NongNonのせいで人生設計を狂わされた苦学生Kao。
それでも健気に頑張ってきたのに、NongNonが「ごめんなさい。でもホントのことは言えません」
と神経を逆なでする発言をしたせいで、ついにブチギレ。
ホントはこういう事なんじゃあ!
と、Facebookにドドーッと事実を書き散らかした。
対するNongNonはクレームをつけに、パパを引き連れやってくる。
穏便にすませようとしていたパパも今回は徹底抗戦の構えを崩さず、NongNonファミリーと、Kaoファミリーの最終決戦はいざ法廷に持ち込まれるのか!(そういやタイドラマって法廷ドラマは少ないですね)
と思いきや
Dark Blue Kiss 最終話の感想を
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Dark Blue Kiss第11話の感想は ↓↓↓
突然、Kaoの携帯が鳴った。
「今すぐFacebookを見なさいよ」とSandee姉さんからの電話にFacebookを見ると、今まさにPeteがライブ中継をしているところ。
「今、セクハラで問題視されてるのは俺の友達だ。一方の言い分だけで、友達を判断するのはフェアじゃない。これから俺が流すクリップを聞いて、どちらの言い分に信憑性があるか判断してほしい」
と、Peteさんが持ち込んだのは、10話冒頭、Kao家でNongNonとはち合わせした時の音声クリップ。
「また殴ったら、パパに言いつけてやる」やら「お前の人生もそうだし、Kao先輩もトラブルに巻き込まれることになるんだぞ!」やら「お前達を別れさせてやった」やらPete以外の人が知らなかった裏の顔がクリップを通してタイ全土に暴かれた。
個人的には、Peteへの態度だけで「NongNonは性悪」と決めつけられてしまうのは少し可愛そうだよな。
とは思いましたね。
NongNonは自分が一番、世間知らずで小心者のお坊ちゃまというだけで「腹の底から真っ黒」というキャラではない、と思うので。
誰でもいい面悪い面があると思うんですが、一番悪い部分だけを開示して「彼のホントの顔は、こんななんですよ」と言っちゃうのもフェアじゃなくない?
と思ったんですけどね。
まぁ、Peteの視点で物を見れば
「あの性悪なクソガキのせいで俺の彼氏がひどい目に合ってる。粛清してやる!」
と鼻息荒くなってるのも判らないではない。
このクリップは効果てきめんでNongNonパパは「ウチのバカ息子が悪い」と口には出さずとも瞬時に察知。
NongNonを連れて去っていくのでありました。
これ以降、NongNonの出番はありません。
この出来事で彼の人生は一変したと思うので、MorkとSunのノロケ場面を少し削って、彼のその後を描いてほしかったなと思いました。
「Pete、NongNonと修羅場ってるあの瞬間にスマホで録音してたんだ。スゲー早業だな。某BLドラマの主役みたく、端から判ってて仕込んでたのか?」
と思ったら!
Peteが録音に使ったのはクマちゃんでした!
心の中で「ガッテン!」ボタンを連打^^
序盤でKaoがペシペシPeteを叩くのに使ってたこのクマちゃん。
Newさんの提案で現場で出来上がったシーンなんかな。さりげなく2人の空気感を表現するカワイイ芝居だな。
くらいに思っていたのに盗聴器としてKaoを窮地から救う最終兵器になろうとは。
録音装置がついた時点で「これに自分の想いを吹き込んで和解するのかな」
と思ったんですけど、斜め上の使い方をしてきましたね。
そして、こういう展開はボクは大好きです^^
ここ。
Peteが意図的にクマちゃんの録音機能を押したのではなく、悔しさあまって握りしめてた結果、肝心な部分の証拠が取れた。
と取れる表現をしてるのもいいですね。
冷静に「証拠残しとこ」と思ってボタン押すような人なら、諸々こじれた事になってないですし^^;
このクマちゃん。
最後には「面と向かって言えない事を伝える」という正しい理由方法で、すべて終わった2人のノロケを見せつけるためにも使われます。
中盤からの大活躍に、サバイなブログから最優秀助演賞を授与したいと思います。
賞品は電池1年分^^
ま、こうしてNongNonファミリーとKaoファミリーの法廷対決はナシになり、Kaoは自分を助けてくれたPeteの元へかけつける。
数週間ずっとショボンとした顔ばかりだったので、Kaoの笑顔が眩しくて、嬉しくなりますね。
家に行ったら「いない」と言われ、プールに駆けつけるKao。
一言二言のやりとりのあと、珍しくKaoがリードしてキラキラ輝く水面の中でキスをする。
これにてお話としてはおしまいで。
残り40分強はPeteKao、SunMorkのノロケを延々と見せつけられるニヤニヤタイム。
KittyちゃんのおさがりだったエプロンがMork専用のエプロンになり、2人の関係も「おつきあい」という次 のステージに。
PeteKaoもご両親を交えての会食をして「おつきあい」を別のステージにあげていく。
そだ。ラストのMorkの誕生日会のシーンに一瞬だけ、DarkBluekissの前身となるKiss the seriesのメインテーマ(でもほとんどイントロだけ)がかかります。
こちらです。だん!
この作品だとKaoはメガネかけてるんですよね。
そしてDarkBluekissはこれにて終了。
ピシッと「これで終わり」感を出さない締めくくり方なので「本人達がその気にさえなれば、まだまだ続けられますよ」という余白があったように感じられました。
すでに関係のできあがっているPeteKaoの空気感の心地よさと、天敵から恋人へと変化するSunMorkをコミカルに描いた前半戦から中盤戦。
NongNonのせいで大揉めに揉めた後半戦は「2人が別れるかも」という部分にはさほどフォーカスしないで、経済的に弱い立場にいるKaoの人生が破壊されてしまいそう。
という部分を見せ場に持ってきたのが緊張感を保つのに成功してるかな、と思いました。
物語の主たるテーマとして全面に出る事はありませんでしたが、2人の経済的な格差がそこかしこに描写されていて(Kaoが使ってるやっすい市バスとか)それが2人のすれ違いの根本的な原因になってる。
途中の回でも指摘したように「セクマイだからこそ感じてしまう負い目」みたいな物は、Kaoが母親にカミングアウトできないというエピソードでかなり丁寧に描かれていましたし、意外にも社会派エンタメと呼んでいい内容になっていたのは驚きでした。
Kiss me againまでは、この2人の物語にそこまでの深みはなかったように記憶してるので。
現時点でPeteKao4作目についてはあるのかないのか判りませんが、このDarkBluekissを見た今、社会人になった2人をボクは見てみたい。
両親公認の2人は順調に社会人になり、同棲するようになる。
経済的に自立して、社会的にも認められ、大切なパートナーもいる。
でも、どこかで感じてしまう「親を経験してない自分は、大人として充分成熟できないままなんじゃないか?」
という……。
欠落感のような物を、もう少し大人になったPeteKaoを通して見てみたいなと思うのです。
内容的に素晴らしい作品はタイBLには数多くあるし、人気のあるカップルもたくさんいます。
でも上に記した「欠落感」を描いて成立するほどに、リアルな世界観とチャーミングな人物造形(とそれにふさわしい年齢設定)を持っているシリーズはDark blue kissとSOTUSくらいじゃないかと思うので。
というわけで。
今回でKiss me againから続いたDark Blue kissはこれにて終了。
読んでくれてありがとう!
また次の作品で。