恋愛映画のラストカットは
- キスをする
- お姫様だっこされる(大概主役は女性なので)
- お姫様だっこされて、キスをする
と相場が決まってそうなのに、このドラマ。
なに一つしないで締めくくりました。
肌色の多いYシリーズというジャンルにおいて、肌の露出もだいぶ控えめ。
くわえてキスすらしないハッピーエンドで特大ヒットを記録して、タイBLの歴史でもユニークな作品として名を刻むのでしょうね。
2gether The Series13話の感想を
第12話の感想は↓↓↓
この作品は日本で配信されています。
配信状況はこちらのページからご確認ください。
Tineが一人、勝手に被害妄想をたくましくしてる最中に。
最終回を目前にして現れた初恋の人が
「昔のワタシたちに戻りたいのよ。私達互いに感じあうものがあったでしょう?」
とSarawatさんに突然の告白。
Sarawatさんは実にあっさり「ごめん」と却下。
わざわざここまでやってきたのに「はいそうですか」とは引きさがれないPamさんは感情的に「なんで……。なんでTINEなのよ!」
と煽りたて、見てるこっちを驚かせる。
この瞬間は
「女の勘ってすげーな。ろくに会話もしていないのにTINEがSarawatの妻だって気づいちまったぞ」
と思ったのでした。この手に何度ひっかかったか。
そして抱きつくラスボスと、それを目撃する悲劇のヒロインモードの主人公。
「なんでだよ」
と階段の踊り場でひとしきり号泣。少し泣きやみ去っていくのでありました。
ここ。
SarawatがやはりPamを突き飛ばしてTineを追いかけられなかった事に、ブロガーとしてはホッと安堵の息をついたわけですが。
一方で、Sarawatさんが追いかけるのが遅れたために。
涙が止まらない状態のTineさんが、夕方を過ぎて夜になり、あたりがすっかり暗くなっても、ワーワー泣きながら校内をふらつく羽目になった事には複雑な心境がいたします。
相当な不審人物になってしまいましたね。
そりゃ破局報道が広まるのも早いわ。
とまぁ夜になっても枯れ果てる事のない涙に頬を濡らすTineさん。
「追ってきてくんないの?なんで?やっぱりPamと今頃は」
と疑心暗鬼にかられ後方を気にしているうちに、前方接近中のMilにぶつかった。
ここ数日の体調不良か、それとも歩き疲れたせいなのか(だって昼から歩きっぱなしすよ、泣きながら)はたまた、ぶつかった拍子にMilの肘がポンポンにナイスヒットしてしまったのか。
Tineさんは倒れこんで動けなくなる。
慌てたMilが車で病院に連れて行こうとする最中に「オレの彼氏にてぇだすな!」とSarawatようやっと現れるものの「彼氏ぶるなら、しっかり面倒みいや」と反論されて、去っていく車を見送った。
「一緒に乗っていけばいいのに」と思いましたね。
Mil先輩、この状況で「乗せない」とは言わないと思うんだけどな。
ネチネチ嫌味は言われるかもしれませんけど。
翌朝、病院のベッドで目覚めたTineは、Mil先輩に事の顛末を話す。
いわく
「彼はPamに気持ちはないって言ってたけど、そうは見えなかった」
「おらのために歌作ってると思ってたのに、それはPamのためだった」
「嘘つきが嫌いなんですよ!」
全てが誤解。全てがTineの被害妄想の産物。
そうではない事を知っている1視聴者としては、共感をしずらかったですね。
しかも、その被害妄想が原因で「実家(友人の家)に帰らせていただきます」という選択までしてしまうTine。
Sarawatの事、キミちゃんと見ていたの?
