視聴者にとっても登場人物にとっても、なに一つ予想通りに進まないThe Gifted Graduation。
予想を越える展開の連続にボクはめっちゃ嬉しいですが、主人公のPangにとってはたまったもんじゃない^^;
The Gifted Graduation第六話の感想を
第五話についてはこちら↓↓↓
苦楽をともにした仲間をガス(なんのガスか詳細は明かされず)で眠らせ、学校から逃げるKorn。
下級生GiftedのGraceは、廊下を足早に去っていくKornを見てしまう。
「ただ廊下を去っていくだけ」の情報で「彼がウィルスをばらまいた張本人で、どうやら初代は仲間割れしてるらしい」
事まで察してしまう勘の良さ。
ウィルス感染のため隔離中のThirdとTimeに、Graceは今見てきた事を包み隠さず話してしまう。
仲間の次は先生だ!
とGraceはMrPomにたれこんだ。
校長先生を含むスリーティーチャーズもこうして事態を知ることになり、Kornの行方を突き止めるのがDarinさんの新しいお仕事になりました。
白いスーツで荒れたアパートを闊歩する姿は絵的にはかなりかっこいい。
残念なのは彼女は具体的な成果をなにもあげられていない事。
さらなる活躍を期待します。
あ、校長先生、お名前をSupotと言います。これを機に覚えておきましょう。
テストに出ます。
大人たちの動きは初代の面々の耳にも届くが、彼らはKornをどうするべきかで対立したまま具体的な対策を取れないでいる。
MonやClairといった女性陣は「Kornを探し出して理由を聞いてみないと」と主張するが、脇腹をナイフでシュッてされたPhunさんは怒り心頭。
珍しく感情的に「Kornが俺たちを裏切ったんだ!」と怒鳴り散らす。
あまりの剣幕に
「あなた、本当に私の彼氏のPhunなのよね?」
とClair。
超絶にスキル習得が早いけど、その度に人格が分裂していく厄介な能力を持っているPhun。
少し怯えてるようにも取れるこのPhunの姿を見れば「別人格が顔を出してるのか?」と疑いたくもなりますね。
個人的には5話からずっと、いつ目が黒くなるのか気になってしょうがありません。
決断は当然リーダーのPangに委ねられるが、元からそれほど優秀な生徒だったわけでもないこの人の頭はすでにオーバーフロー状態。
「時間をくれ」
と先延ばしにはできない決断を先延ばし。
適切なタイミングで適切な決断をしないのであればリーダーを務める資格はないし、その能力もないのでは?
とぼんやり思ったリーダー・Pangへの不信感。
たぶんPhunもWaveの脳裏にもよぎった事でしょう。
わずか数話前には高校生らしくみんなでワイワイ勝利を祝った部室(のような物)はすっかり重苦しい空気に包まれる。
なんかGiftedらしくないな〜、みんなこんなに仲良くなかったじゃん。
と実は苦笑いしながら見たシーンが、今となっては愛おしいっすね。
決断できないポンコツリーダーに「とにかくKornに会って話を聞いてみる」という道を示したのはMonとClaire。
でもKornの居場所をどうやって突き止めれば?
隔離施設から抜け出したTimeが能力を使って、Kornの居場所を特定。
いまだウィルス感染中のTimeはそのために激しい頭痛に襲われ緊急搬送。
Timeの容態を気にするあまり本来の目的を忘れたPang。
「Kornを見つけるためにTimeは無理して能力を使ったのよ。Timeの努力を無駄にしないで。行って!早く!」
と下級生のGraceに怒鳴りつけられ、ようやく本来の目的を思い出す。
ここでもPangのリーダーとしてのポンコツさが描かれます。
Pangが問題の解決策を提示できないのはここ最近の話ではなく^^;
実は2話の段階で「どうすればいんだろね?」とそらっとぼけて一同の苦笑いを誘っています。
本来果たすべき役目を全然かっこよく果たせていない主人公、という描写はつまり初期から一貫していたわけですが。
あのときは笑って済ませられたけど、ここまで事態が深刻になるとリーダーシップを発揮できない彼への風当たりは強まるばかり。
見ているこちらも(そしてPang本人も)事態をまとめきれない自分にイライラしてるはず。
Kornの隠れるアパートに向かったPang。
そこで遭遇した意外な人物がシーズン1のキーパーソン、MrPomの友人で彼に記憶を消されたChanonさん。
まさかシーズンをまたいでご登場されるとは思いませんでしたね。
前回は過去パートのみの登場なので、その人物像には深堀りされてませんでしたが
「死んだと思ってました」というPangに。
