GMM2019で初お披露目をされた時から目をつけていたBLACKLIST。
ついに放送が開始されました。
お披露目の際には大学生設定で、レザボアドッグスやオーシャンズ11を彷彿とさせるクライム・サスペンスの雰囲気を持っていた本作。
主要キャストやターゲット層に配慮したのか、高校生に設定が変わりました。
キャストの年齢を考えると、その決定は正しいと思う一方、ハーフパンツのNanon君じゃ、まるきりそれってGiftedじゃん?
という心配も、見る前はチラリと頭をよぎったり。
そんなわけで不安と期待半分で一話を見た今なら言えますが^^
杞憂でございました。
The Giftedが持っていたサスペンス要素は受け継ぎつつも、作品の肌触りはだいぶ違います。
そんなBLACKLIST第一話の感想をば!
国内でも有数の進学校Akeananに入学したTraffic。
友人も作らず寡黙な日々を過ごす彼は、極秘のミッションを抱えていた。
それはかって同校に通い行方不明になってしまった姉Fahを探すこと。
そして姉が巻き込まれた事件の真相を探る事。
彼は通っていた高校から転学し、友達も作らず一人で姉の事件を突き止めようとしていたのだ。
ちなみにお姉さんものすごく幼顔なんですよね。
Big Sisterと書かれていなければ妹だと思ってしまうところでした。
ほどなく彼は上級生のJoeが姉と関わりがあった事を突き止め、さらなる手がかりを探してJoeの身辺を調査する。
姉をリスペクトしていたという女子生徒・Melonからの情報で、学園内で暗躍する「神の手」という組織の存在を知ったTraffic。
利害の一致から調査に加わる事になった同級生のAndrewとHighlightと一緒に、調査を進めていた彼は、バレバレの素人調査の末にあっさりと囚われの身となってしまう。
なんとか危地を脱するものの、手がかりがない状態は変わらない。
手詰まりな状態の彼に届いた一通の手紙。
「大切な人を探しだしたいのなら、池に石を投げ込み亀が現れるのを待て」
亀?
この人を待つの?
暗号にすらなっていない怪文書に疑念を感じながらもTRAFFICは、校内の池。
池?人工池に石を投げ込む。
テレポートしてきたの?という勢いで現れたのは、彼の担任の教員で坊主頭のWanpadje。
この坊主先生。
放映間近のポスターで主役6人を差し置いてセンターにドーンッ!
と鎮座していたことに少し驚きましたね。
どん!
「誰、あなた?」
みたいな。
視聴者は君じゃなくて周囲の6人を目当てに見ると思うんだけど、ビジネス上のパワーバランスをうっちゃってまでセンターを取らせないといけない重要ポジションなのでしょうか?
さて、エリート校にはふさわしからぬ素行不良の坊主先生は、彼に一つの質問をする。
質問の答えが坊主先生の意に沿うものだったのか。
TRAFFICは立入禁止の廃校舎へと案内される。
そこにはAndrewとHighlightに加えてクラスメイト6人の姿があった。
と、ここまで。
文章に起こすとTRAFFICのヘタレっぷりが際立ちますが、基本探偵物って事件解決までの探偵の右往左往を描く物なので、あまりかっこいい物ではないんですよね。
金田一耕助なんて走り回ったあげく、次々目と鼻の先で人を殺され、残りすくなくなった時点で「ボクは間違っていました」と事件解決しますしね。
カッコ悪さをカッコよく見せるのがクライム・サスペンスの醍醐味。
陰影の濃い画作りやハンス・ジマーっぽい緊迫感のある音楽のせいで、本格推理物っぽく楽しまさせてくれるので、きっちりこのジャンルの作品としては成功してるのでしょうか?
(このブログの想定読者を考えますと)知らない人も多そうなので説明しますと。
ハンス・ジマーはハリウッド映画で活躍をする大作曲家です。
インセプションやダンケルクなどクリストファー・ノーラン監督の作品に楽曲を数多く提供しておりまして、重厚感のある音楽で作品に過大な緊張感を与えています。
ほとんどのキャラクターが顔見せ程度ですが、TRAFFICを演じるNanon君の役者としての存在感のデカさは、ビシバシ感じとる事ができるでしょう。
事の経緯を説明する冒頭に「姉の写真をただ見つめる」というシーンがあるのですが、なにをするでもない顔のアップで、姉を失った事への強い憤りを表現したのが素晴らしい。
眉をひそめるとか、唇をかむとか、仕草を入れてしまうと感情は表現できるけどTRAFFICという人物像が崩れてしまう。
姉の行方を探すため、それ以外の全てを捨ててこの学校に来たTRAFFICという少年の気迫が彼の演技からは伝わってきます。
まぁ、実際は高校生なんでやることのツメは甘いですけど^^;
役のせいもあるとは思いますけれど、この人と絡むとAndrew役のChimon君もHighlightのOhmさんも軽いんですよね。
もう少しイーブンな関係というか。
一目置いてはいるものの、互いに張り合う間柄の3人だと思うんですがTRAFFICの存在感がでかすぎて、はやくもボスの手下2人に見えてしまう。
早くからピンで主役を張ってきた人との「格」の違いがちょっと可愛そうなくらい可視化されてしまっているな、と思いました。
坊主先生に連れられて、いよいよ秘密組織BLACKLISTに足を踏み入れたTRAFFICはどうなっていくのか!
期待が持てるぜ、この作品。
待て次号!