という気持ちをさらに強くしたシーンでした。
で、おそらく、この被害妄想の塊になってしまったMrシックに喝を入れるのが、負け犬Pamさんになるのだろうな。
そして彼女は最終的には「いい子じゃん、この子」という印象を与えて去っていくんだろうな。
と思っていたら。
彼女の行動は近かったけど、印象はだいぶ違ってましたね。
一年前に全てが始まった場所を訪れたTine。
そこにPamもやってくる。
(男子だけだと判りにくいWinさんの体格の良さが、女子と並ぶと際立ちます)
Sarawatが彼女の事を好きだったように、Pamも彼を好きだった。
告白してくれる事を期待して待っていた。
でも、その日は来ないまま、Sarawatはこの場所でTineを見つけ、そして変わってしまった。
離れれば忘れられると思ったから違う大学を選んだのに、ある日SarawatのインスタでTineの写真を見つけた。
私には告白する勇気がなかった人が、誰もが見れるSNSで自分の気持ちを告白してる。
今なら、今彼のところへ戻ったら、なにかを変えられるかもしれないと思ったのに。
そもそもの発端からPamはTineの事を知っていて、彼の存在が原因で、彼女は自分の恋を諦めた。
Tineに人生ひっかきまわされっぱなしだからでしょうか。
彼女はSarawatが好きなのは自分ではなく、Tineだと知っているのに、それをTineには直接教えてはあげない。
ただSarawatからもらったメモリースティックを渡してあげるだけ。
もっと背中を押してあげる感じになるのかと思ったんですけど「きっかけ」を与えるだけで、2人がどうなるかはTineに完全に委ねてる。
これを聞かないで終わってしまっても、別にいい的な。
この若干消極的なサポートから、Pamさんの「悔しさ」みたいな物が感じられて、人物としての厚みを感じさせてくれるかな。
と思いました。
ま、こんだけTineにいいところ持っていかれて、ポジティブにはなれないよね。
でもって、このPamさんの告白を聞いても。
自分がどんだけSarawatにとって大きな存在なのかを理解できないTineは、自己評価が低すぎると思うな。
「勝った!」とニンマリしてもいいほどなのに。
サブカプ2組
Tineがもらったメモリースティックをいつまでも聞かず、別居生活が続く間に。
サブカプのお話がそれぞれ落とすべき所に落ちていく。
スキあらばTineを奪い取ろうとするハイエナ男Milさんは、Phukongと大学に。
「試験に受かったから施設見学をしたい」というPhukongを連れて歩く彼は、実際はPhukongが試験に落ちた事は知っていて、自分のお気に入りの屋上へ案内をする。
「嘘をつくつもりはなくて、もう一度会う言い訳で」
と、もにょる天敵の弟に「今日ライブがあるから、お前も来いや」と声をかける。
だがしかし。
キャンパスのさほど遠くない場所で、まさに同じ時間にTineとSarawatの修羅場が進行中。
彼らが屋上でこんなナイスな空気感を醸し出している間、Tineは「彼氏に嘘つかれてた、わーんわーん」って校内をウロウロしていたかと思うと、ホントそこは気の毒になりますね。
そして日も暮れ、さぁライブに出発だ!という段階でMilはTineとぶつかり、Tineを病院につれていき、結果ライブはキャンセルになり、一人Phukongは待ちぼうけをくわされる。
からの翌日の夜。
観客席にポツンと一人座ってるPhukongにMilから「昨日は悪い」という電話。
「先輩の友達に聞きました。Tineさんの方が先輩を必要としてたんでしょ?気にしてないです。もう切らないと。映画が始まる。デート中なんです」
「そうなのか?客席に1人で座ってるように見えるのは気のせいなのかな」
MilはPhukongを目視しながら電話をかけてきたのでしたという、ちょっとした「おぉ!」という驚きのあと。
「そっちに行った方がいいかな」
「やめた方がいいと思います。先輩が隣にいたら、ボク、今度こそTineさんのところに行かせられなくなると思うから」
それであっさり引きさがるMil。
あ、Phukongの恋は(とりあえず)実らないで終わるんだな。
と思わせておいてからの展開はちょっと予定調和な印象を受けましたね。
前回、ダメダメなビジネスマナーが原因で住む世界の違いを思い知ったManさんはType兄さんの前から姿を消した。
