「そろそろ服を返してくれませんか?」
色々と妄想の翼を広げるLINEのメッセージに、Pete・ジェラシーモンスターの頭に血が上る。
淡々と進んできたこのドラマ、いよいよ修羅場の始まりか?
と戦々恐々としていたら、Kaoの弁明で割とあっさり鉾を収めるPeteさん。
修羅場はもう少し先のようです。
Dark Blue Kiss 第五話の感想を
この作品は日本で配信されています。
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Dark Blue Kiss第四話の感想は ↓↓↓
展開の起伏に乏しいまんま、まもなく前半戦を折り返すDark Blue Kiss。
今回の五話は、主演の2組共に動きの少ない回でした。
Sun店長とバリスタKittyことMorkさんは、至福のコーヒーを求めてカフェデートを繰り返す。
大きな事件がきっかけで反発していた2人が急接近、というドラマにありがちな展開はなく、2人がなにげない時間を共有する内にお互いの空気を整えて心地よい物に変えていくというこの展開。
ドラマとしての盛り上がりはないけれど、リアリティは感じます。
今回もとても心地よい。
2人がおとずれるカフェが個性的なのもカフェ好きにはたまらない。
一番手に現れたコーヒーショップRed Diamondはまるでバーのような内装で、ノマドするには向かないですが、1人ぼんやりコーヒーを飲んだら絵になりそう(ただしイケメンにかぎる)。
ちなみにこちらRed Diamondは(おそらく)実在します。
こちらだ、だん!
Red Diamond (バンコク) の口コミ10件 - トリップアドバイザー
チャオプラヤー河の向こう岸。
アイコンサイアムのお近くのようです。
2件めは洋風な外装のオープンテラスで、3件目は女子力高めのイタリアンバルでサングリア頼むと出てきそうなジャーに入ったアイスコーヒー。
どれもそれなりの味ですが店長が求めてる至福の味とはどうも違う。
そして4件目。
ウィスキーボトルにてのご提供という、とても気取った演出のコーヒーが店長の求める至福のコーヒー。
店長は、まさかの「使ってる豆はなんですか?」と尋ねるがそれは当然企業秘密。
教えてもらえない。
お金で買収というダークな側面で驚かせてくれますが、それでも企業秘密は教えてもらえない。
ここで更生しかけの不良青年Morkさんが選手交代。
「ライター貸して」とスモーカーとしての絆にものを言わせて企業秘密を聞き出すのかと思いきや。
ちょっとひねりを効かせた方法で、まんまと豆の手がかりを入手する。
が、コーヒー農園の名前は特定できたものの、どの農園かまでは調べられない。
店を閉めてまで、豆探しに行くわけにはいかないと悶々とする店長に。
Morkまさかの
「俺とRainがいるから、店長いなくても大丈夫だよ」
いや、まったく大丈夫じゃない!
むしろ心配すぎて豆探しに集中できない!
という店のオーナーとしては当然の心配を大人な店長は口には出さない(たぶん)。
それを怖気づいてるとでも思ったのか^^;
Morkは店長の手に自分の手を重ねて「夢だったんだろ?賭けてみろよ」と背中を押す。
しかし店長は、自分の手の上の乗せられたMorkの手のひらのぬくもりに気をとられてしまっていたのでした。
一方嫉妬深い旦那と、その妻の方はと言いますと。
Peteさんが、ほとんど独り相撲のようにNonにつっかかってる部分だけが刺々しくて、それはそれは静かな展開でしたね。
そして、静かなトーンのPeteKaoパートで半分くらいの時間を割いてテーマとして扱われていたのは「親にカミングアウトするかどうか」
これにまつわる2人の会話は、一応当事者の一人としては静かに刺さってくる内容でしたね。
一度は考えた事、思った事がある事ばかりなので。
たとえば。
2人の関係を知っていて、それを容認すらしたPeteパパとのディナーの後の会話で
「自分達はセクマイだから、その事で親をがっかりさせてしまう。だから良い人間になって、良い仕事をして、それで俺たちの事を誇らしいと思ってもらわないと」
というKaoの言葉。
「なんか代わりの埋め合わせをしてあげないと」と思うことはボクもある。
Kaoママが「ウチに来るのはPeteばかりね」と言われてPeteが言った「お母さんは俺たちの事、気づいている。親はみんな子供に何が起こっているか気づいてるけど、違いは、それを口にするかしないかだ」という言葉も身に覚えがある。
気づいてるだろな。
とは思っていても「自分からは口にしない」という選択をしてる。
それでも「どう切り出したらいいか判らないんだよ」
というKaoに「なぁ聞けよ。苦しいのは判ってる。でも俺は信じてる。どんな親でも、自分の子供のありのままを受け入れてくれるって。だからお前は、心を開いて正直に伝えればいいんだよ」
そうだよな。たぶん大丈夫だよな。
と思ったりはするものの、Peteのように信じきるのは……それなりに難しい。
だからKaoの表情も浮かないままなところに強い共感を覚えるのです。
そして、このあと「笑えよ」といってじゃれあう2人のカワイさったらねぇな^^
コアスタッフに当事者がいてシナリオに積極的に関与してるのでは?
と思う程に些細なお悩みポイントがセリフとして組み込まれてる。
日常に支障をきたす程ではないけれど。
メロドラマ的に声を荒げて主張するほどの悩みではないけれど。
いつも静かにそこにある問題を、クマのぬいぐるみとかを小道具にして微笑ましいと思えるトーンは保ちつつ、軽口の応酬の中にするっとすべり込ませてくるから構えることなくその問いかけを受け止められるし「同じことを思った(思ってた)」と共感できる。
冒頭にも書いたように、前半戦を通して淡々としたストーリー展開が続いていますが、それゆえに、普通ならかき消されてしまいそうな小さな悩みとかひっかかりがエピソードとして成立しているのかな。
と思ったり。
そして、それがエンタメとしても成立してるのはTayさんとNewさんの息のあった芝居そのものの面白さがあるからかな、とも思ったりします。
ホント「笑えよ」のシーンのカワイサったらない!
なんかこのまま修羅場なくて終わってもいいかもな、と感じてるところで。
待て次号!