感慨深いものがある回でした。
今回の主役はPangが最初に仲良くなったお調子物の青年Ohm。
さして面白くない冗談を繰り出しては笑わせるより、笑われる。
そうやって自分を守ってきたOhmが能力を開花させていくプロセスを、とんでもない熱演で魅せてくれたのはSing君。
ご本人のInstgram。
Harit Cheewagaroon (@ssingss) • Instagram photos and videos
LoveSickというドラマで軽音楽部の部員Perを演じていた頃から知っていました。
あまり大きな役が回ってこず、ついたと思ったらBL系。
それでもいいけど彼の役は、BLの割に人気がつかない^^;
地味に「もう少しブレイクしてもいいのにな」と思っていた役者が、結構な大役(初のメインロールだそうです)をもらえるようになった事にまず感激。
加えてこの第二話では、役者Singの魅力を絞りつくした彼のプロモーション動画なんじゃないか、という回でした。
というわけで。
役者Singの魅力がぎっしりつまった
The Gifted 第二回のあらすじと感想を
第一話はこちらから。
いち早く自身の能力に目覚めたのはWave。
彼は手のひらを介してコンピューターや電子機器を制御できる。
その能力を利用して、Mr Pomが学園長と交わす会話をハッキング。
Gifted全員で彼らの会話を盗聴する。
しかし学園長は一枚上手で、Waveの企みを見抜いてしまった。
ハッキングされたネットワークを使い、彼らにGiftedプログラムがどんなものかを説明した。
ざっくりいうと。
学園は人間の能に隠された力を特殊な電波?音波を送り刺激する方法を編み出した。
もっとも全員が才能を芽吹かせられるわけではない。
むしろ才能を芽吹かせられるのは少数で、それこそが君たちGifted。
君たちの中に芽吹いた才能を花開かせるのが我々教師の仕事なのだ。
的な感じです。
こんなだだっと情報開示してしまうなら、Mr Pomも「自分で考えろ」とかもったいつける必要なかったのに、と思いましたがマイペンライ。
学園長の説明を聞いた彼らの表情には困惑が浮かぶ。
ただ一人。Ohmを除いては。
「俺たちみんなX-Menになっちまったのか?プシュ!プシュッ!」
無邪気(を装い)に喜ぶ彼。
しらけた一同は部屋を後にする。
ココ!!
話の本筋には関係ないんですが、彼の着ぐるみ型パジャマが可愛いっす。
素の自分で勝負できない、お調子者の自分を見せていないと不安になる。
そんな彼の性格が出ているなと思いました。
改めてMr Pomから能力についての説明を聞かされる。
彼らの能力は個々人の性格や振る舞いに応じて変わってくる。
すでに自分の能力に気づいた者もいる。
完璧主義者のPhunは、自分の能力は見た物をすぐに自分のスキルとして再現できる能力だと言う。
双子のJack&Joeは互いにシンクロしているという。
Namtarnは物質を通してイメージを見る事ができるという。
そしてOhmは。
「俺の能力がなにかまだ判ってません。でもそれが人を笑わせる能力だっていう事には自信があります」
と説明し失笑を買うが、Waveをネタにしたジョークでクラスを沸かせた。
余韻を引きずりながら、昼食を食べるPangとOhm。
Pangの姿を見て去っていくNickにPangは寂しさを感じる。
その後、Ohmの旧友にして悪友Folkがカバンを押しつけ去っていく。
中に入っていたのは試験の回答(らしきもの)
Folkは試験の回答を盗んだのだ!(セキュリティが甘すぎる^^;)
すぐに女教師がやってきてOhmの手からカバンを奪い、中を調べる。
緊張にこわばるPangとOhm。
しかし。カバンの中の回答は消えてなくなっていた。
Ohmには物や人を消してしまう能力が宿ったのだ。
Giftedの前で能力を披露するOhm。しかし消した物を元に戻す方法が判らない。
最初はそれが問題になると考えていなかったOhm。
だが、Folkに預けた回答を返せと言われて困惑する。
返したくても消した物を元に戻す方法は判らない。
熱風がでるドライウォッシャーに腕を押し付けられ、火傷を追ったOhm。
「明日までに返さないともっとひどい目にあうぞ」と脅される。
その日の放課後はMr Pomと二人で能力の制御を学ぶための補修が入っていた。
消してしまった回答と、Folkの事で呆然自失のOhm(彼の表情にご注目)。
様子がおかしい事に気づいたPomは彼から事情を聞き出した。
話は女教師に伝わりFolkは罰として自慢の髪を刈り上げられる。
逆恨みしたFolkに、トイレで襲われたOhm。
便器の脇のゴミをぶちまけられ、蹴られ、殴られ、何度もビンタされたOhmはFolkを突き飛ばす。
「もうたくさんだ!」
突き飛ばした先に、Folkの姿はなかった。
ココ。
バンコクに行かれた方はご存じだと思うんですが、使用したトイレットペーパーを水に流してしまう事は通常できません。
水道管が細いので詰まってしまうのです。
では使用した物をどうするかというと、たいてい便器脇に置かれた蓋付きのゴミ箱に捨てるのです。
という豆知識を入れた上で、このシーンを見ると「うわ〜」って思いませんか?
Ohmの感じたであろう嫌悪感がハッキリ伝わってくると思います。
校内は消えたFolkのことでもちきりだ。
Mr Pomも彼の消息を知らないか尋ねるが、Ohmは答えられない。
黙ってやりすごそうとした彼の代わりに、Waveが監視カメラの映像をハッキング。
彼がFolkを消した事をクラス全員の前で暴露。
Pangはクラスを飛び出していく。
着ぐるみパジャマにくるまって現実逃避するOhmを「なんとか彼を元に戻す方法を考えよう」と奮い立たせるPangとNamtarn。
NamtarnはOhmに貸したペンが戻ってきている事を二人に話し、Pangはそこから消した物を元に戻す方法を思いつく。
3人はOhmが消えたトイレへと向かう。
この後まぁ色々、PangとOhmの間での激しいやりとりを経て、OhmはFolkを元に戻す事に成功します。
色々とまとめてしまったのは、スポイルなしで見た方がSing君の演技に圧倒されるかなと思ったので、伏せてみました。
とまぁ、こんな感じでした。
陽気でほがらか、ノリの良いOhmという役は、インタビューなどで見るSing君本人のイメージにも近く、親近感を覚えやすいキャラクター。
でもこのキャラの魅力は、裏っかわに張りついているほの暗さにあると思うのです。
本当は陽気でもノリがいいわけでもないのに、それを演じてつまらない自分を糊塗しようとする。
やりきれてないから失笑を買う。
借りたペンを無くしてしまっても「ごめん」の一言すら言い出せない脆さがOhmというキャラの深さであり、役としての面白さだと思います。
今回は一話の中で、その全てがみっしりと凝縮。
彼の陽気さ、子供っぽさ、Waveに突っ込まれた時にちょろっと見せるすねた表情、Folkに脅された後に見せる怯え、ごまかしきれない失態をしてしまった後の憔悴した様子、そして最後に本音を吐き散らすみっともなさ。
裏も表も丸裸にされてしまうOhmという役をSing君はかなり見事に演じきっています。
特に負の感情表現は生々しくて、痛い。
ただの気の良い少年ではない、いい役者になりつつあるんだなぁ。
と感慨深いものがありました。
というわけで。待て次号!