今思いましたけどType兄さんも恋愛に関しては「もらう」ばかりの人ですね。
家系でしょうか^^;
ウロチョロしてる奴がいなくなって急に不安になる兄さんは、とあるセミナー会場でManと鉢合わせ。
立ち去ろうとするManを呼び止めて「なんでオレを避けているのか?」と問いただす。
押しても駄目なら引いてみろ、という戦略ではなくて。
エライ人にバカにされた事も怒ってるし。
これっぽちも守ろうとしてくれなかった兄さんにも怒ってるし。
なにより、彼らのいう通りのちっぽけな自分に怒ってる。
だからオレは成熟した大人になるまで兄さんとは合わない事にした。
告白しますと、ボクはこの最終回で一番じーんっとなったのはこのシーンですね。
まずはManエライわ。
見た目アラサーなだけあるわ。
「今生でオレが成熟した大人になれるかどうかは判らないけど」
「お前には無理だ。自分でした約束すら守れないのに」
「約束ですか?」
「毎日、オレの前に現れるって約束した。かってにオレの日常に飛び込んできて、さんざんオレの邪魔をして、今度はオレの前から消えたいって?お前、口だけか?」
「でもエラい人がいますよね?」
「誰がそんな事言ったんだよ?贅沢な暮らしがしたいわけじゃない。ただ静かに暮らしたいんだ」
「ということは、いいんですね?おれはなにも持ってませんよ?」
「いいわけない。お前はオレを支えるって言ったんだからその方法を探せよ。オレをこれだけ困らせたんだ。それくらいたいした事じゃないだろ?」
「そうですね」
「家まで送ってくれないか?」
「車で来なかったんですか?」
「来たけど。スモッグにまみれてても、お前と一緒に帰りたいんだ」
まさにこういう展開をボクはTineとSarawatでも見たかったんですけどね^^;
クライマックス
まぁこうやってサブカプの話が丸く収まり、いよいよライブの当日になる。
Pamからもらったメモリースティックをギリギリで開いたTineは、たまらずライブに駆けつけてSarawatの演奏になんとか間に合った。
曲の名前は直球勝負の「Tine」
歌詞をかなり雑に訳しますと
「お前が感じいいのはオレが特別だからってわけじゃないし、オレはお前をホントうんざりさせてるって判ってるんだ。誤解してたんなら謝るけど、一つだけオレの質問に答えてほしい。全部オレの想像なのかな?全部オレの思い込みなの?俺たちが愛し合ってると思ってたのは。だったらオレを愛してなかったと言って欲しい。おれはそれをちゃんと受け入れるから」
くらいの内容でございます。
この歌のあとにSarawatの謝罪がありまして、その質問へのお答えが
「信用してなかったら、ここにいるわけないだろ」
個人的にはもう2歩くらいTineが歩みよってほしかったな。
というのが正直な感想ではあります。
が、まぁ人間そうは変わらない。
この先長い月日をかけて少しづつ互いの凸凹に合わせて、自分の形を変えていくんだろうな。
それをこれからも時々見ることができたら嬉しいな。
という事を感じたクライマックスでした。
ま。結論としては
Sarawatの愛のおっきさがちょっと半端なかったな。
そりゃモテるわ。妻の会もできるわ。
というわけで2gether全13話コンプリートとなりました。
最終回でグッと来たのはどちらかというサブカプ絡みの部分。
主役推しの、るかっちが一番「おおっ!見逃せねぇ!」という感じになったのは
Sarawat松葉杖ついての告白と、ちゃんとそれに粋な形で「OK」の返事を返すTine。
9話の後半から10話の前半あたりだったんですが、その後も面白さを失わずバランスよく最後まで駆け抜けたのはでないかと思います。
これほど反響のある作品なのでシーズン2も検討されているでしょうし、実際可能性は低くないと思うのです、が。
TineがSarawatの浮気を疑う展開よりは2人のラブラブな日常をもっと見たい。もちろん見たい。
いっそ、結局はなんも始まっちゃいねぇMilとPhukongのスピンオフとか、年一回の2時間スペシャルにして、サラタイの2人はいっつもラブラブしてるバカップル。
という事で、いんじゃないでしょうか。
以上。
ここまで、しかもこんなにも文字量の多いブログを読んでくれてありがとう。
ではまた次の作品で。