「最近の若者ときたら。SNSで見つからなけりゃ死んだ事にしちまうんだから」
「記憶を消されたはずじゃ?」と聞くPangには
「君もそうだろ?それで結局どうなった?」と
わりとシニカルな受け答え。
ま、10年にも及ぶ記憶喪失期間が少し斜に構えた性格にしたのかもしれませんけどね。
記憶が戻ってからは政府のIT部門で仕事をしながらずっとGiftedについて内偵をすすめていたChanonさん。
Darinが校内にウィルス兵器を持ち込んだのを知り「それは危険な薬物なんだ」と伝えるために、校内に忍びこむ。
彼が接触したのはKornさんで、この時点でAntiを組織するほどダークサイドに落ちていたKornは、貴重な情報を自分の計画に利用することを思いつく。
やることなすことうまくいかないというか……。
おのおの良かれと思ってやった事が、ことごとく悪い方向に転がっていく。
そしてついにKornを発見。
自室の前で取り押さえ部屋に引きずりこんだPangとChanon。
優しすぎるリーダーPangはこの後に及んで誰かにやらされたものだと思ってる。
「こんな大事になるとは思わなかったんだ。でも実際なってみたら……爽快だったね。これはオレが自分で始めたことだ」
「なんでこんな事を」
「変化を起こしたのさ。お前ができなかった本当の変化を、オレが起こしたんだ」
「最良の方法はなにか。何度も話し合ったじゃないか!」
「最良だって?笑えるよ。友達みんな巻き込んで勝ち取ったのは校則の変更だけなのに。Pang、正気なのか。よく判ってるよな。問題なのはGiftedProgramそのものだってことをさ」
「2年前、オレが全員、能力を無効化しようって言ったとき、お前は反対しなかったよな。オレに加勢しようともしなかった!」
「あぁしなかった。それじゃなんの解決にならないからな。能力を無効化?それで何が変わるんだ?確かにその後の活動には加わったよ。お前はもっと高い所を目指してるんだと思ってたからな。間違ってたけど。友達に好かれなくなるのが怖いか?奴らを喜ばせるために理想を捨てるのか?」
「誰かを喜ばせたいからじゃない。問題はGiftedProgramじゃないって判ったからだ。おぼえてるよな?より良い社会はGiftedのいない世界じゃない。Giftedとそうじゃない人たちが共存できる世界だろ、幸せに」
「オレは幸せじゃないんだよ!」
ずっと見てきた人であれば深く首を縦にふる台詞ですが、本人の口から吐き出されると哀れすぎて辛いすね。
まるで交わることのないKornとPangの議論は、Phunの密告で居場所を突き止めたDarinによって遮られる。
どうあっても逃げ切れない状況でKornが選んだのは投身自殺。
最後の言葉は「The Gifted Program is evil」
直訳すると「The Gifted Programは邪悪だ」になりますが、重い台詞なので色々自分の想像してみるのもいんじゃないでしょうか。
ボクならば……。
「俺たちは存在しちゃいけない」
くらいかな。
いじりすぎかな。
かくして仲間の死、という最悪な結末でミッションに失敗したPangにさらなる打撃。
Kornの居場所を突き止めるために能力を使ったTimeも死んだと聞かされる。
Kornの最後はKornファンとしては悲しいことではありますがTOT
覚悟していたというか。
下手人が本当ににKornなら、幸せな未来は待ってないなと思っていたので、想定の範囲だったんですが、Timeも死ぬのは想定の範囲外。
W主演の片割れとして共闘するのか、敵対するのか、どっちにしろ後半の中心人物になるものだと思っていたので、この展開には驚きました(驚きっぱなしじゃないか!というツッコミはなしだ)。
オレが見てるのは「ウォーキング・デッド」か「ゲーム・オブ・スローンズ」かというDeath退場のオンパレードの第6話。
KornにTimeに各々キッチリとした見せ場(花道というべきでしょうかTOT)を用意しつつも、6話全体を通して描かれているのは、自らの行動の結果2人の若者を死に追いやってしまったPangの力不足と苦悩。
始まりも終わりも床に倒れて慟哭(どうこく)するPangが絵的にも非常に印象的です。
共感力、というか思いやりがあるというのはリーダーの資質としては素晴らしい。
でもそれだけでは人の上には立てないんだよ?
そして正しい言動が、かならずしも人を救わない。
という事を(主に)主人公に突きつける回でした。
そして 、彼の困難はこれで終わりではなく始まりでしかない。
というのがサブエピソードの中でチラチラと散見されました。
待て次号!