9話の最後で星を数えてとりあえずTorfunの願いを叶えたTian。
村びと達とのお別れは定番中の定番ですが、もらい泣き必至の仕上がりでした。
涙のお別れの場に隊長はついに顔をださない。
Yod経由で隊長から返却された日記には(おそらく)隊長が追記をしていた。
「隊長が心安らげる人を見つけられるように。そしてその人を心から愛することができるように(意訳)」
それがTorfunが星に願掛けしようとしていた事。
そしてその願いは「(君に出会えたおかげで)ちゃんと叶っていた」と隊長はつづる。
Tianへの愛の告白でありながら、彼を苦しめていたTorfunへの罪滅ぼしが終わったこと=禊の終わりを教える言葉でもありました。
全編を通して、Torfunちゃんが出来すぎていて聖母のようだな、と個人的には感じましたね。
「Tian、俺はここで俺たちの物語を終わりにしたい。これが俺たちにとって最高の結末だよ。俺たちに気兼ねすることなんかない。ここでのことは胸にしまって、君の世界に戻ってくれ。君の心が望む事を、君自身のために始めて欲しい」
かっこいい言葉を日記に書き連ねた隊長は、去っていくヴァンを高台で見送る。
その肩の落ち方が半端なくて……。
またヒゲモンスターになってしまうな、これは^^;
と僕は思ったのでした
『A Tale of Thousand Stars』の最終話の感想を
第九話↓↓↓
7話のラストから「これは一体どうなるんかな?」と心配になるほど重たい設定をぶちこんできた本作ですが、最終話となる10話では欠片も扱われることはありませんでした。
あの事実が物語の結末に大きく影響しないのなら、なんであんなにシリアスな物をぶちこんできたんだろう?
と個人的には釈然としない部分は残るのですが。
あれを引きずらなかったことで、作品のトーンは7話までのノリに戻りました。
個人的にはBL的な部分と同じくらいの比重で、1人の若者が田舎暮らしで自分のアイデンティティを確立していく物語という部分を楽しんでいたので、まあ釈然とはしないのですが(Tulが能天気な顔して出てくる場面では尚更)結果よければすべてよし、と思うことにしました。
実際、その辺の釈然としない部分を「まぁ、いいか」と思わせるのに充分な素晴らしい結末に仕上がってますしね。
さて。
下手なリゾートホテルよりも、リゾート感のあるマイホームへとご帰還あそばされたTian様は、これからの事が決められなくて途方にくれる。
長く生きられないと思っていたので将来の希望もなにもない。
工学部に復学するのも、なんか違う。
抜け殻のように過ごす日々。
転機になったのは、教員登録の時にお世話になった人との再会。
この先どうしたらいいか、わからないんです〜と言うTianに年配男性からのアドバイス。
「君にふさわしい場所を見つければいいだけかもしれないね」
「そんな場所、どうやって」
「あの花を見てごらん」
と、そこには登録時に場所を移動するのを手伝った植木が3ヶ月(とちょっとで)見事に花開いていた。
「君にふさわしい場所なら、君のことを大きく花開かせてくれるはずだよ」
この時点で、Tianは「忘れろ」と言われた場所に教師として戻ることを決意する。
今度は付け焼き刃で行くわけにはいかないから「教師になるために」復学を決めるも、お母さんは渋い顔。
OKしてくれたと思ったら「アメリカの大学で」教員としての研鑽を積むという譲れないラインを引かれてしまった。
こうしてTianさんは2年間の海外留学に赴くことに。
一方、隊長の事は忘れられない。
手紙には「シャワーを浴びてても、誰かさんに覗かれる心配ないもんね」的なメッセージを書きながら、湯船につかって石鹸をほっぺに塗り塗りして、誰かさんがした変○プレイを再現してみて、うっとりする。
あのプレイ。中毒性があるようですぞ^^;
「俺のことは忘れてくれろ」といった隊長からはもちろん返事が来ることもない中で、思わぬというか予想に違わぬというべきか。
村のお医者さんがこの度、生涯で一度だけの結婚をすることになり、その披露宴に隊長とTianを招いてくれた。
さすがです!ナイスサポート!
と思われたのに、隊長は強がりが過ぎて再会は叶わず!
影でコッソリ盗み見て、想いを馳せるというチキンぶりを発揮してヤキモキさせる。
この隊長がいじましくTianを盗み見るシーンでかかっていた曲がこちらです。
どん!
ちなみにこの披露宴にはLongtaeは出席していません。
お医者さんのフィアンセと激しく対立しあった前世の記憶が^^;
ここに来るのをためらわせたのかもしれませんね。
このまま2人は再会することもなく終わってしまうわけもなく。
いよいよ渡米するというタイミングで隊長は空港まで彼に会いに来て「帰ってくるまで待ってるよ」からのハグして〜の、おでこにチュッとして〜の、お母さんびっくりし〜の、Tulは「僕も初めてみましたけれど、相手の男イケメンですよね」となんのフォローにもなってないフォローをしたりした後に、笑顔でTianは旅立っていかれました。
スピード展開であっというまに2年が経過し、思い出の場所でTianと隊長は再開する。
このラストシーン、一字一句訳したくなるほどセリフが素晴らしく、雰囲気もいい、印象深いシーンに仕上がっていましたけれど。
感動をスポイルするのもなんなので^^
若干、上からのお坊ちゃまが「ん?」「ん?」と問いただす声と、抱き寄せられた時の吐息がめちゃめちゃ可愛かったよ。
ということだけをお伝えするのみに留めまして、どうぞ各自ご覧になって、各自感動に浸ってください。
お約束の甘々エピローグも健在で、もはや歯止めの効かなくなった隊長の暴走っぷりに微苦笑をおさえられない展開でした。
気をつけないと、壁にびっしり張り付かれて一部始終村中に筒抜けになりますよ、といらぬ心配をしながら、全編終了となりました。
が。
正直な話、あまりこれで終わった感がないんですよね。
むしろ2人のお話はこれからじゃん?
みたいな。
おぼっちゃま暮らしを捨てて、村に骨を埋める覚悟で戻ってきた新米教師Tian先生の苦悩の日々と、その後始末をさせられる隊長の嬉しくもトホホな日々をもっと見たい。
途中の重たい展開は割となかった事にして、スペシャル版やらシーズン2やら作り続けてほしいですね。
そんな期待を大きくこめて。
待て次号!
読んでくれてありがとう。