーズン2では主要人物が敵も味方もそれなりに死にます。
実にあっさり、前触れもなく、重要な人物がこの世を去っていくのは、いかにも海外ドラマ。
という感じです。
主要登場人物はほとんどがシーズン1からの続投なので、今回も演技の安定感は変わらない。
のですが、ただ一人。本作で俄然輝きを増した役者がいます。
それが王妃に扮するキム・ヘジュンさん。
シーズン1にも出演していましたが、正直父であるチョ大監の存在感が大きすぎて、非常に影が薄かった。
演技も総じて単調で、役と同様「お飾り」のような印象でした。
ところがこのシーズン2では「一体なにがあったんだ?」と思うくらい怪演で、若き悪女をゾクゾクするほどの凄みをもって演じています。
シーズン2でも父娘で語らうシーンがあるのですが、今回は迫力という点で父に一歩も引けを取らない見事な存在感でした。
何度も書いているように、Netflixのドラマらしくスピード感とひねりのある展開は「先が気になる」物では勿論あります。
が、一方ですこし軽い印象を感じたのも事実です。
あと既視感も。
現時点ではシーズン3は正式には決まっていないようですが、お話はすでにシーズン3に向けて動き出している感じ。
ここまでとはガラッと雰囲気を変えてくる予感と、超大物女優の参戦(日本でもかなり知られた女優さんです)も匂わせる、引きの強い締めくくりとなりました。
以上ここまで。
シーズン3が無事公開されたら、また会いましょう。