この作品は日本で配信されています。
配信状況はこちらのページからご確認ください。
ロマンティックな記念日のお祝いで、視聴者から暖かい涙を絞り取ったPeteKaoは、Peteの家へ戻ってくる。
例によってPeteさんが寝技に持ち込もうとするとパパが帰還し大慌て。
「俺が渡したアレ、使ってるか?」
と、あまりにあけっぴろげな義父と旦那の会話にKaoさんは表情を曇らせる。
自分はいまだ母親に自分たちの関係を伝えることができてない。
ほんの一瞬さしこまれるこの表情で「自分たちの関係を公にできない」後ろめたさが、常に頭の片隅にはあるんだなと感じられます。
これを補完する形になっているのが直後に出てくる家庭教師のシーン。
NongNonとKaoの真ん中にデンッと居座っているのは、PeteがくれたPeteKaoタンブラー。
2人の視線が交差する位置に置かれています。
2人の視線に誘導される形で、見てる僕らはタンブラーに気づく。
気づいた人は「PeteKao」と書かれた部分が意図的に隠されている事にもおそらく気づく。
彼からもらった物だから使ってあげたい気持ちもあるし、人に見られて自分達の関係がばれてしまうのはちょっと怖い気持ちもある。
そんな微妙な青年心がこれみよがしに置かれているタンブラーから読み取れます。
2人の絆を象徴するこのタンブラー。
「年下は嫌」と拒否られたのに積極度を増してグイグイと来るNongNonのアタックからKaoを守っている。
だから2人の真ん中に置かれてる。
という解釈もできるかな、と思いました。
というわけで、Dark Blue Kiss 第8話の感想を
Dark Blue Kiss第7話の感想は ↓↓↓
至高の豆をゲットしてきて、バリスタコンテストはもうすぐだ。
店長に告白されても自分の気持ちがよくわからないMorkさん。
でも、コンテストへ協力するために現れた元カノKittyちゃんの存在は気にかかる。
Morkが仕事で使ってるエプロン、もともとは元カノが使っていたものでした。
店長の意外な無神経っぷりが垣間見えます。
コーヒーへの造詣が深いKittyちゃんは、コンテスト対策の提案をしている。
ようやく若葉マークが取れたか取れないかのMorkさんは、Kittyちゃんのようにビジネス上の右腕にはなれないのが、ちょっと悔しい。
「これどう思う?」
と試作のコーヒーを差し出されても「わかるヤツに聞いてくれ」と拗ねた返事。
この展開から、元カノのせいでいい感じだった2人の仲が険悪に。
という流れに持ち込まなかったのが良かった。
彼女は「恋のライバル」になるそぶりすらなく、いまだ自分の気持ちに戸惑いを感じるMorkの背中をチョコンっと押す。
結果として、物語は「バリスタコンテストでの上位入賞」という目標に向かって、一生懸命頑張る店長とそれをサポートするMork。
というシンプルな構成になりました。
勝負事なので、勝つか負けるかで見てる側の興味をつなぎやすいという効果もありますね。
元カノの知識と、入札済の次期彼氏からのアイディアを元に作られた看板メニュー。
2つの武器を手にSun店長はバリスタコンテストに参加する。
RainとMorkはカフェで留守番。
そこに過去の因縁があるチンピラがバット持って襲撃してくる。
以降、カフェでの乱闘騒ぎとコンテストの様子がまるで一つの出来事であるかのような統一感をもって描写されていきますが、この手法には以下の効果があります。
まず1つ目。躍動感を出す。
バリスタコンテストというとかっこいいですが。
絵としては手元での地道な作業が多くなるので「コンテスト」という言葉から想像される躍動感には欠けたものになりがちです。
それを絵面が派手なMorkとチンピラの乱闘騒ぎと組み合わせる事でおぎなってます。
乱闘シーンがスローモーションになっているのはトーンを揃えるためでしょうかね。
2つ目。勝ち負けを分かりやすくビジュアル化する。
よほどコーヒ通でもないかぎり「このバリスタ、コーヒーの挿れ方が上手いな。下手だな」というのは判りません。
加えて味覚は映像では表現できません。
つまりバリスタコンテストだけでは、結果が発表されるまで勝っているのか負けているのか僕らには判らない。
今、ボクが見ているこの人は負けそうだ!(頑張れ!)勝ってるっぽい(その調子!)
というのがなんとなくでも伝わってこないと面白くない。
そこで店が荒らされ、Rainは羽交い締めにされ、Morkが殴られる敗退濃厚のカフェのシーンと一体で編集することで、店長も苦戦してるかのようにミスリード。
ハラハラさせておいてからの店長の受賞でより高揚感を感じるように編集されてます。
3つ目。結果を対比させることでご都合主義感を払拭する
確かに店長は頑張ったけど、努力すれば勝利を手にできて、その先に明るい未来が待っている。
という展開は人によっては絵空事のように感じられるかもしれません。
ガッツリ受賞して喜びの絶頂にいる店長と、励ますつもりで作った「うざいバリスタで賞」を目の前で踏み潰されるMorkを対比。
店長の前途にも不安の影が差すように編集されていて、結果「うまくいきすぎ」感を払拭してるかなと思いました。
この惨状を知った時、店長はどんな反応をするんだろうか?
と次回への期待も煽ります。
これまで派手な展開の少なかったDarkBlueKissですが、とても効果的に大きな事件をぶち込んできたなという印象です。
期待も高まり、待て次号だ。