周囲への被害が甚大すぎて、主役2人には素直に共感できなくなってきました。
それがまぁ現実味のある展開だとも言えるのでしょう。
I told Sunset about you第四話の感想を
第三話は↓↓↓
視聴者を身悶えさせた「背中が痒いの」未遂事件から一夜明けて。
起きてきたOhさんに何事もなかったかのように中国語を教えてあげるTeh。
当然ながら2人はどうもぎこちない。
自分への気持ちが薄らいでることに気づいたTarnちゃんは、わざと透けてる服を着てTehの気を引いてみるもかえって彼の気持ちが自分から離れていることを裏付ける結果になってしまうし、彼の気を引くことばかり考えている自分に嫌悪感すら感じてしまう。
序盤ではクスリと笑えるエピソードとして機能していた物を、ここではTehの心変わりを裏づける物として使用している演出の手腕が相変わらず冴えています。
Tarnちゃんから気持ちが離れたからといって、Ohにちゃんと向き合えるのかというと前回同様Tehはそう簡単に割り切れない。
勉強中にOhの指が伸びてくるとそれとなく自分の指は引っ込める。
脱線しますが「Ohに勉強を教える」という描写はこのドラマで頻繁に出てくるんですけど、かなりの確率でグデーってなったり、こんな風にちょっかいだしたり。
Ohはホントに勉強への集中力がない^^;
成績悪いんだから少しは真面目に勉強しろよ!
と老婆心ながら思っています。
攻めて来られるとかわすくせに、かまってくれないと今度は「試験」をダシにして追いかけてくるTeh。
このどっちつかずの……。
正確には自分の気持ちを認められないがためのチキンな態度が、前回「さぁこれからが本番だ!」ってところで相手に退場されちゃったOh君の心の傷にさらに塩を塗ることになる。
ついには世間の目から逃れるように海の中でキスまでしたのに「このままの状態が一番いいんじゃないか?」と自分たちの関係をうやむやにしてしまおうとする。
この水中のキスシーン。
そーとーに撮影するのが大変だったことは想像に難くないのです。
が。
それに見合った効果が出ているかというと個人的には疑問符がつきました。
水中なのでどうしても表情が硬くなるし、髪もゆらゆらしちゃってかっこよく決められないし、カメラワークも照明も制限されてしまう。
画面が白っぽくて陰影がなくなっちゃってる気がするんですよね。
水泡が鼻のまわりにポコポコしちゃうのもちょっと気になる。
細部までこだわったこれまでのカットの数々に比べると、美しさという点で力及ばず、という印象でした。
撮影スタッフとしては水中撮影のノウハウが蓄積されて、次回へ繋がる貴重な現場になったでしょう!
こんなに大変な想いをしてまでキスをしたのに「で、僕たちはどうなるの?」と聞かれてもはぐらかすTeh。
「こんな事が続けられるかわからないんだ」という逃げの言葉に、追いすがっていたOhも「だったら今終わらせよう」と絶縁を宣言。
自分の言動が原因なのに、まるで一方的にふられたかのように号泣するTeh。
兄の運転するバイクのサイドカーで野菜に囲まれての号泣シーンは、場所と感情のアンバランスさがむしろ哀しく感じられます。
そしてこの後2人は互いに奇行に走ります^^;
Ohさんは(おそらくは)お母さまのクローゼットからひらひらとした服を拝借し、自分のペッタンコの胸に装着してみる。
あまつさえ写真を撮ってインスタグラムにあげてみるという……。
この人だいぶメンタルやばいすね、って感じのアクションを起こす。
自分が男だから気持ちを受け入れてもらえない。
なら女性になれば……。
みたいな心理なのでしょうか。
一度ネットにあげたものが誰にも見られないですむわけもなく。
友人の1人がスクショしちゃって「一体どうなってんだろう?」とTehに写真を送ってくる。
自分の気持ちに素直になれない、というよりも自分の気持ちをどこにも落とし込めてないTehさんは、その写真を見て「俺が男を好きになれれば(彼にこんな事をさせなくてすむのに)」とでも思ったのでしょうか。
壁に張った勇健さんのポスターを見ながら右手を素早く動かしてみますが(おそらく)うまく行かなくて、隣にお兄ちゃんがいるにも関わらずまた号泣。
というか隣に兄ちゃんいるのに右手動かすのはやめたほうがいい^^;
というか兄ちゃんの目がいつ「カッ!」と見開くのか。
そっちの方がハラハラする展開でした。
奇行に目を奪われがちのこのシーン。
もしかすると不器用ながらも2人が打開策をみつけようと悪戦苦闘した痛くて哀しいシーンだったのかもしれません。
ちなみに例の右手のシーン。
僕はTehさんは上手くいかなかったんだなと思ったのですが、うまくいきそうだったから怖くなって止めちゃった……。
のかもしれません。
前者だと物理的にOhの気持ちに答えられない哀しさみたいなものが際立ってくるし、
後者は、その後Tarnに会いにいって彼女の愛を確かめるというシーンの動機としてしっくりきます。
Ohの「恋人」になる覚悟は出てこないのに、Ohの事は気にかかるTeh。
彼が大学進学を諦めかけてると聞いた彼は、サインするだけで確定するはずだった大学への入学を辞退する。
そうすることで補欠の1位につけているOhが繰り上げ合格することになり、進学をあきらめずにすむからだ。
愛ゆえの美しい自己犠牲と感じる人ももしかするといるのかもしれませんが……。
個人的にはTehのこの決断には苛立ちを感じました。
恋人になりたいというOhの気持ちに答えてあげられない申しわけなさが、認められないけど募るばかりの彼への愛情とミックスしちゃって、代わりの手段で彼をサポートしてあげたい。彼の幸せを守ってあげたいという気持ちになる。
その気持ちゆえの行動だということも理解できるのです。
が!
「息子が俳優になるのよ」と大喜びしていたお母さんの気持ち、学費を貯めといてくれたお兄さんの気持ちをまるっと無駄にしてしまったのに。
Tehが差し出したのは肝心のOhが欲しい物とは違うもの。
成績優秀で一般試験での合格にも自信があるのかもしれませんが、さすがにこれは「恋は盲目」とはいえやりすぎ。
誰も喜ばないし当のOh本人を侮辱することにもなる、なんの価値もない決断でした。
案の定、Ohは自分の繰り上げ合格がTehが辞退したからだ気づいて態度を硬化する。
当然ですね。
これを侮辱だと思わない男子はいないす。
Ohは失っていた試験への情熱を(というかそんなもの今まであっただろうか?)取り戻し「一般試験で合格してやるぜ」と
インスタのストーリー経由でTehに伝えたのでした。
すべてがOhを奮起させるための作戦だったと思いたいところですが、鼻水垂らして「馬鹿野郎」と言ってるあたり想定の範囲外だったんでしょうね。
いやあ……。
バカはおまえだ!Teh!
待て次号!
I told Sunset about youは(執筆当時)動画配信サービスVimeoのオンデマンドコンテンツとしてインターファンには有償で提供されています。
字幕は英語と中国語。
初回が1200円程度、残り4話が600円程度なので全5話視聴して4000円程度です。