順調に3年生(Junior)になりました。
2話で「Oh-aewが転部して芝居を辞めて、しかもその生活に適応している」
という展開になった時点で予想したのは以下の2つ。
- 将来についてより堅実な選択をしたOh-aewが、いまだに役者を目指してるTehに魅力を感じられなくなり、より価値観の近い人に惹かれるようになる
- Tehが夢を共有できる別の誰か(舞台関係)に惹かれるようになる
同時進行するのかなと思ったら2のみで来ましたね。
タイBL「I promised you the moon」第三話の感想を
第二話↓↓↓
卒業を控えるJai先輩、その集大成となる舞台の(おそらく)主役に抜擢されたTeh。
稽古の一貫として日記(というか分析ノートというか)をつける事になる。
先輩以外に誰も読まないその日記に、Tehは芝居を辞めて自分の道を歩みだした彼氏・Oh-aewへの気持ちが変わってきている事を書きつづる。
と、親に買ってもらった車に乗って、Oh-aewさんが真っ赤な髪で現れる。
ジャンパーにアロハシャツにハイビスカス 。
シーズン1の主要な場面では必ず「赤」を身にまとっていたOh-aewさん。
今作では、ここで初めて100%の「赤」を身にまとうことになりました。
都会での生活への違和感を感じた一年目、進路に揺れた2年目を経て、ようやく自分のアイデンティティを取り戻した、という事なんじゃないでしょうか。
ちなみに確認がてら見返したら、第一話のラスト(プレゼント渡しにいく場面)ではTehの色として設定される事が多いターコイズブルーのトレーナーを着ています。
友達のいないバンコクという街で、心理的にTehにだいぶもたれかかってることが色でも表現されていたんでしょうか。だとしたら本当に芸が細かい。
高い車に、赤い髪。
別に悪いことじゃないけれど、自分の知ってたOh-aewとは別人に感じられて、Tehさんは彼への愛情が変化してる事を意識する。
それはOh-aewさんの方もおんなじで「芝居を辞めたら、話すことがなにもない」と感じているし「このまま自然消滅しちゃうのかも」と口にだす始末。
まぁ、しれっと言えるということはOh-aewさんの方はそこまで深刻ではなかったという事かもしれませんけれど……。
ここで刺客の登場か、と思われたもののあっさり撃墜(これは予想外^^;)。
しかしこの刺客がきっかけで、友人2人が交際をスタートさせた事が発覚する。
これが倦怠期真っ最中のOh-aewさんの心に爽やかな風を吹き込んだから、多忙な身にも関わらず、舞台のフライヤー制作を引き受けた。
「空気」みたいになりかかってる彼氏との関係に、ちょっと色をつけたくて。
このOh-aewさんのいじましさに共感する人は、続くTehの行動は「許しがたい裏切り」に思えて怒り心頭なんかもしれませんね。
実際、荷物運ばせるために彼氏呼びつけてるので、ひどい男ではありますけれど……。
ひょんな事から、演出のJaiと一緒に舞台を見ることになったTeh。
一緒に舞台を楽しめて、芝居や夢の話で盛り上がれるJaiとの時間が「楽しい」ことに気づいてしまう。
2話の感想にも書いたように、Tehが欲しいのは「恋人というより夢を一緒に叶える同志」だと思っているので、過去に同性と付き合っていた経験があり、舞台ヘの情熱を共有できて、なんなら一緒に舞台を作り上げているJaiに魅力を感じるようになるのは当然の展開。
Oh-aewへの気持ちは変わってしまったかもしれないけれど、彼が恋人として欲している人物像は変化していない。
だからその像にピッタリはまる人物が現れたら、気持ちが揺らがないわけがない。
一度は同じ夢を共有していた彼氏が、一緒に舞台に行っても途中で寝てしまうようになってしまったんなら、なおのこと。
色々変わっちゃったけど、Oh-aewはそれでもTehの事を想っているし、ちょっとハリのなくなった関係をどうにかしようと頑張ってるのに、ひどい仕打ちだ。
という想いもなくはないですが……。
TehはOh-aewと一緒に役者になるという夢を叶えたかったから。
そのために、第一志望の大学すら彼に譲ってあげてるし(プロとして活躍してるTop先輩が不合格だった聞いて、もんやりする描写もありましたね)。
なのにOh-aewはそれをあっさり捨てて転部してるから。
僕には実際のところ、Oh−aewのほうが先にTehの気持ちを踏みにじってるように思えます。
「恋人」に求める要素として「夢の並走者たる事」というのはあまり一般的ではないかもしれませんけれど、Tehはそれを求めていた。
そこから降りてしまった相手に変わらぬ愛情を持ち続けるのは、やはりムリだったんじゃないのかな。
感情を開放する事を求められる稽古場で発生したことだから言い訳しようと思えばできるけど、Tehがパートナーに求める物が変わらない限りは何度でも起こりうる。
だからこっから先はTehが「夢を追いかける同志だったから、Oh-aewに惹かれたのではなかったんだ」と気づいていく展開になっていくのでは?と思っていて。
それは「浮気するなんてひどい!」と怒り狂っている人が、自分の涙で溺死するくらい感動的な場面になるんじゃないか……。Theory of loveのように。
と思っています。思いたい。
でもだ。
このブログを長く読んでいる方ならばご存知のように、この手の前向きな予想をするとたいがいはずれるので^^;
バッドエンドだったらごめんなさい。
その時は一緒に「ざけんなやぁ」ってちゃぶ台をひっくり返しましょう。
さて、せっかくタイトルにしたわけだから、わずか一夜にしてTehを虜にした魔性の男Jaiさんについても語っておこう。
演じるOabnitiさんがアクの強いお顔立ちだし、Blackoutという作品のP'Billyが信じられない下衆男だったので^^;
ひたむきな演出家志望の青年なのに、どことなく不穏な印象を醸されます。
本心が見えにくいので「Tehの演技を引き上げるため」の今回の作戦も、どこまでが作戦なのか見えづらい。
口で言っているように「初めてを超える体験を作りだす」よう、けしかけた部分がそうなのか。
自分への気持ちを掻き立てて「恋の始まり」を感じさせる部分だったのか。
Tehの気持ちに感づいて戸惑う素振りは演技なのか。
それは目的を達した後の冷徹な態度の方なのか。
気持ちを完璧にコントロールできる人だと思うので、自分の中にある「Tehに惹かれてる」本音をあえて表に出すことで、Tehの気分も盛り上げたんだと思いますが、とにかく中の人、Oabnitiさんの演技が素晴らしくまるで本音が見えてこない。
結果ものすごく緊張感のある回になりました。
悪人ではありません(現時点では)けど、自分の中の優先順位がはっきりしてる。
仮にTehに本心で惹かれていたとして、夢の邪魔になるなら捨てられる。
でも、すべてが「いい舞台を作る」という目的のため(現時点では)なので個人的には好感すら覚える魅力あるキャラクターでした。
ちらほらとOh-aewに興味をもってる描写があるんですけど。
このまま好印象でいてほしいので「すべてがOh-aewからTehを引き離すため」みたいな展開は勘弁してほしいところです。
ワークショップの雰囲気にのまれてキスをしてしまうJaiとTeh。
それをOh-aewが目撃してしまって、さぁ大変!
というところで3話は終了。
ここまでのところは一話につき一年分の進行でしたが、さすがに4話はこの続きからじゃないでしょうか?
待て次号!
I promised you the moonは(執筆当時)動画配信サービスVimeoのオンデマンドコンテンツとしてインターファンには有償で提供されています。
字幕は英語と中国語。
600円程度なので全5話視聴して3000円程度です。