撮影技術とロケーションの美しさ。
キャストの生き生きとしたパフォーマンスに凝った演出と、テクニカルエレメント的には2020年ぶっちぎりでトップを走った
I told Sunset about you最終話の感想を
第四話は↓↓↓
自分の気持ちを認められなくて、Tehは友達としてもOh-aewを失った。
あげく『入学資格を譲る』という、同年代の友人にしてあげるには、あまりに過剰な譲歩のせいで進路すら振り出しに戻ってしまう。
今さらテスト勉強しようにも、参考書のほとんどはOh-aewに譲ってしまったし、残った物もOh-aewに勉強を教えるために歯抜け状態。
自分の浅はかさに号泣しても、時間を巻き戻すことはできないのです。
それでも成績優秀でならしていたTehだから、平常心で試験に臨めれば第一志望に合格するのは夢じゃなかった。はずなのに……。
因果応報、自業自得、身から出た錆とでも言うべきか。
彼の心を揺るがす大事件が発生する。
その大事件は幼馴染も通う学習塾で白昼堂々なんの前触れもなく勃発した。
彼らが受講するコースが最終日を向かえ「互いへのエールを送って締めくくりましょう」と塾の講師が提案。
1人1人相手を指名してエールを送る。
やがて出番の回ってきたOhは、TehではなくてBasを選ぶ。
エールをもらったBasは「同じ人を指名してもいいですか?」と許可をもらって、Ohの事を逆指名。
そして、ここで白昼堂々「君のことが好きなんだ」と告白をする。
この人がいつ動くのか、ずっと固唾を飲んで見守っていましたが、ようやく重い腰をあげましたね^^
「どうして俺が毎日君を送り迎えしてたのか。君が気づいてるのかどうか分かんないから。ちゃんと伝えておきたいんだ。君が好きだ」
は〜い。Ohの後ろの女子〜。よろこばな〜い
のぼせそうだからって手であおがな〜い
^^
「(前略)そうするうちに、どんどん君への気持ちが強くなって……。俺、もしかしてOhに惚れてるのかな。でもそんな事ありえるのかなって、よくわかんなくて。でも君が悲しむ姿を見て判ったんだ。自分で思ってたよりずっと、俺は君に夢中だったんだって。恥ずかしくて、ずっと自分の気持ちを言えなかった。でも俺は、君への想いを恥ずかしいって感じたことはないよ。ねぇ、僕に心をひらいてくれないかな?(もちろん大幅に意訳)」
目の前でいいようにやられっぱなしだったBasさんが、ついに想いを打ち明けるこのシーン。
そのひたむきで控えめな語り口に、僕はおもわず感動の涙で前が見えなくなりましたが、Tehさんは大事な人が別の人にかっさらわれる瞬間を見る羽目になり後悔の涙できっと前が見えなくなったことでしょう。
これだけでも試験への集中を妨げるには充分なのに、バッタリ試験当日にOhと出会ってしまった彼はよせばいいのに「Basとはどうなった?」と聞いてしまう。
中国語が得意なはずのTehさんは「君子危うきに近寄らず」という言葉を知らなかったのでしょうか?
「少し前から付き合ってる」
と、まさに最悪を引き当てたTehさんは試験どころの騒ぎじゃない。
試験会場で号泣し(はた迷惑)涙が止まらないので途中退席(タイの入試はこんな事できるんですね。TOEICではできませんよ?)。
再び会場に戻ったものの結局最後は時間がたらず力を存分に発揮できずに終わる。
TehにBasとのことを聞かれたOhは「彼のこともっとよく知ろうと頑張ってるんだ」と言ったあと、少し泣きそうに顔を歪めます。
そもそも「彼のことをもっと知りたい」ではないあたりに、Ohにとっても「Basは心の一番じゃない」ことが伺えます。
目の前にいる相手に気持ちがあるのに、いろんなものが邪魔をして、一緒になれない2人が本当に可哀想。
と感じる人はこのシーンでTehと一緒に号泣できるのかもしれません。
僕は「そんなにもTehのことが好きで、会うたびにそんな物欲しそうな目をするんなら、はじめからBasの想いを受け止めないであげてほしかったな。自分が一番じゃないことを知りながら側にいるのは不安だろうにな」と思いました。
好きな人は他人に取られ試験もボロボロ。
意気消沈のTehくんをお兄ちゃんが慰め、彼の葛藤がついに言語化されるのが続くシーン。
薄々感じてる方も多いと思いますが。
Tehへシンクロしきれていない僕が聞いても
^^;
このシーンのTehの悩みは共感できる。
というか……!
お兄ちゃん!
そのアドバイスもっと早く言ってよぉぉ!
