Giftedの特殊能力を司る脳細胞に深刻なダメージを与えるウィルスが、何者かによってばらまかれた。
下級生Giftedの全員(うぉ、はずしたって一瞬冷汗^^)がこのウィルスに感染し隔離生活。
中には脳に恒久的なダメージを抱える生徒が出るほどの大惨事に校内は揺れる。
「一体誰がこんなひどいことを」
苦悶に満ちた表情でうめく初代Giftedの面々。
重苦しい空気が支配する中、そっとその場を立ち去ったのは「眠らない男」Korn。
写真の現像に使っている(おそらく)化学室に来た彼は、現像しおわったフィルムの束に手を入れて、中から薬品のアンプルを取り出した。
彼こそがAnti Giftedのリーダーで校内にウィルスをばらまいた犯人だった。
開示の仕方が効果的なので事実があかされた瞬間は鳥肌立つほど驚きます。
が。
シーズン1から見続けてきた人なら
「実はKornがAnti Giftedの黒幕でした」
という回想シーンが流れる間に思い直すでしょう。
「彼ほど、これをやらかすのにふさわしい人物はいない^^;」と。
想い続けてきた彼女にふられ、そのせいで目覚めた能力はよりにもよって「ずっと眠らないでいられる」力。
次の恋に発展するかと思われた新聞部の女の子にも裏切られ(そして彼女は記憶を消され)嫌気がさした彼は能力を放棄したいと申しでる。
なのにそれすら許されず、高3の今。
孤独に耐える眠らない夜を長く過ごしてきた彼が「Giftedなんてなくなればいい」と薄暗い気持ちを煮詰めまくって、ついにGiftedへの反逆を1人静かに決意する。
「そうなるわな」
と哀れみを感じてしまったのは、シーズン1からKorn推しだったボクだけではきっとない。
と、思いたい^^;
見せ場らしい見せ場のなかった(俺の)Kornにようやく出番がやってきた!
というワクワク感と「ダークサイドに落ちちゃったのかぁ」という哀しみからの
The Gifted Graduation第五話の感想を
第四話↓↓↓
衝撃の、しかし納得の事実が視聴者にだけ明かされたこの五話は、
ボクも含めて見てる人みんな
「事がばれてしまった後にPangは、Kornは、どうなっちゃうんだろう?」
と固唾を呑んで見守っている状態。
名前も知らない下級生Giftedの生死だけでは、視聴者がこの緊張感を感じながらドラマを見る事はなかったでしょう。
高い緊張感を利用して、さりげなく今後の伏線になりそうな展開が挟み込まれていきますが、基本的にはこの5話は
「自分たちの中の裏切り者は誰なのか?」
に揺れる初代Giftedにあてられました。
「学校内に平等を」
と一つの目標に向かって力を合わせてきた仲間を疑う。
まだまだ若い彼らの気持ちはグラグラ揺れる。
サスペンスで興味を引きつけながらも、5話の見どころは彼ら初代Giftedの感情のぶつけあいにありましたね。
真っ先に「裏切り者がいる」と告発をしたWaveが
「お前達は始めてできた友達なんだ。信じなくても構わないけど、みんなの事が大好きなんだ。でもこれは正さないと」
と屋上でPangに告げる寂しさも胸を打つ。
メリットよりもデメリットの方が多い能力を持ったがために、Kornと距離を縮めたMon。
彼女は薄々Kornの犯行だと判ってるのに口には出さず、それどころか窮地を救おうとするのも切ない。
幼馴染のClairは能力を使ってKornが犯人だという事を突き止める。
でもその事を受け止められず、そして能力を使うようそそのかした彼氏のPhunにイライラをぶつける。
彼女がなにか隠してる事を見抜いたPhunは、彼女をこそこそ付け回し、2人は互いへの不信感をまさにKornの目の前でぶつけあう事になる。
とまぁ、こんな感じで中盤以降、感情的にぶつかるシーンが続いていきます。
Claire役のJaneさん、Phun役のGun、そしてKorn役のFiatさんが、本来の演技力をいかんなく発揮してガッツンガッツン互いを罵る場面は見応え抜群。
特にFiatさんは全編、あらゆるキャストを食いまくる怪演につぐ怪演。
4話の後半から5話中盤までは、ポーカーフェイスを貫きつつも、罪が暴かれてしまう事への恐れを、わずかな表情の変化で表現しています。
虚空を見つめる座りきった目にも、狂気を感じさせられます。
抑えた演技で内なる狂気を想像させた中盤から一転、後半はGun、Jane、Nanonを相手にガツガツと気持ちをぶつけあう展開。
「どうしてAnti Giftedの手助けなんかしたんだ?」というPangリーダーに。
「違うよ。そんな事してない」と一瞬、ワケアリなのかと思わせておいて。
「奴らが俺を手助けしてくれてたんだよ」
と暗い笑みを浮かべるKorn。
「お前、本気であのバカどもがAnti Giftedを組織できると思ってたのか?何度奴らを蹴散らしても、組織が大きくなっていくのはおかしいと思わなかったのかよ?奴らのリーダーにあったこともないよな?なぜだと思う?俺だからだよ。俺がこの手でAnti Giftedを組織したんだ」
キレッキレにまくしたてる姿はいっそすがすがしい。
ここでポロリと涙してしまうPangは、やはりリーダーを務めるには優しすぎる気がします。
「信じてたのに。裏切りやがって。Namtarnにすまないと思わないのか?」というPangの糾弾に一瞬キョトンとしてからの。
「だれが?」
この場にいない人物すらもドラマを盛り上げるために効果的に活用していく、このドラマの脚本家には最大限の賛辞を贈りたい。
(現在までのところ)素晴らしいお仕事です!The Gifted Graduationの脚本家さん!
この調子で最後までお願いします!
「だれがNamtarnにすまないと思わなきゃいけないんだろう。あの部屋に彼女を送り込んだのはお前じゃなかったでしたっけ?俺じゃありませんよね?」
とここでPangは胸ぐらつかむ。
が、そのタイミングで集結していた初代Giftedの面々がバタンバタンとその場にくずおれ始めた。
「Korn、お前、一体なにを?」
「俺の能力がなにか。よく判ってるはずだ」
このシーンの冒頭にご注目いただきますと、彼が逃亡を図ろうとロッカーを開けるその前に一瞬ひざまずいてます。
仲間に取り囲まれるのを察知していて、Kornは(おそらく)ガスタンクいっぱいの睡眠薬を部屋中に放出していたのでしょう。
「ねむらなくていい」という実生活ならかなり使える能力だけど、ドラマ的には使い所の難しい、というかほとんど映えない能力を持ったKornさんにどんな見せ場を作るんだろう?
というのはシーズン1の時点から気になっていた点だったんですが。
こんなに効果的な見せ方ができるとはまるで思ってませんでしたね。
バタバタ倒れる、かっての仲間をまたいで笑みを浮かべて去っていくKornさん。
見せ場万歳!
でもこういう見せ場じゃなかったんだよ^^
と思いつつも、純粋に先が気になりまくる展開です。
待て次号!