これを「背中が痒いの」直後に言ってくれればTehも、Ohも、Basも傷つかずにすんだのに^^;
で。
このシーンで一番印象的だったのも兄ちゃん絡み。
お兄ちゃんは「俺はお前に男の恋人ができてもOKだ」とは言うけれど、お母さんはOKかどうかは
「理解してくれたんならお前はラッキーだし、理解してくれなくても驚くようなことじゃない。時間をあげるんだ」
と言葉を濁したところですね。
タイBLのご両親は同性同士の関係を、断固としてNOか物わかりよく受け止めるかの両極端に振れがちですが、実際はその中間くらいというか「すぐには受け止めきれません」という対応になるんじゃないかな、と思うので。
励ますつもりで「お母さんも受け止めてくれるさ」なんて気楽に言わなかったところにお兄さんの誠実さを感じます。
お兄ちゃんに「Ohへ好きだって言ってこい。俺が思うに、あっちもお前のことが好きだ」と言われて「もう好きなやつがいるんだよ。手遅れなんだ」と号泣するシーンは、久しぶりに「コイツかわいいやつだな」と思えました。
試験の結果が発表されてイマイチだったのはTeh。
合格が決まっていた一次志望は落ちてしまう。
いや自分の気持ちをごまかし続けた代償はおおきかったですね^^;
Tehが第一志望に落ちてしまった事に心を痛め、隣にいる彼氏への扱いがぞんざいになるOh-aew。
相手の気持ちを優先させちゃうBasさんは、OhをTehの家の前でおろして「彼に会いに行ってこい」と言う。
演出的には「恋の終わり」としか取れないこのシーン。
ここではっきり別れ話が出たわけじゃないので少し希望を繋いでいたのですが、ラスト数分の段階で「友達に戻った」とOhの口から語られました。
なんなら、このままBasとつきあって終わりになっても(つまりTeh的にはサッドエンドでも)僕的にはマイペンライなくらいBas推しだったので非常に残念です。
主役ではないので、彼が1人で浜辺だったりお家だったりで悲しんだりするシーンはありませんでしたが、何度1人寂しく枕や足元の砂を濡らしたんだろう。
と考えるだけで泣けてきますね。
シーズン2ではとにかくBasに素敵な彼氏を作ってあげて欲しいと切に思います。
OhがBasとの関係を終わらせたように、TehもうやむやだったTarnちゃんとの関係を終わらせる。
これもだいぶ切なくて、せっかく「もう手遅れなんだよう」と泣きついて少しプラスに戻した彼の好感度は再びマイナスに^^;
互いに「シングルになった」知ったTehとOh。
「僕とお前は?」
と尋ねるとTehはまだ答えない。
この後のOhの「mmm」みたいな泣き声が可愛らしいすね。
「ライバルになろうが、友達になろうが、俺の事を好きになろうが嫌いになろうが構わないよ。お前の好きにすればいい。でも一つだけ。お願いだから、もうあんな風にいなくなったりしないでよ」
「俺からもお願いがあるんだ。俺を彼氏にしてくれないかな?」
最後の最後になるまで片割れがYESと言わないのは『My dear loser』のInを彷彿とさせますね。
若干予定調和の匂いがしないでもない(まぁ元からBllkinとPPの企画なので)^^;
締めくくりですが美しくまとまってるかなという印象です。
ただこのドラマ。
最終話終了と同じタイミングで3月公開のシーズン2について告知ができるということは、そもそもシーズン2前提でスタートしてるんじゃないかと思うんですよね。
とすればシーズン1でTehとOhの2人をご成約させなくても良かったんじゃないのかな。
自分の気持ちにようやく折り合いをつけられたTeh。
だけどOhにはすでにBasがいる。
という状況のままシーズン2に突っ込んでしまっても良かったんじゃないのかな。
と思いました。
ええ。Bas推しの悪あがきです。
というわけでシーズン1の全5話が終了。
他の追随を許さない圧巻のクオリティなので、どなたが見ても楽しめるだろうと思いますが、号泣度はTehに気持ちをどれだけ寄せられるかどうかで変わるのかなと思いました。
僕は序盤はOh目線で。
中盤からはくわえてBasに気持ちを寄せて見ていたので、鼻水たらすほどの号泣とまではいきませんでした。
Basをもう少し使ってほしかったな。
自分から相手の心が離れていくのに、なにもできなかった悔しさや哀しさをもっとドラマで見たかった。
このクオリティの作品で、もしそれが描かれていたら一話につき、ティッシュケース一箱消えるくらい泣いただろうな、と思うのですが、主役が代わってしまいますからねぇ。
難しい。
ちなみにラストの曲はこちらです。
Billkin版
PP版
Billkinさんの歌唱力が頭2つ3つ抜けてる印象なのですが、PPの声が揺らぐ感じも魅力的です。
さて。
ここまで読んでくれてありがとう!
シーズン2、または別の作品で。
追記(2021年2月7日)
BkPP主演のブランデイングショートストーリーが公開されました
I told Sunset about youは(執筆当時)動画配信サービスVimeoのオンデマンドコンテンツとしてインターファンには有償で提供されています。
字幕は英語と中国語。
初回が1200円程度、残り4話が600円程度なので全5話視聴して4000円程度です。